【IB受験体験談】岡山大学 医学部・広島大学 医学部にIB利用で合格したHさんにインタビュー!

「IB資格を利用して国内国公立大学の医学部を目指したい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。
出願条件となっているDPスコアや選択科目の条件が厳しいことで知られる国公立の医学部ですが、実際にどの大学が受験しやすいかは中々見えてこないかもしれません。
そこで今回は、岡山大学と広島大学の医学部医学科に合格し、岡山大学医学部に進学したH先輩のインタビューを中心に、医学部のIB入試についてお伝えしていきます!
岡山大学医学部 国際バカロレア選抜について
岡山大学国際バカロレア選抜とは?
岡山大学では、国際バカロレア(IB)のフルディプロマを取得、または取得見込みの者を対象とした「国際バカロレア選抜」を実施しています。
この選抜方法は、通常の学力検査では測定が難しい、SDGs(持続可能な開発目標)などの世界共通の社会課題に関心を持ち、課題解決に意欲と探求心を持つ人材を選抜する目的を持っています。
岡山大学医学部 医学科の出願資格(IBDPスコア・科目)
岡山大学医学部医学科に出願するためには、国際バカロレア(IB)資格の取得において、以下の要件を満たす必要があります。
- IB成績評価の合計点(45点満点)が39点以上の者を選考の対象とします。
- 言語Aを日本語により履修し、成績評価が4以上の者、または、言語Bを日本語により履修し、HL(HIGHER LEVEL)で成績評価が6以上の者。
- 指定する科目を履修し、必要な成績評価を修めた者。
- 指定科目: 物理、化学、生物から2科目、および数学。
- 成績要件: うち1科目はHL成績評価4以上、他の2科目はSL成績評価5以上またはHL成績評価3以上。
- 注: 数学に関する出願資格として指定する科目は、ANALYSIS AND APPROACHES、APPLICATIONS AND INTERPRETATION のどちらを選択していても構いません。
選抜方法概要
岡山大学医学部医学科の選抜は、面接の結果と書類審査(成績評価証明書、自己推薦書、評価書)を総合して行われます。
また、岡山大学の入試には「8月募集」と「10月募集」のふたつがあります。
「8月募集」は医学部医学科のみの募集で、出願資格を満たすのは「前年度のIBDP取得者及びその年度の5月試験受験者」です。そのため、こちらは主に海外・国内インター生を対象としています。
「10月募集」は医学部医学科を含む全ての学部・学科の受験機会が提供されています。出願資格を満たすのは「前年度とその年度の5月試験でのIBDP取得者及び11月試験受験予定者」となっています。
※「8月募集」と「10月募集」の両方への出願はできません。
- 書類審査:
成績評価証明書(200点)、自己推薦書(30点)、評価書(※面接の総合判定の資料)。- 面接:
配点基準の合計には含まれませんが、面接試験で0点の場合は、書類審査の評価結果にかかわらず不合格となることがあります。
ここからは岡山大学医学部、広島大学医学部に合格したH先輩のインタビュー内容から医学部受験についてみていきましょう。
H先輩のプロフィール
| 所属大学・学部 | 岡山大学 医学部 |
| 受験大学 (併願校) | 広島大学 医学部、香港の大学など |
| 出身高校の区分 | 国内一条校 |
| 最終試験 受験時期 | 2024年11月 |
| IB選択科目・スコア | 最終スコア: 39点
HL: 生物、化学、数学AI |
| これまでの教育歴 | 公立小学校から英語教育に力を入れた私立中学へ進学 |
医学部志望のきっかけとIB科目選択
医学部を目指し始めたきっかけは何ですか?
親が看護師で医療に興味があったため、高校1年生の時は深く考えずに医学部を志望していました。しかし、IBで進路を絞って課外活動をしなければならない中で、医療ボランティアに参加したことで関心が深まり、医学部への進学を決意しました。
科目選択と医学部受験の繋がりについて教えてください。
科目選択については、「理系科目を全てHLで履修しておけば、医学部含むどの学部にも進学できる」という考えが大きかったです。苦手科目が国語で得意科目が数学・生物・化学だったため、選択自体に迷いはありませんでした。数学AIを選択したのは、先生から生物学の特定の統計問題に対応するためだと勧められたからです。
海外の医学部も検討しましたか?
一時はハンガリーの大学が第一候補になりました。しかし、海外医学部は金銭面で学費が高く、自己資金での進学が難しかったため、泣く泣く諦めました。
香港の大学を受験した理由について教えてください。
Predicted Scoreが40点だったものの最終スコアは39点になり、浪人を避けるための滑り止めとして急遽受験しました。香港理工大学はIBスコア39点以上で全額奨学金が確実にもらえるシステムがあり、生活費も留学生枠で得られるため、実質的に国内の国立大学の下宿生と同程度の費用で進学できることが決め手となりました。
IB生が受験しやすい国公立医学部とは
IB生が受験できる医学部はいくつかありますが、その中でも岡山大と広島大を選んだのには何か理由がありますか?
①日程的に現地での受験が厳しくはないか、②追加の資格試験は必要か、③自分の選択科目で受験が可能かどうかを比較するところから志望校選びを始めました。また、要求されるスコアなどを含めて「IB生を受け入れてもらいやすい雰囲気の大学かどうか」も大事で、先輩からの情報を参考にしました。岡山大学と広島大学は医学部の中でもIB生が受験・合格しやすいことが過年度の結果からもわかったので受験を決めました。
Hさんは岡山大学と広島大学どちらの合格も掴まれましたが、最終的に岡山大学を選んだ決め手は何ですか?
リサーチを進めながら、岡山大学の方が歴史が長く、卒業後に中国四国地方のどこでも働ける可能性が高い(医局の繋がりが強いのではないか)と判断したことが最大の決め手です。
また、在学中に留学がしやすい体制が整っていることも、岡山大学を選択した要因の一つでした。
IBDPで高得点を取るための具体的な学習法
特にHLの理系科目で実践した高得点を目指すための具体的な勉強法を教えてください。
記述問題が多い科目では、複数の単元を混ぜた問題が出される傾向があるため、特定の科目を集中的に学習する日を設けました。例えば、生物をやる日は全単元を一度に復習するなど、知識を横断的に結びつける学習を意識しました。
知識の定着のために意識したことについて、具体的な取り組みを教えてください。
分からないことがあれば、「なぜなぜ」と掘り下げて徹底的に調べ、知識を定着させることを意識しました。ただ知るだけでなく、「これがこうだからこうなる」と理由を理解して定着させることで、問題を解く時にも応用が利きやすくなります。
志望理由書を強化する経験
出願書類(志望理由書)の準備で工夫した点や、合格に繋がったと感じるポイントがあれば教えてください。
志望理由書は、やはり志望学部と結びつきの強い「貴重な経験」をしていると書きやすいですし、強みになると感じました。
私の場合は、医療関連のイギリス短期留学経験(3週間、トビタテ奨学金利用)や、ボランティア(住んでいた島のケア施設での活動)などを経験していたことが大きかったです。具体的な取り組みから「自分がどれだけ医学部に興味があるのか」をアピールする志望理由書にすることを心がけたので、そこも合格に繋がったと感じています。
特に、広島大学の面接は志望理由書が掘り下げられていく展開だったので、面接を有利に進める上でも「自分が話せる経験がいくつかあること」が強みになると思いました。
中高生活で多様な経験を積むことが、志望理由書や面接でどう重要になったと感じますか?
中学・高校生活で多様な経験を積むことは、志望理由書を作成し、面接で話す内容を豊富にする上で非常に重要だと感じています。特に面接では、話すことがなくなると面接官が突っ込んだ質問をしてくることがあるため、話せる経験を多く持っているほど有利に話を進めることができます。
岡山大学・広島大学 医学部 面接
岡山大学と広島大学、それぞれ受験してみての感触を教えていただけますか?
広島大学は試験日が最終試験の直前で、私が受験した時は受験する人が少なかったため、面接では無難に乗り切れば大丈夫かなと感じていました。
一方、岡山大学は求められる点数が高く、出願時点でその点数を満たす受験生が多いため、面接が合格の決め手になります。
広島大学医学部で出題された面接形式について教えてください。
面接官の先生は5人で、5:1の形式でした。志望理由書を広げて、掘り下げていくような面接だったと思います。記述した「国際バカロレアを通して得られたもの」や「なぜIBを選んだのか」「他の教育プログラムは考えなかったのか」なども質問内容としてありました。
広島大学の面接が初めての大学受験の現場だったこともあり、ものすごく緊張しましたが、面接内容はある意味セオリー通りだったので、そこからは冷静に臨むことができたと思います。
岡山大学医学部で出題された面接形式について、具体的な内容と回答を教えてください。
面接官の先生はお二人で、2:1の形式でした。まずは5種類の統計資料(表やグラフなど)が提示され、10分後に面接が始まりました。面接では、その統計資料全体から読み取れる「医師の過労問題」について5分間説明するよう求められました。資料は全て共通のテーマで繋がっていました。
医師の過労問題の解決策を5分間話した後、教授から「提案したアイディアを実行するための資金はどこから出すのか?」「その解決策は本当に有効なのか?」といった、提案した解決策の実行可能性と深掘りに関する質問を次々と投げかけられました。これには、対話力や、日頃からニュースや世の中のことにどれだけ関心を持っているかが試されたと感じています。
岡山大学のような特殊な面接形式への対策として、事前にどのような準備をしておくべきですか?
一般的な面接対策に加えて、「面接対策の本」などで最新の医療問題に関するニュースやトピックをまとめたものを一通り読んでおくと良いと思います。これを読んでおけば、どの大学の質問にも大体は答えられるようになり、急に全く知らない問題に直面する事態を防げます。
医学部での学びとIBが役立った点
実際に入学してみて、大学の授業形式(講義形式)と高校のIBでの学びとの間にギャップを感じましたか?
大学では講義形式の授業が多く、IBの授業に慣れていた当初は動けずにただ聞くだけの授業に戸惑いを感じました。しかし、慣れてしまえば特に問題はありませんでした。
大学での学習や、将来の医師としての活動に繋がるIBで培ったスキルは何だと思いますか?
IBで培った知識と知識を結びつける能力、そしてパソコンスキルやプレゼンテーション能力は、大学での学習や将来医師として働く上で非常に役立つ力だと強調したいです。これらは、大学や今後社会で必要とされるスキルです。
高校時代の勉強量と比べ、大学生活で勉強量や時間に変化はありましたか?
高校時代と比べて勉強量は全然減りました。特に大学1年生のうちは、テストが少ないこともあり、時間的にも余裕があると感じています。授業数が少ない分、部活やその他の活動に時間を充てることができ、自分で時間を調節できるのが楽しいです。
最後に、これから医学部を目指すIB生の後輩たちへ向けて、「これだけはやっておいた方がいい」というアドバイスをお願いします。
IBDPはしんどいかもしれませんが、そこでやったことは、将来医学部に入ってからも確実に役立ちます。「将来役立つものなんだ」と思いながら、苦しいと思わずに、勉強と課外活動の両方を頑張ってほしいです。
━━Hさん、ありがとうございました!
最後に
いかがでしたか?
Univ-it!では今後もIB生の大学受験に役立つような情報をお届けしていきます。
次回の記事もお楽しみに!













