<学生体験談>東北大学工学部の英語学位プログラム「IMAC-U」
東北大学のIMAC(*)(International Mechanical and Aerospace Engineering Course)は、日本の工学部では大変めずらしい、機械・航空宇宙工学を英語で学べる英語学位プログラムです。IMACはIMAC-U(学部コース)とIMAC-G(大学院コース)で構成されます。2011年に、留学生を対象に開設されましたが、2017年には日本人を対象としたグローバル入試が導入されたことで、日本人も一緒に学べるようになりました。
今回は、IMAC-U(学部コース)の数少ない日本人在学生2名からお話をうかがうことができました。英語学位プログラムの魅力と入試のポイントについてお話をうかがいましたので、日本にいながら英語で工学を学びたいIB生の方、是非最後までお読みください。在学生の目から見るプログラムの魅力や体験談は、IMAC-Uを受けたいけど迷っている方の背中を後押ししてくれます!
(*)商標登録第6150306号
学生プロフィール
加藤さん
高校2年生の夏から1年間ニュージーランドへ留学、高校3年生の夏に帰国し、IMAC-Uの第I期を受験。足立教授の研究室に所属。サークルはダンスと弓道サークルに所属。
2023年9月:IMAC-G修士課程修了。就職予定先:宇宙開発機関(※2023年11月追記)
高野さん
IB ディプロマをブラジルで取得し、IMAC-Uのグローバル入試第II期を受験。現在、厨川教授の研究室に所属。サークルは東北大学のFormulaチームに所属。
2023年9月:IMAC-G修士課程修了。就職予定先:自動車メーカー(※2023年11月追記)
インタビュー
ーまずはお二人の自己紹介をお願いします。
高野さん:私はブラジルでIBを取得し、東北大学へ入学しました。専攻は機械工学か医工学のどちらかを予定しています。所属している厨川研究室は、モノづくりの先端技術を研究しています。nanoprocessingや powder jet の粉末を使用した研究もしています。
加藤さん:私の所属している足立研究室は、Tribology、ナノ界面での摩擦・摩耗のメカニズムを解明して、それらを制
学生から見たIMAC-Uの魅力
ーなぜIMAC-Uを選択されたのですか?
加藤さん:世界と比較しても工学のレベルが高い大学を日本で探してました。また出来れば英語で勉強したい思い探していたところ、工学のレベルが高く、英語で学べる東北大学工学部のIMAC-Uを見つけました。
高野さん:私は小学校の4年間はカナダ、高校の4年間はブラジルで教育を受けたこともあり、大学は英語で学びたいという気持ちがありました。日本にいながら英語で授業を受けられるプログラムを探していたところ、東北大学を見つけました。そして、大学見学の際の雰囲気と設備が気に入り、東北大学のIMAC-Uに進学することを決めました。通常の日本語の工学部の授業と全く同じ内容を英語で学べることはとても魅力的でした。
ー学生から見たIMAC-Uの魅力を教えて下さい
高野さん:自然が豊かなため、落ち着いて勉強できる環境だという事、教員の英語や授業のレベルが高い事だと思います。IMAC-Uを選んで良かったと思います。
加藤さん:私もIMAC-Uにとても満足しています。少人数制(1学年15人)クラスのため、助けが必要な際、お互いを助け合えるアットホームな雰囲気があります。私は入学当時、英語力が足りずとても苦労しましたが、クラスメートや教授たちが助けてくれたこともあり、辛い時期も何とか乗り越えられました。
ー辛い時期というのは、どんな時期ですか?
加藤さん:IMAC-Uは秋入学のため、半年間日本の学生と入学がずれます。一般生は4セメスター(セメスター:1年を2学期に分けたうちの1学期)を終えたあと研究室に配属されますが、IMAC-Uでは3セメスターを終えたところで配属となるため、研究室に配属されるまで、一般生が2年間で学ぶ事を1年半で学ばなければなりません。その上、私の学科は研究室配属決定の際に成績が重視されるた
ー高野さんは、大学へ来て大変だと思う時期はありましたか?
高野さん:私はIBで鍛えられたおかげか、想定以上に高校から大学への移行はスムースでした。レポートの書き方などもIBで学んだことが活きました。最近は専門教科の授業が始まり、勉強が大変になってきましたが、こちらもIBで学んだ内容が役に立っています。ちなみに私はIBではPhysics, Math, JapaneseをHigher Levelで、Chemistry, Geography, English をSLで選択しました。IMAC-Uに入るためにPhysicsとMathは本当に頑張りました。最終的に両教科とも7を取得できました。
また、サークルを始めたため、勉強が大変になったこともあります。サークルはレーシング用電気自動車を開発しているFormul
IMAC-Uの授業や生活について
ー面白い授業や印象に残っている授業はありますか?
高野さん:東北大学は実践的な授業が多いです。1年目の「Introductory Experiment」や「Production Process Practice」は、 東北大学の施設を100%使用しモノづくりをする授業です。私は手を動かす事が好きなので、非常に面白いと思っています。
加藤さん:私は、材料力学、流体力学、機械力学が面白いと思います。特に材料力学は、なるほど、と思う事が多いです。日常生活で破損の理由などを自身で分析できるようになりました。「Manufacturing and Engineering and Technology(MEAT)」という授業も面白いです。「MEAT」ではMachine Operationを勉強しますが、カッティング方法、ポリッシング方法等を動画で見せながら教えて下さるので、作業を明確にイメージすることができました。
ーお話をうかがっていると、まるで海外にいるような環境ですが、実際はどうですか?
高野さん:仙台の町にへ行ったり、部活動をしている際は日本語ですが、大学内では留学しているような感覚になります。
加藤さん:私は農学部の留学生とIMAC-Uの留学生の3人でシェアハウスをしているせいか、授業外でも英語で話す機会が多いです。アルバイトで塾講師をしてる時しか日本語を使っていません。時々、指導をしている時に無意識で英単語で言っていることが
※東北大の新学生寮「ユニバーシティ・ハウス青葉山」
IMAC-U生の将来の展望
ー将来の夢はありますか?
加藤さん:エンジニアになりたいという思いがあります。Tribology(摩擦学)を研究していますが、摩擦は車のギアや人工心臓ポンプ、エアロスペースでも鍵となり、色々な技術に応用ができます。「宇宙兄弟」という漫画が大好きになり、航空宇宙が学べる東北大学を志望しましたが、今は選択肢を狭めず、大学にいる間はエンジニアとして必要な技術を出来るだけ多く学びたいと思います。
高野さん:将来の夢は決まっていませんが、大学院へ進むと思います。私はものを作る過程に興味があります。日本のものづくりの技術を日本にとどめず、世界に広め、全体的に工学の水準をあげたいと考えています。所属している厨川研究室では最先端のものづくり技術を開発しています。今後のものづくりの動向をとらえ、最先端の技術を学び、将来に活かしたいと思います。
最後に
ー最後に東北大学を目指す高校生に一言お願いします。
高野さん:IBを取得する高校生へ向けて、IBを頑張って!と言いたいです。入試ではこれまでIBで培った知識がとても役に立ちました。そのため入試対策はIBで学んでいる事を頑張ることだと思います。
(海外生活が長い方々へ)海外生活が長くても受け入れられる体制がIMAC-Uには整っています。無理に日本に合わせる必要はありません。留学生やコミュニティーも多く馴染みやすいので、海外生活が長すぎて日本が怖いと思っている方でも、IMAC-Uなら大丈夫だと思います。
加藤さん:日本にいながら英語で工学を学びたい気持ちがあればIMAC-Uを受けるべきだと思います。日本の高校から入学して、苦労した私から言えることは、英語力は必要だということです。入試でも英語力を求められますし、合格しても実際の授業で英語力を求められます。
合格できたからといって、IMAC-Uを乗り越えられるわけではありませんが、入学前からも手厚くサポートをしてくださいます。私の場合、高校卒業から秋入学までの半年間、物理・数学の指導を英語で受けることができました。
東北大学は併願しやすい大学の一つでもあるので、一つの選択肢として、怖がらずに受けてください。IMAC-Uは日本にいながら、海外留学をしているような感覚を得られますよ!海外大学を考えている方にもとてもお薦めな大学です。
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いかがでしたでしょうか。国際色豊かな、IMACーUで工学を学んでみませんか?学生同士だけでなく、教授とも距離が近いため、楽しみながら研究を進めるには絶好の環境だと筆者は感じました。グローバル入試が設けられているため、IB生は高校で学んできたことを最大限に活用し入試に臨むことができます。
オープンキャンパスにどうしても参加できない方にも、日程の都合が合うようであれば、個別でキャンパスをご案内頂ける場合もあるようです。ぜひ、実際に東北大学工学部を訪れ、自身の目でIMAC-Uの魅力を発見してください。
東北大学
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