【IB生体験談】一橋大学を外国学校出身者選抜入試で受験したIさんの受験体験談
「元IB生の先輩はどのように大学へ進学したのだろう」
「似たような進学先を選んだ先輩はいるのだろうか」
現役IB生の皆さんの中には、先輩の進学手段や入試対策について知りたいという方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、一橋大学の外国学校出身者選抜入試に合格し現在一橋大学に通っている海外インター出身の元IB生にお話を聞きました。受験対策やIB生へのアドバイスなど、幅広くお答えいただいたので、これからIBを始める方や現在IB生の方は、ぜひ参考にしてみてください。
Iさんのプロフィール
所属大学 | 一橋大学 |
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所属学部 | 経済学部 |
出身高校の区分 | 海外インター校 |
Final Exam | May 2022(2022年5月) |
IBスコア | 43 |
IBの科目 | HL: Japanese A, Math, Chemistry SL: English B, Economics, Music |
TOEFL | 103 |
一橋大学 外国学校出身者選抜入試について
Iさんの体験談を紹介する前に、まずは一橋大学の外国学校出身者選抜入試について解説します。
出願資格
一橋大学の外国学校出身者選抜入試は、日本国籍を有する海外のインターナショナルスクールや現地校の出身者などを対象とした入試です。そのため、海外IB生を含む帰国子女生が受験することができます。国内のIB生は受験資格の対象外となっておりますので注意してください。また、受験資格で注意しなければならないのは、渡航の理由が保護者の海外勤務等のやむを得ない事情であることが明記されていることです。自主的な留学も受験資格の対象外になります。
入試名称 | 外国学校出身者選抜入試 |
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所在地 | 東京都国立市 |
対象のIB生 | 海外のIB生 |
入学時期 | 4月入学 |
実施学部 | 商学部、経済学部、社会学部、法学部 |
出願時期 | 11月下旬 |
募集要項 | 募集要項はこちら |
詳しい概要については、以下の記事で紹介しています。興味のある方は、ぜひ体験談と併せてご覧ください。
一橋大学外国学校出身者選抜入試の受験体験談
ここからは、Iさんの受験体験談を紹介します。海外インターでIBDPを取得し、2023年4月に一橋大学経済学部へ入学しております。
志望理由
Q: 志望校、併願校の選択方法をお伺いしてもよろしいでしょうか?
A:日本に帰国当初は医学部を第一志望としていましたが、海外滞在中に日本の学習内容を十分に進めることができず、受験可能な大学が限られていたため、合格に自信を持てませんでした。そこで受験科目が比較的少なく、IBを通して興味を持つようになった経済学に魅力を感じ、経済学部を中心に受験することを決めました。
Q: なぜこの大学・入試方法で受験しようと思いましたか?
A:秋の時点で既に慶應義塾大学経済学部から合格をいただいていましたが、せっかくの機会なので国公立大学にも挑戦したいと考えました。実家から通える範囲にある東京大学と一橋大学に出願したところ、東京大学は書類選考で不合格となったため、一橋大学に絞って受験することにしました。
書類選考
Q: 書類選考で意識したことはありますか?
A:外国学校出身者選抜入試では志望理由書の提出が不要であり、TOEFLやIELTSなどの英語試験のスコアも任意提出となっています。そのため、私は英語試験のスコアを提出しませんでした。私の体験からすると、この試験では書類選考で不合格になることはあまりないように感じました。また、事前に学校の成績がそれほど重視されないという情報も得ていました。
学力試験
Q: 学力試験の形式を教えてください
A:英語と小論文の試験でした。英語試験は一般入試と同じ問題で、単語の穴埋めや英文の和訳などが出題されました。小論文は年によって違うようですが、私のときは3問出題されました。そのうちの2問が300字程度の要約問題で、残りの1問が自分の意見を織り交ぜながら書く1000文字の小論文でした。
Q: 小論文の内容はどのようなものでしたか?難しかったですか?
A:出題された文章は、年功序列など日本の企業文化を批判的に扱った内容で、文章も長く、日本語の表現がかなり難しかったです。秋に受験していた私立大学とは雰囲気が違っていて、要約問題もそれまでやったことがなかったので、正直難しく感じました。
Q: 英語試験に向けて対策などはしていましたか?
A:20年分くらいの過去問が入っているテキストがあったので、それをひたすら解いて対策していました。
Q: 小論文に向けて対策などはしていましたか?
A:近所の個別指導塾に通いながら対策をしていました。具体的には、他の大学の帰国生枠で公開されている問題を解いてみたり、慶應義塾大学の一般入試の小論文を使ってアイデア出しや文章を読む練習をしたりしていました。海外にいた頃も日系の塾で小論文講座を受けてはいましたが、そちらは時事知識を身につけることが中心でした。実際に書く練習を始めたのは帰国後でしたが、Japaneseの授業で文章を書くことには慣れていたので、それほど不安はありませんでした。
面接試験
Q: 面接の様子について伺ってもよろしいでしょうか?
A:学力試験の時点で教室いっぱいにいた受験生が、二次試験の面接へ進むと6人まで減っていました。学生1人に対して先生2人で面接を行う形式でした。
Q: 面接ではどのようなことを聞かれましたか?
A:面接時間の半分かそれ以上を費やして、志望理由について詳しく聞かれました。経済学部を志望するきっかけとなった活動や関連する勉強を高校でやったことがあるかなど、深掘りして聞かれました。特に印象的だったのが海外の数学の授業の様子や日本の数学を勉強したことがあるかについて聞かれたことです。経済学部は数学の単位が必須なので、入学後に苦労しないか確かめたかったのではないかと思います。また、突飛な質問はありませんでしたが、なぜ日本の大学を受験するのかについてはかなりしつこく聞かれました。
Q: 面接の対策として行っていたことはありますか?
A:秋から私立大学を中心に経済学部をたくさん受験していたので、学びたいことや海外での活動などのアピールはそれを基盤に話し、それに加えて一橋大学のシラバスや高風を調べることでキーワードを取り入れて話せるように準備しました。また、なぜ他大学ではなく一橋を志望するのかについて聞かれると予想しており、実際に面接で質問されました。事前に見ていた学校案内に記載されていた理念と自分のやりたいことが一致していると思ったので志望したと答えることができました。
Q: 面接についてどのような印象が残りましたか?
A:基本的な雰囲気は和やかで、審査されているというよりはこちらを知ろうとしてくれていると感じたので、そんなにやりにくくはありませんでした。
IB生へのアドバイス
Q: 一橋大学を受験するIB生へ向けてアドバイスはありますか?
A:試験の形式が私の受験した他大学とかなり異なったので、一橋に向けて対策をする必要があり大変でしたが、やはり英語と小論文の試験対策をきっちり行うのが重要だと思います。その一方で、学校の成績や英語試験の点数は見られていない感覚があり、実際にIBで失敗した友達も書類審査は通っていました。一橋の試験スタイルを理解し対策した上で臨めば、合格のチャンスはあると思います。
大学受験を通して
Q: 大学受験の際にIBをやっていて良かったと感じたことはありますか?
A:SATなどとは異なり、IB生にはIB入試を実施する大学があるため、それなりのアドバンテージがあると感じています。また、CASやEEを通して多くの成長を実感でき、レポートを書くなどの経験をIBでたくさん積んだことが、大学の課題を楽に感じられる理由だと思います。授業中に発言したり自主的に学ぼうとする姿勢は、他の人と比べてもIB生の方が積極的だと思うので、大学での勉強スタイルにもスムーズに適応できていると感じています。
Q: 志望校に合格するためにはどのようなことが重要だと思いますか?
A:まず、書類審査に通らなければ何も始まらないので、IBの成績やTOEFLの点数はできるだけ上げておくことが大切だと思います。それと同時に、私は自分が納得できる志望理由をしっかり準備しておくことも重要だと感じています。志望理由書の添削や面接の練習をしているうちに、たくさんのアドバイスをもらうことがあり、時には自分が本当にやりたいことがわからなくなることもあります。でも、それらを全部取り入れようとせず、自分が本当にやりたいことを大事にしながら進んでいくことで、いざという時には自分の言葉でしっかり答えられると思いました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は一橋大学に通うIさんの体験談を紹介しました。興味を持たれた方はぜひ一橋大学、もしくはそれぞれの学部学科のホームページをご覧ください。
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