IB教育と相性抜群!リベラルアーツ教育とは?〜日本の大学で学べる国際教養について〜
日本の大学受験において一般的には早めの段階で「文系」か「理系」かに分かれ、その選択肢によって大学で勉強できる学部まで絞られてしまいます。
しかし、幅広い分野を勉強してきたIB生の皆さんの中には、引き続き両分野を勉強し続けたいと思う方もいるのではないでしょうか。
そのような方におすすめの「リベラルアーツ教育」についてご存知でしょうか?
そもそも「リベラルアーツ」とは何か。また日本ではそのようなカリキュラムがどの大学で提供されているか。
本記事ではIB生の皆さんに、リベラルアーツ教育の魅力についてご紹介します!
リベラルアーツとは?現代における意義
「Liberal Arts(リベラルアーツ)」という概念はなんと古代ギリシャまで遡ると言われています。階層社会の中で「自由市民」として生きて行くために身につける必要がある基礎的な学問として誕生したのが起源だそうです。 その後、古代ローマ時代には「自由7科」として、「言語」に関わる3学「文法」「修辞」「論理」、また数学に関わる4学「算術」「幾何」「天文」「音楽」の7つの学問と定義づけられ、その考え方が現代のリベラルアーツの原型になっています。
そんな歴史の古いリベラルアーツ教育ですが、古代ギリシャ時代から2500年以上経った現代で大きな注目を集めています。その理由は、現代社会が抱える諸課題を解決するためには、複数の学問・観点からの研究が必要不可欠だからです。例えば、「環境問題」は世界中いたるところで課題となっていますが、その原因には動植物の生態系(エコシステム)や、発展途上国における開発、先進国との格差など、文理にまたがるものが考えられます。その解決策としても、環境負荷の低い新しい技術の開発(電気自動車など)だけでなく、国際関係・国際政治、子どもたちへの教育などの観点も考えられます。
このように、現代社会の問題を解決するためには文理関係なく、様々な観点でその課題を捉えられる人材が求められています。リベラルアーツ教育が養成しようとする人材は、まさにそのような多角的思考ができ、今までの常識を疑う批判的思考と、実行に移す実践的思考ができる人なのです。
発祥地はヨーロッパですが、大学の教育として取り入れ、リベラルアーツ教育に特化した「リベラルアーツ・カレッジ」は現在、アメリカに多く(500校以上も!)存在します。Times Higher EducationやUS Newsなどの大学ランキングには「リベラルアーツ」専門のランキング項目があるほどアメリカでは認知されている教育方法です。さらにマサチューセッツ州にあるWilliam’s CollegeやAmherst Collegeなどのリベラルアーツ・カレッジは、人気大学ランキングのトップ50位に必ず入るほどの有名カレッジです。
【PR】国際基督教大学(ICU)
ICUは東京都三鷹市にキャンパスを構える、日本初の1学部1学科制のリベラルアーツ・カレッジです。文理を超える31メジャー(専修分野)から入学後に専門を決めることができます。学問分野の垣根を超えた幅広い学びが可能な「世界基準のリベラルアーツ教育」、日英両言語で学ぶ「日英バイリンガリズム」、学生が自律的に学ぶ「少人数・対話型教育」を特徴としています。
IB生にオススメの国際基督教大学(ICU)3つのポイント
1.あなただけの学びをデザインできる4年間
ICUでは、メジャー(専修分野)を入学後に決めることができます。学生一人ひとりが自律的に自由に授業を選択して学ぶので、カリキュラムは学生の数だけ存在します。専門は、文系・理系あわせて31メジャーから選び、2つのメジャーを組み合わせることも可能。自分の専門以外のメジャーも4年間通して履修できるので、自分のメジャーを中心に関連メジャーを組み合わせて学際的に研究を深めていくことができます。
2.日英両言語でのバイリンガル教育
平和へのミッションを掲げるICUでは、日本語と英語の「バイリンガリズム」を貫いています。多言語・多文化的視点を育み「責任ある地球市民」となるには、複数言語の運用能力は必須です。主に日本語を母語とする学生はリベラルアーツ英語プログラム(ELA)、一方で主に英語を母語とする学生は日本語教育プログラム(JLP)を履修します。JLPには家庭内など限定的な場面でのみ日本語を使っている学生のためのプログラムもあります。教室や事務室、クラブ活動、寮など、学内ではバイリンガリズムの原則が浸透しています。
3.9月入学を含めた多様な入学者選抜制度を実施
ICUでは世界中から多様な学生を受け入れるため、様々な入学者選抜制度を実施しています。海外の現地校やインターナショナルスクールを卒業した方のための帰国生入学試験(4月入学)やEnglish Language Based Admissions(4月入学/9月入学)や、IBDPを取得予定の方に向けた総合型選抜(IB認定校対象)などを実施しています。
広大で緑豊かなキャンパスなど、ICUの魅力はたくさんありますので、それを体感するためにも、ぜひオープンキャンパスなどにご参加ください。お待ちしております。
リベラルアーツ教育のメリット
リベラルアーツ教育とはひとつの専攻を学ぶのではなく幅広い分野を横断的に学び、教養を身につけることを重視する教育課程のことです。幅広い学問の視点を身につけることにより多角的な考え方を学ベル上、創造的発想を持つことができることが高く評価される理由です。
日本においてのリベラルアーツ教育について
アメリカでは大学卒業後、就職をせずに大学院に通う方が多いため、「リベラルアーツカレッジ」で教養を学び、さらにそこで興味を持った分野を専門的に学ぶために大学院に進むパターンが多く見られます。しかし、日本の大学が提供するリベラルアーツ学部の特徴としては、最初の1〜2年で幅広い分野を学び、3〜4年で専門分野を選ぶカリキュラムとされていることです。問題提起、問題分析、問題解決を養うためのグループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションを取り入れた授業内容が主流です。
また、授業の大半を英語で実施している大学や海外への交換留学を推薦しているプログラムが多いため、幅広い分野の知識だけでなく、異文化に対する意識や知識を養い、グローバル社会の中で活躍できる日本人を育成することを目的としています。このような教育を日本の大学の多くは「国際教養」と呼んでいます。
リベラルアーツ教育がIB生に人気な4つの理由
リベラルアーツ教育がIB生に人気な理由は次のような理由が挙げられます。
IBと似た授業スタイル
リベラルアーツを取り入れている国際教養学部では、IBと同様に一年生の間に様々な分野の授業を取ることで広い範囲での教養を学ぶことができます。そのため、IBと似た学習環境が整えられており、これまでの学びを活かしながら授業を受けることができます。例えば、多くの国際教養学部では少人数クラスやディスカッションをベースにした授業を取り入れています。大学で大人数のクラスで講義を聴くという授業環境が苦手な方にはぴったりの環境です。
IBのミッションとの共通点
IBOが出しているミッションによると、”These programmes encourage students across the world to become active, compassionate and lifelong learners who understand that other people, with their differences, can also be right.”(このプログラムは世界中の生徒たちが積極的で思いやりがあり、他者を理解する能力のある学習者になるために力を注ぎます。)とあります。国際教養学部でも同様に、自分と違った分野にいる人にも対応できる人材作りを目指しているので、IBで培ってきたスキルを継続して磨ける絶好の学部と言えます。
帰国子女が多い
国際教養学部は受験の際にSATやIB、TOEFLスコアを提出を義務付けているところがほとんどです。そのため帰国子女や他にIBを受けてきた学生が多く在籍しています。似たような環境で高校時代を過ごしてきた学生たちと一緒に学校生活をともにできるので安心感があります。また、外国人留学生もこの学部に所属していることが多いので、日本にありながら国際交流に富んでいるというのもおすすめできる点です。
IBで取得する科目に制限がない
特定学部の受験、特に海外受験においては、特定のIB科目の取得を義務付けている大学が多くあります。それと反対に国際教養学部では、どの科目を履修していてもIBDPであれば受験資格を得られるというのが大きな特徴です。多様性の重視や様々な分野に対応できる人材を求めているという背景から、自分の好きな教科、得意な教科で受験に臨むことができます。
リベラルアーツ教育を導入している日本の大学について
国際基督教大学
1953年に開学した、日本におけるリベラルアーツ教育の「パイオニア」校です。「責任意識と生涯学び続ける力を体得した人々を世に送り出すこと」を目標としています。
国際基督教大学
上智大学 総合グローバル学部
日本における全ての授業を英語で提供する学部としては最も歴史がある大学。1949年に在日米軍関係者などに向けて開設した国際部が前身であるそうです。帰国子女、留学体験者など、海外経験を持つ学生が多くいる大学で、AO入試は書類審査のみで合否が決まること点から、海外在住の受験生に人気の学部です。
早稲田大学 国際教養学部
海外経験がない方は留学が必須とされていることと、英語に加えて第2外国語を学ぶことが一番の特徴です。また、留学先はイギリスのオックスフォード大学、アメリカのイェール大学、シンガポールのシンガポール国立大学など、各国の名門校が提携先となっています。
国際教養大学
早稲田大学同様に留学が必須とされていますが、さらにその留学に向けての準備として1年次にキャンパス内の寮に入り、留学生と生活を送ることがプログラムに組み込まれています。
国際教養大学
立命館大学 グローバル教養学部
オーストラリア国立大学と共同で作られた学部で、原則として全ての学生が両方の大学(立命館大学大阪いばらきキャンパスとANUキャンベラ キャンパス)で学び、4年間で2つの学位の取得するプログラムです。
山梨学院大学 国際リベラルアーツ学部(iCLA)
山梨学院大学iCLAは、アメリカ式リベラルアーツ教育を提供しており、ほぼ全ての授業を英語で行います。1年次は全員がキャンパス内の国際寮に入り、日本人学生は提携大学への1年間の交換留学が必須となっています。国際政治、グローバルビジネス/経済学、人文教養、日本研究の4つのメジャーを選択可能ですが、メジャー選択後も横断的に学ぶことが可能です。
公式サイトも、ぜひチェックしてみてください。
最後に
以上、「リベラルアーツ」の由来、日本におけるリベラルアーツ教育について、またそのような教育を学べる大学の一部をご紹介しました。
「将来海外で活躍したい!」「色々な分野の勉強をしつづけたい」など考えている方は、ぜひこのような大学も検討してみてください。
上記以外の大学もありますので、まずはUniv-it!の検索機能を使って調べてみるのはいかがでしょうか。