海外大学進学に実際にかかる費用を公開!実際にイギリスの大学に通う筆者が解説

 

はじめに

海外大学に進学したいけれど、経済的に不安…。国内大学と迷っていて、両者を具体的に比較したい。

学費だけではなくて、実際の大学生が全体でいくら使っているのか知りたい。奨学金がなければ進学できないの?等々…

 

海外大学進学に関する費用は不透明ですよね。

 

本記事では、実際にイギリス・ロンドンの大学に通う筆者が、海外大学進学にあたって必要な費用をご紹介します。

海外大学進学にかかる費用の分類

海外大学進学にかかる費用は以下に分類できます。国内大学とさほど変わりはないように見えますね。

①学費
②寮、住居費
③生活費(食費)
④交際費
⑤交通費
⑥学習費
⑦旅費
その他雑費

各項目の具体的な費用は?

では、各項目ごとに、具体的な数字を見ていきましょう。もちろん、進学される国、都市、大学等によって必要となる額は異なりますが、今回はロンドンをモデルにご紹介します。円安とインフレが進む中、以前よりも費用の高さが目につきます。

学費

私の通う学校の学費は、年間29,000ポンド(5,510,000円、1ポンド=190円)です。かなり高いですね。文系でこの値段なので、理系ではもう少し高くなり、35,000ポンド(6,650,000円)程になります。また、イギリスでは、外国人生には各大学が自由に学費を設定できるため、イギリスで一定期間税金を納めている人以外は、大学によって支払う額が異なります。12,000ポンド〜40,000ポンド(2,280,000〜7,600,000円)が相場です。毎年学費は値上がりするので、ご自身が入学される年の学費をご確認ください。

寮、住居費

ロンドン以外のイギリスの大学では、3年生で大学を卒業するまで、各学生にが割り当てられることが多いです。その場合、1週間で170ポンド(32,300円)が相場とのことです。1年間の契約が39週のことが多いので、年間6,630ポンド(1,259,000円)になります。

しかし、ロンドンに住むとなると、話は違ってきます。1年生の間は希望すれば大学が斡旋する寮に入ることができますが、2年生以降は自分で学生寮を探すか、フラットシェア、つまり何人かでアパートを借りて住む必要があります。私が今住んでいるのは、大学の寮なのですが、最も安値のもののため、週220ポンド(41,840円)、年間で8580ポンド (1,630,200円)です。ロンドンの相場は、週約270ポンド(51,300円)、年間10,530ポンド(2,070,000円)です。ただ、上手に探せば週180〜200ポンドの住まいが見つかることもあります。

また、学生寮の特徴として、Wifi費や光熱費、水道代が全て含まれていることが挙げられます。フラットシェアだと、これらの費用が含まれていない場合がありますので、注意が必要です。

生活費

私の場合は、寮に1日2食ご飯がついているため、食費があまりかかりません。しかし、ロンドンのほとんどの学生は自炊して生活しています。生活費の内訳は、食費と生活必需品(お皿など)、洗濯代に分けられます。食費に関しては、外食をせず、自炊のみで暮らすと、1ヶ月2〜4万円に抑えられます。生活必需品も、洗剤は500円ほど、お皿も400円ほどと、比較的手頃な値段で手に入ります。洗濯は、寮の場合は共用の洗濯エリアで、フラットの場合は自宅の洗濯機で行うことが多いです。寮の洗濯機は、1回2.5〜4ポンド(475円〜760円)、乾燥機が2ポンド(380円)程度です。

交際費

最も個人で差が出るのが、交際費です。基本的にロンドンの物価は高いため、遊べば遊ぶほど交際費はかさみます。外食はカジュアルなところで食べれば1回20〜25ポンド(3,800〜4,750円)ぐらいです。服やアクセサリーは日本の1.5〜2倍をイメージしていただければと思います。テーマパーク等も、規模を鑑みると同様です。

交通費

家と学校の距離およびどれだけ外出するか、によって交通費は異なります。基本的に徒歩で移動できますし、私は自転車を使用しています。バスは一律で1.75ポンド(約330円)、地下鉄は3.5ポンド(665円)ぐらいです。学生割引(事前登録必要)や7日から買える定期券等もあり、公共交通機関は賢く使うことが可能です。

学習費

正直なところ、学習費は全くかかりません。というのも、教科書や本はオンラインで読めますし、資料が必要でも図書館に行けば揃っているからです。印刷等も無料ででき、校外学習などの費用も基本的に学校が負担してくれます。どうしても自分のテキストが欲しい場合は、購入する必要があり、物によりますが1冊30ポンド(5,700円)ぐらいです。

旅費

長期休みの間、日本に帰られる方も多いと思います。その際に必要なのが飛行機代です。最近は飛行機代、特にサーチャージが高騰してきており、日本までの直行便は往復20〜30万円ほどとなっています。経由便はもう少し安く、15万円ほどで帰国可能なものもあります。

また、イギリスにいるとヨーロッパ中を簡単に旅行できるため、そのための旅費も必要となるかもしれません。私の最大の出費は、旅行費です。

その他雑費

保険料、イギリスの保険料、BRPなどが含まれます。日本で保険に加入すると、20万円ほどとかなり高くなります。また、外国人の学生も必ずイギリスの国民保険料(NHS)を払わなければならず、5万円ほど請求されます。BRPは、イギリスの滞在許可証のようなもので、ビザと合わせて3万円ほど支払いました。BRPは紛失すると再発行に約1万円かかります。

 

1年あたりの総額

これら全てを合わせると、総額は以下のようになります。ちなみに、食費がかかる方はプラス50万円ほどで計算してください。

学費 29,000ポンド
寮費 8,580ポンド
生活費 350ポンド(食費なし)
交際費 1,000ポンド
学習費 0
旅費 2,000ポンド
雑費 1,000ポンド(初期費用がほとんど)
合計 41,930ポンド(約800万円)

いかがでしょうか?日本の国内大学に比べると、やはり高いですね。ただ、必ずしもこれらの費用を一括で、完全に自己負担で払わなければならない、というわけではありません。次章では、節約・支援・収入源についてご紹介します。

費用の抑え方、奨学金

やはり、海外大学進学には高額な費用が目につきます。とはいえ、奨学金制度もありますし、もし奨学金が獲得できなかった場合でも、節約は可能です。本章では、費用の抑え方や、支援についてご紹介します。ちなみに、筆者は奨学金に落ちたため、自費で留学しています。

分割払いで負担を軽減

先ほどご紹介した1年で必要な費用において、大半を占めていたのは学費と住居費でした。進学において、最もネックとなるのはこれら2項目かと思います。

しかし、学費や寮費、住居費は、全て一括で支払わなければならないわけではありません。基本的に、3回に分けて支払うことが可能で、各学期が始まる頃までに支払いを済ませれば、問題ありません。

分割で支払うことで、出費が一気にかさまず、家計を立て直すことができます。また、日本円から両替して学費を支払う方は、その時の為替レートが好転すれば、費用を浮かすことも可能です。

奨学金

海外大学進学において、ほとんどの方が奨学金を検討されると思います。奨学金には、貸与型と給付型があり、貸与型の場合は、将来借りたお金を返済する必要があります。

奨学金は、主に①日本の財団、②留学先の政府、③大学、④留学先の民間団体から得ることができます。日本の財団のものが最も額が大きく、その筆頭として留学にかかる費用全てを負担してくれる柳井正財団、笹川平和財団があげられます。その他にも、学費の一部を支援する奨学金等、様々なものがあります。奨学金を得ることで、経済的な不安なしに留学が叶いますね。

とはいえ、奨学金の倍率は非常に高く、獲得は狭き門ですので、奨学金だけに頼ろうとするのはお勧めしません。

アルバイト、収入

学費や生活費、物価が高いということは、その土地で働くことで得られる報酬も日本に比べ高いということです。基本的に、大学生は日本と同様アルバイトをする権利を認められており、禁止されている職種はあれども、カフェの店員や塾講師、事務員など幅広い仕事に従事することが可能です。イギリスでは、学生ビザを持つ大学生は、週20時間までシフトに入ることができます。

最低でも、1時間あたり9ポンド(1710円)は稼ぐことができ、時給10ポンド〜13ポンド(1900円〜2470円)が相場です。それに加え、チップをもらえることもあります。日本と同様、飲食店では賄いが出ることがほとんどで、食費を浮かすこともできます。ただ、交通費は支援されないところが多数なため、注意が必要です。

勉強やサークル活動に支障が出ない程度に働くとなると、週約10〜15時間アルバイトを行うのが理想となります。時給11ポンドで週12時間働くと、1ヶ月で528ポンド(100,320円)稼げますね。私は、アルバイトの給料のみで学費、寮費以外の費用を支払っていますので、アルバイトをすれば生活費を工面することは可能です。

まとめ

いかがでしたか?海外大学は、確かに日本に比べ費用が嵩みます。しかし、それと同時に、支援制度や収入の術も用意されています。経済的な理由で海外大学進学を諦めようとせず、実際の費用とご自身の予算とを照らし合わせて、考えてみてくださいね

Univ-it!では、今後も海外大学進学に関する情報等を発信していきます。引き続きよろしくお願いいたします!