IB Chemistryの攻略法!高得点取得者によるアドバイスとは?

IB ChemistryはGroup 4の中でも難しいと言われる科目です。
今回は実際にChemistryで高得点を取得した先輩たちから聞いた実践的なアドバイスをご紹介します!

科目の特性

暗記だけでは点が取れない

化学は内容を理解するだけでなく、それを適切に使えることが必要です。(A先輩)

Chemistryは基本的に問題を解いて、慣れていく科目です。(B先輩)

どの先輩も「暗記だけでは点が取れない科目」であると念押ししていました。
理論的な知識を学んだ後、すぐに問題演習に取り組むことで内容や解き方のコツを掴むことで効率よく勉強できる、という声もありました。

出題傾向の分析が重要

Chemistryは出題される問題が非常に似ていることが多く、ある程度勉強するべき範囲が限られています。(G先輩)

国際バカロレア (IB) のChemistryは覚えることが多く、さらにExamではすべての分野から出題されるため、習ったことをどれだけ長く記憶にとどめておくかが鍵となります。(E先輩)

出題範囲が広いからこそ、重要度やトピックの性質に応じた「出てきやすい問題」を捉えることができる科目のようです。

E先輩は長期記憶化するために、学習内容や原理を連続的なイメージとして整理していたそうです。「例えば、どの物質が水に溶けやすいかを考える場合、物質の名前を覚えるのではなく物質の構造からなぜ水に溶けやすいのかを考えるようにします」と話してくれました。

まとめノート・復習の工夫

それぞれのトピックに関するセオリーを纏め、それに関連する過去問題を隣に並べていました(A先輩)

どのような知識を、どのような問題で使うのか慣れる・理解することでFinal Examでも慌てずに問題に取り組めるようになりますね。
問題演習ノートと理論をセットにして整理しておくことで見直しや直前対策にも役立てられそうです。

計算問題が難しいと感じる場合には、 Topic 1: Stoichiometryをよく復習するのがおすすめです。公式を使うだけでなく、それぞれの意味や使う理由をちゃんと理解できたら他の Topic の計算に使う公式が理解しやすくなり、計算問題が解きやすくなります。(I先輩)

I先輩がおすすめしているように、他のトピックと関連性の深い範囲や内容に力をいれる、というのは大切です。どの分野をまず押さえるべきなのかを見極めることも必要になります。

勉強していく中で、復習の際はただノートを読むだけではなく何らかのACTIVE LEARNINGが必要だとわかりました。(D先輩)

D先輩は過去問を積極的に解くことで、クラスメイトの方はフラッシュカード形式で受け身にならない学習方法を試していたそうです。
手を動かしたり、声に出すことで知識を定着させる方法は他の科目にも適用できますね。

効率の良い勉強法

基礎と応用はバランスよく

Chemistryを効率よく勉強するコツとしては、基礎固めと応用問題への取り組みを日頃からバランスよく行うことだと私は考えます。
Mock試験や本試験で良い点数を取りたいがために、基礎を飛ばしてすぐにPast Paperばかりに取り組んでしまう少し違う形式で問題が出された時など、柔軟に対応することができず、的外れな回答をしかねません。逆に、教科書レベルの問題にばかり取り組んであまり応用問題を解かないと様々な範囲の基礎知識を互いにどのように組み合わせて、応用問題に対応するかの力があまり身につきません。(H先輩)

H先輩が警鐘を鳴らすように、過去問だけに力を注いだ場合には模範解答の暗記に陥ってしまうかもしれません。しっかりと基礎を抑えた上で応用問題に取り組み、応用問題が解けなかった時には基礎に戻る、などバランスを取って勉強することが大切ですね。
追い込まれると意外と忘れがちなポイントなので頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

学習内容をエピソードに変換して長期記憶化

Chemistryが難しく感じるのは、分子が小さなものなのに、それに関する出来事(相互作用など)が多くて複雑であるからです。また、日常的な概念ではないので、その出来事は想像しにくく、理解もしにくくなる。対策として、何かのアナロジーを使ったら理解しやすくなり、何かのエピソードとして覚えたら忘れにくくなります。(I先輩)

複雑・抽象的に思えてしまう内容は、物語として流れで思えるといい、と言いますよね。
化学・生物などをテーマにした漫画作品などもありますし、自分なりに創作してみても楽しいかもしれません。ぜひ試してみてください。

試験対策の手順は?

長期的なプラン

まずはPaper1でトピックごとのmultiple choice questionを解いていき、苦手なChapterを確認します。ある程度Paper 1を解き終わったら、Paper 2に移り、最後にpaper 3を対策していきます。(B先輩)

Paper 1の選択問題でざっと得意・苦手を把握し、復習する。そしてその確認を踏まえて記述式のPaper 2・3に移行していく、というB先輩からのアドバイスです。
1番時間がかからないPaper 1の対策を先にしておけば、試験直前の隙間時間をその確認にあてられそうですね。Paper 2・3対策を進める中で理解した知識を踏まえて復習するのも効果があるかもしれません。

過去問を解く際の工夫

Paper 1

問題数をこなす

Paper 1 は選択式ですが、問題数をこなすことが何より大切だと思います。たくさん問題を解くにつれて、消去法で簡単に答えの選択肢を選べる場合の見分け方や、選択肢の絞り方がわかるようになります。なるべく多く過去問を解いて、自分が間違えやすい問題のパターンを掴みましょう。
私は、
本来の制限時間の半分の時間で最高レベルの正答率を得られるようになるまで繰り返し問題を解きました。(C先輩)

選択式だからこそ、記入ミスなどのケアレスミスが起きやすいPaper 1では、見直し時間の確保のためにもスピードが鍵になります。なるべく早く、問題を読んだら即座に解答できるように演習を重ねましょう。

カリキュラム変更に注意する

Chemistryのシラバス変更のため、もう出題されなくなった単元が問われていることもあるので、注意しましょう。(特にChapter 1)(B先輩)

IBは早いと5年に1度カリキュラム改訂が行われます。「過去問を必死に解いて理解したのに、実際に受ける試験には出題されなかった……」という事態を回避するためにも、シラバスを確認した上で対策してみてください。

Paper 2・3

自分の言葉で説明できるように

Paper 2は記述式です。回答で役立つフレーズは解答例から暗記することもありましたが、まずは自分の言葉で回答できるようにコンセプトを理解するように努めました。例えば、化学用語のコンセプトや、得られる実験結果が理解できなかった時は、先生や友達と話し合ったり、何種類か教科書を比較して読んだり、YouTube動画を見たりしました。(C先輩)

記述問題は特に、本番で柔軟に対応できるかどうかが点数に直結します。対策時にはマークスキムを写すだけではなく、自分でパラフレーズしていくとより定着しやすくなるはずです。

また、C先輩が話すように、理解できない内容があれば様々なソースを参照しながら納得いくまで考え、言語化していくプロセス自体も効果的な勉強法と言えそうです。

配点にも意識を向ける

Paper 2やPaper 3では配点にも注意する必要があります。箇条書きで解答を組み立てることで必要な数のキーワードを確実に抑えることが大切です。複雑な計算が出てくる問題も多いので、計算機の使い方を日頃から練習しましょう。(C先輩)

IBの記述問題は、基本的にマークスキムの情報が含まれているか・しっかり説明できているかで得点が決まります。長文で回答しても、そこに必須知識が入れ込まれていなければ0点です。どのように記述するのかは自身の言葉や文章構成で、何を書くのかはマークスキムや教科書を叩き込んで本番に挑みましょう。

最後に

Chemistryは過去問などを用いた演習と、傾向分析が非常に重要な科目である、ということが先輩方のアドバイス・体験談から窺えます。

複雑な内容を本番まで忘れてしまわないよう、どのように工夫して学習すると良いのかを考える上で参考になれば嬉しいです。

次回の記事もお楽しみに!