IB Biologyの攻略法!高得点取得者によるアドバイスとは?

「Biology(生物)で高得点を取るためにできる具体的な勉強法がわからない」、
実際にハイスコアをとった先輩の話が聞きたい」、と思っているIB生のみなさん!

今回はGroup 4 Biologyで高得点を取得し、EDUBALの家庭教師としても活躍している先輩たちが寄せてくれた「効率の良い勉強法」や試験対策についてご紹介します。

Biologyという科目の特性

基礎知識の理解が肝!

生物学は基本的に暗記の科目であるため、勉強した分だけ成績が伸びやすい科目であるといえる…ただし、ただ教科書を暗記すれば得点が上がるということでもない。(A先輩)

Biologyではただ覚えるのではなく、プロセスを理解した上で覚えることが求められる。(E先輩)

Biologyの特性はなんと言っても「覚える情報量は多いが、単純な暗記作業では点数が取れない」点にあると言えます。なぜなら、Paper 1のような選択問題よりもPaper 2・3の記述問題に評価の比重が置かれている上に、それらは基礎知識をしっかりと理解していなければ十分な解答ができないようなものばかりだからです。

このような科目の特性を踏まえ、先輩たちからはひとりひとりに合った理解・暗記の方法で復習する必要がある(B先輩)」というアドバイスがありました。とにかく書き出す、声を出して読む、人の説明を聞く、など自分に最適なインプット方法でまとめノートを作成するといいようです。

まとめノート・復習の形式や工夫

「自分に合ったまとめかた」が何か試すためにも、どんな方法があるのかまずは知りたい!という方も少なくないはずです。ここではIB経験者の先輩方から聞いた学習資料のタイプをご紹介します。

難しかったり、複雑な単元の勉強用ポスターを作る
言葉の説明が多いと想像しにくいため、DNA Replication(DNA複製)であったり、Kreb’s Cycle(クエン酸回路)であったり、このメカニズムを図表にしていくことによって、理解が深まる
大きめのポスターにすることで細かいところまで確認できるし、壁に貼れば自然と目に入る。(D先輩)

持ち運びを気にせず、普段からよく目にする位置に大きめのポスターを貼る、というのは意外と試している人が少ない方法ではないでしょうか。試験前に教室に持ち込んでクラスメイトと一緒に復習する際にも役立ちそうで良いですね。

暗記帳を作る。(B先輩)

一問一答の形式でまずは前提知識を抑えることも重要ですよね。
暗記帳と一言で言ってもそのデザインは人それぞれです。
文字だけのクイズ形式なのか、イラストを添えるのか、単語カードにするのか、アプリを活用するのか……など。通学時間や寝る前、隙間時間、どんなシチュエーションで使えそうか想像してみることがヒントになるかもしれません。

学習トピック・チャプターごとの関連性を認識することが大切

Biologyは特にチャプター間で関連する内容が多いため(例えばChapter 1のMitosisとChapter 3のMeiosisなど)、その都度前のチャプターを確認することで関連性を強調すると理解がしやすい。(C先輩)

一つ一つの情報を独立した状態で覚えるのは非常に労力が必要ですよね。
なるべくわかりやすく・知識を整理しながら勉強する上で「関連性」を意識することはとても重要だと言えます。

例えば、教科書やノートに注釈をつけていくと頭に入りやすいかもしれません。
「〇〇と似ている!」「〇〇と連続性がある!」と、複数の知識をセットで考えることで、試験本番でも順序立てて学習内容を思い出せるのではないでしょうか

効率の良い勉強法

長期的な取り組み

すべてのChapterを網羅した後、過去問に移ります。(E先輩)

まず、すべてのトピックを把握することが必要です。(H先輩)

ふたりの先輩がまず言及していたのが「すべての範囲」に触れてから次のステップに進む、ということでした。
範囲が広い分、過去問を用いた本格的な試験対策に入る前の準備が大切なようです。

H先輩はこう続けています。

一通り内容の確認ができたら、トピック別に過去問演習をすることが重要です。
その次に、年度別の過去問を使って演習を行います。(H先輩)

トピック別に問題を解くメリットとしては「①どの分野が過去問で頻出するのか把握することができる②頻出問題を繰り返し解くことによって、暗記、理解が可能となる」ことがあると教えてくれました。

絵を描く問題に対しての対策として、事前に満点がもらえるような絵を描いて練習しておく。他にも、必要な情報を簡単にまとめるために表や箇条書きで回答を書くようにする。(G先輩)

作図の問題があることもBiologyの特徴です。実際に繰り返し描くことで知識を定着させるためにも、自分にとっての「完璧な模範解答」をあらかじめ用意しておくと安心できます

このように丁寧に出題傾向を探っていく試験対策は長期的な計画で行うことをおすすめします。

短期的な取り組み(直前対策)

試験までの時間が限られている場合には、実際の問題での設問例を見ながら自信のないトピックを中心に確認する、というようにテスト本番を意識しつつ各トピックの内容理解を深められるようにする。(G先輩)

敵を知るにはまず味方から、というようにとにかく自分の弱点をカバーしていく方法のアドバイスですね。

ポイントは過去問を解きながら対策しているところではないでしょうか。約2年半かけて使ってきたテキストや資料集のページは膨大な量になっているはずです。やはり、直前の試験対策ではこれまで以上に効率の良い勉強法を適用することが求められるようです。

ぼんやりとでも良いので、苦手だな、と思うトピックをあらかじめ確認できているとスムーズに直前対策に入れるかもしれません

過去問(Paper 2・3)を解く際の工夫

マークスキムを徹底的に活用する

類似問題のマークスキム(Mark Scheme)を確認してどのような問題でも対応できるような”完璧な”記述を事前に準備し、それを覚えながら確認するようにすること
書いた内容が合っていたとしても、マークスキムに書かれていない内容であれば点数がもらえない、というように、マークスキムこそが全てであるため、回答を書く際には問題文の微妙な言い回しの違いを見つけて、問題が何を答えてほしいのかを正確に判断して書くことを意識する必要があります。(G先輩)

「記述問題が苦手だった」というG先輩は、苦手だからこそ事前準備に余念がなかったようです。

ライティング形式の問題でほとんど構成されている最終試験では、制限時間と初見の問題というプレッシャに圧倒されることもありますが、Biologyは出題傾向をしっかり掴めていれば対策が可能です。

マークスキム(Mark Scheme)とは?

マークスキムは「得点を与えることができる要素」が段階的にまとめられた評価基準のことで、特に最終試験で用いられるものを指します。複数のExaminerが同一のマークスキムを参照しながら採点できる仕組みです。各課題のマークスキムは、各科目の過去問のアンサーブックで確認できます。

試験形式に「慣れる」ためにできる工夫

Paper2と3のグラフのデータを読み解いて、それに知識を応用するとなると突然基本的な知識も出てこなくなったりする子が多いです。試験直前にデータの読み方を教える・すり込むのではなく、チャプターごとに相当するデータ問題を使って慣れることが大事だと思います。(F先輩)

試験形式・解答方法に「慣れる」というのは、Biologyに限らず最も重要なポイントかもしれません。
慣れておくことで練習通りの言葉が選べたり、頭が真っ白になっても思考のルートを再び辿って対処できます
G先輩の言う「完璧な答案を作って対策する」も、「マークスキムに忠実に」も、慣れるための手段と言えますね。

先ほど引用したF先輩のアドバイスは、IB試験が基本的には「初見の問題」との対峙であることをよく伝えてくれています。焦らず、本来の実力を発揮するためにも、対策段階で基礎知識を応用できる問題演習に取り組めるとベストかもしれません。

最後に

いかがでしたか?今回はBiology(生物)でハイスコアを取った先輩たちのアドバイスや、彼らが実際に行っていた試験対策についてご紹介しました。

他の教科でも同じようにアドバイスをご紹介する記事をシリーズ化する予定です。
特に気になる教科があれば、ぜひチェックしてみてください!