【OBインタビュー】医療機器メーカーで働くICU卒業生が考える、ICUの強みとは?

2019年8月15日

緑豊かな三鷹市にキャンパスを構える国際基督教大学(ICU)。留学生や帰国子女が多く在籍するグローバルな学校であることで有名で、国際的な環境で勉強をしたいと考える方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、学部が教養学部アーツ・サイエンス学科と1つしかないICUでの学びがどのようなものであるのか、なかなかイメージが湧かない方も多いでしょう。今回はそんな疑問を解消するべく、ICUを卒業し、医療機器メーカーの開発職で働くOGの方にインタビューを行いました。
社会人になってから気づくICUの魅力とは?ICUで培われたスキルは就職でどのように役立ったのか?そのような疑問について語っていただきました。

「大学の先には何が待っているのか」ー高校生の皆さんはそこまで考えたことがありますか?
「大学を卒業して社会で活躍できる人材になりたい」「将来のためになるスキルを大学で身に付けたい!」と思う方は必読です!

今回インタビューさせていただいた大西さん


高1夏〜高3まで中国・上海のイギリス系インターナショナルスクールに通い、滞在中IBDPを取得。
帰国後、国際基督教大学(ICU)に入学し、研究室では有機合成を学ぶ。ICU卒業後は東京大学の大学院に進学し環境分析を研究。現在は医療機器メーカーの研究開発部門で技術者として働く。

 

ICUに入るまで

ICUを志望された経緯を教えてください。

私は高1の夏から中国のインターに通い始めましたが、海外で様々な人と関わったり異文化に触れたりしたことで逆に日本のユニークさを意識するようになり、日本人として日本でもっと勉強できることがあると感じました。しかし同時に海外に行ったことで培われたスキルや経験も失いたくないとも思い、日本で国際的かつ帰国子女の受け入れ制度が整っている、ということで定評のある国際基督教大学(ICU)を志望するようになりました。またICUはリベラルアーツの大学なので、高い英語力をキープしながら理系の勉強ができるというのも大きな魅力だと感じました。

 

入学する前から勉強したい分野は決まっていましたか?

IBでPhysicsとMathsをHLでとっていたこともあり理系の分野には興味がありましたが、特にこの教科を深く学びたい、という細かいところまでは決まっていませんでした。しかしICUにいた4年間の前半で文系と理系両方の授業を取ったうえでやっぱり理系、特に化学をやりたいな、という気持ちが確かになりました。

 

ICUでの学校生活について

ICUでの大学生活はどうでしたか?

ICUはジェネラルな教養を学びながらも、ある特定の分野を突き詰めようと思えば突き詰められる環境が整っていました。ICUというとリベラルアーツのイメージが強く理系は弱いと思われるかもしれませんが、私が卒業論文で扱った研究内容を先生が学会で発表をしたほど、ある分野の専門性を身につけようと思えば身につく場です。さらに英語で論文を書いたり、英語でのディスカッションの授業があったりと国際色が入ってくるので多様な学びができる大学でした。

 

入学前と入学後のギャップはありましたか?

入学する前は留学生や帰国子女がとても多いということから、良くも悪くも「日本人らしくない」人が多い場所なのではないかと思っていましたが、実際にはただ「日本人らしくない日本人が多い」というような単純な場所ではありませんでした。国籍や人種という枠を超えて広い視野で物事を見られる人がたくさんいて、とにかくダイバーシティのある環境でした。

 

ICUで一番記憶に残ってるエピソードを教えてください。

ICU生全員に必修として課されている、聖書を読む授業が一番記憶に残っています。この授業では英語で聖書を読み解きその内容についてディスカッションをしていくのですが、聖書や宗教に関して本当に様々な意見があってとても興味深かったです。ICU自体はキリスト教の大学ですが、もちろんキリスト教徒ではない生徒もたくさんいます。様々なバックグラウンドを持つ人たちが同じ教室に集まって、意見を本気で交わし合うというのはICUならではの経験だったと思います。
今色々な所で「国際化」「多様性」といった言葉が叫ばれていますが、本当の意味での国際化とはICUで経験したような事だと感じました。ICUはただ外国人や留学生がたくさんいる、という表面上だけでのダイバーシティではなく、色々な意見を持つ人が集まり、お互いを尊重しながらディスカッションをすることができる、本当にグローバライズした場所だったと思います。

 

ICUで学べるスキルは何だと思いますか?

「自主性」だと思います。教養学部という広い選択肢が与えられる環境だからこそ、自分で考えて動かないと何も進めません。自分は何に興味があるのか、どんな大学生活を送りたいのか、などと自分と向き合っていく中で自らアクションを起こす、自主性が身につく場だと思います。

ICUのあと東大に進学したのはなぜですか?また、東大進学を経て気づいたICUの良さはありましたか?

元々大学院には行くつもりでしたが、ICUでの研究室とは分野が違うものをやりたいと思っていました。自分がやりたかった環境分析という分野はICUにはなかった、というアカデミックな理由で東大の大学院進学を選びました。
東大に行って気づいたICUの良さとしては、ICUは幅広い選択肢の中から自分で選んで学ばなくてはいけなかったので、本当に好きでパッションを持って学んでいる人が多かったように感じます。自分と異なる分野に情熱を持って学んでいる人たちと同じキャンパスで過ごすのは今考えても特別な経験だったと思います。

就職活動について

ICUでの経験は就活でも役立ちましたか?

ICUでは理系でも卒業論文は英語で書くほど英語教育に力を入れているので、ただ単に英語がわかる、というレベルではなくて英語をツールとして使える、というレベルまで身につけられたのはアピールポイントになりました。また、広い分野から自分の興味のあることを見つけ出すという環境に身をおいていたことで、身についた主体性は評価されたと思います。

大西さんは、今医療機器メーカーで開発をされているんですよね。なぜ医療系に進もうと思われたのですか?

自分で仮説を立てて研究をしていくということを楽しく感じたので、仕事としても研究開発を行いたい・技術者になりたいというのは元々思っていました。
その中でも医療機器メーカーを選んだのは、医療というのは様々な分野を網羅する産業なので、好奇心が強く新しいことを学び続けたいという私の希望が叶う場所だと思ったからです。また、「健康でいたい」という気持ちは世界共通の思いですから、医療系で研究開発ができれば日本だけでなく国際的に働くことができる技術者になれるのではないかと思いました。

就職先にはどのような点が評価されたと感じますか?

まず一つ目は英語のスキルだと思います。研究開発という職種だと英語を使うイメージはあまりないかもしれませんが、実は海外から来日したお医者さんと話す機会も結構あるんです。そういった時に開発に携わる当事者が英語でコミュニケーションが取れるというのはとても貴重な強みだと思います。
もう一つ目は、先ほども触れた自主性だと思います。医療というのは単に人体のことだけでなく、工学や化学、ひいては文系の分野にまで網羅するものなので、好奇心旺盛に自ら学んでいく姿勢は働き始めてからも評価されていると感じます。技術系で働く上で専門性は大切ですが、自分の専門分野を突き詰めることだけが「専門性を高める」ことではないと思うので、こういった姿勢を持つ人材はどんな産業、分野でも重宝されると思います。

社会人の先輩として、どういう子に入ってきてほしいですか?

一緒に働きたいと思う人は色々なことに対して尻込みせず挑戦できる、適応力のある人ですね。どんどん環境が変わっていく中、自主的に考えて上司に提案できる人が重宝されると思います。職場というのは答えがないところなので、指示を待つだけの人だと新しいことは任されなくなってしまいます。最初は提案までするのは難しいかもしれませんが、言われたことをそのままするだけではなく自分の仕事の意味をちゃんと考えて、疑問に思ったことは素直に質問できる人があらゆる職場で求められています。

 

ICU生の強みについて

ICUの生徒は他の学校の生徒とどう違うのでしょうか?

従来の型にとらわれない人が多く、いい意味で変わった人がたくさんいました(笑)。ディスカッションなどでも自分の意見を貫き続ける人が多かったですし、自分のやりたいことに素直で、それを追求し続けて妥協しない強さを持つ人が多くいると思います。
それもあってか、大学卒業後の就職先も本当に人それぞれでしたね。システムエンジニアになった人もいれば、海外の大学院に進学した人もいましたし、自分の好きなことを追求する人が多いので進路先も多様化するんだと思います。

 

今の職場にICU生は向いていると思いますか?

基本的にICU生のように自分で考えられて主体性を持って動ける人は、どこでも通用すると思います。私が働いている会社も今工場も海外に進出させようとしていますし、色々な体制を変えようとしている所なので、ICU生のような型破りな人を必要としているところは多いのではないか思います。

今大学時代に戻るならしておきたかったことはありますか?

海外の大学に長期留学したいですね。夏休みを使ってアメリカの大学に短期留学はしたのですが、もう一度戻れるなら一年ぐらいの長期の留学をしたいです。ICUは特に海外とのプログラムもたくさんあったので、そういった機会は思い切って活用すべきだったと思いますね。

 

後輩へメッセージ

最後にこれから大学進学をひかえるIB生たちへメッセージをお願いします。

今学んでいることはあくまでもきっかけにすぎません。一番大事なのは、それらから自分が「好き」と思えることを探し続け、見つけ出すことだと思います。私の経歴を見ると色々なことを学んできていて一貫性がないように見えるかもしれませんが、自分では色々な分野を行ったからこそ培われたスキルがあると思っています。自分が好きと思えることを意志を持って追い続けていればおのずと道は開かれるので、今自分がいる環境にとらわれずに視野を広く持ちながら好きなことを追求してほしいです。
 


大西さん、インタビューへのご協力ありがとうございました!
大学に進学する際は、インタビュー中触れられていたように「自分がどのような環境に身を置きたいか」ということを考えることが非常に重要です。大西さんの場合「国内で国際的、かつ理系の勉強ができる大学」という明確なイメージを持ってICUに進学されたため、在学中の経験がスキルとなり職場などでも役立っているそうです。
大学のように4年間、自分の学びたいことを学ぶことだけに注力できるのはなかなか貴重な時間です。これをきっかけに「自分はこんな人たちに囲まれて学びたい」「卒業後こんな人になっていたい」…そんな将来のイメージをまず描いてみてください。

この記事を通して国際基督教大学(ICU)に興味を持たれた方はぜひ大学HPをチェックしてみてください。

公式サイト:国際基督教大学(ICU)公式サイト