【IB生体験談】筑波大学医学群医学類の国際バカロレア特別入試の選考方法と対策とは?

2024年2月1日

筑波大学医学群医学類の国際バカロレア特別入試は、医学部への志望者の中で非常に人気があり、毎年多くのIB生が受験しています。首都圏での国公立医学部のIB入試は限られているため、筑波大学の受験を検討している方や興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、筑波大学の国際バカロレア特別入試の入試概要やスケジュールをまとめているだけでなく、実際に受験したIB生にインタビューを行い、選考内容、対策、心がけていたポイントなどを紹介しています。3つの項目に分けてあるので、興味のある内容を読んでみてください。

 

『国際バカロレア特別入試』の概要

筑波大学の『国際バカロレア特別入試』は7月募集と10月募集の2回実施され、医学群医学類も両方の期間に募集されています。募集定員は7月募集と10月募集を合わせて3人であり、出願資格に一部の違いがあるものの、基本的な選考方針は同じです。しかし、7月募集に出願する場合は10月募集の受験はできないため、この点は気を付ける必要があります。

詳細な情報については、大学公式ウェブサイトの『国際バカロレア特別入試(7月募集4月入学)』、『国際バカロレア特別入試(10月募集4月入学)』の募集要項や、Univ-it!の大学検索サイトをご確認ください。

以下の表に『国際バカロレア特別入試』の概要をまとめました。

【7月募集の概要】

入学時期 4月入学
募集人数 7月募集・10月募集合わせて3人
出願資格 DP取得済み
出願要件 ・数学AA、数学AIのうちいずれかのHL
・物理、化学、生物からHL2科目
*IB英語を未履修ならTOEFL提出
試験内容 第1次選考: 書類選考
第2時選考: 面接・口述試験
2023年度入試結果 出願者 9
合格者 4

【10月募集の概要】

入学時期 4月入学
募集人数 7月募集・10月募集合わせて3人
出願資格 DP取得済みまたは取得見込み
出願要件 ・数学AA、数学AIのうちいずれかのHL
・物理、化学、生物からHL2科目
・IBスコア38点以上なら望ましい
*IB英語を未履修ならTOEFL提出
試験内容 第1次選考: 書類選考
第2次選考: 面接・口述試験、小論文及び適性検査
2023年度入試結果 出願者 3
合格者 0

出願時期と入試スケジュールに関してですが、7月募集は7月上旬に出願、1ヶ月後の8月上旬に書類選考の結果が発表され、8月下旬に第2次選考と最終合格者の発表があります。10月募集は少し間隔が長くなり、10月上旬に出願10月下旬に書類選考の結果が発表され、11月上旬に第2次選考12月中旬に最終合格者の発表です。入試年度によって1〜2週間ほどスケジュールが変わることがあるので確認は必要ですが、これくらいの時期に出願が始まるんだ、という目安にはなるかと思います。

7月募集と10月募集のいずれも、数学に加えて理科2科目をHLで選択している必要があり、履修科目を戦略的に検討することが重要です。また、univ-it!独自の調査では、国際バカロレア特別選抜の合格者の多くが40点以上を取得していました。10月入試で『38点以上なら望ましい』とされているように、30点台でも合格の可能性はありますが、40点近いスコアが合格の目安になります。

『国際バカロレア特別入試』7月募集と10月募集の違いは?

7月募集と10月募集の主な違いは出願資格と選考方法にあります。7月募集ではDP取得見込みの出願が認められないため、実質的には5月試験を受験する海外IB生と国内インター生が対象になります。11月試験を受験する一条校のIB生は10月募集ににのみ応募可能ですが、翌年の7月募集に浪人生として出願することは可能です。

7月募集では書類選考と面接・口述試験のみが実施されますが10月募集の場合はこれらに加えて小論文と適性検査が必要です。小論文は2つのパートに分かれ、1つ目は英語と数学の記述式試験(120分)、2つ目は化学、物理、生物から2科目を選択する記述式試験(120分)となっています。募集要項の中では小論文とされていますが、実際には筆記試験として対策が必要です。

7月募集は他の大学と比較しても早い時期に合否が発表されるため、出願可能な場合は7月募集に出願する傾向あります。なお、近年の10月募集では合格者が出ていない事実も考慮に入れ、可能であれば7月募集に出願する方が合格の可能性が高いかもしれません。

第2次試験『面接・口述試験』について、合格したIB生にインタビュー

募集要項によると、面接・口述試験は『出願時に提出された書類等の内容に基づいて、個別に30分程度』実施されるとのことです。ここでは、出願時の注意点や面接での質問内容に関して、『国際バカロレア特別入試』の7月募集で医学群医学類に合格したIB生にインタビューしました。

Q:出願時はどういった書類を提出しましたか?いつ頃から準備しましたか?

A出願時に志望動機などを含むエントリーシート、EEの写しと要約、TOKやCASに関するレポートなどを提出しました。また、課外活動やTOEFLなど、提出可能なものは追加で提出しました。7月募集を受験したので、IBの5月試験を終えてから出願までの1ヶ月程度で書類の準備をしました。

Q:出願書類を準備する中で気をつけたことはありますか?

A:医学部や国内大学を志望する理由など、他大学とも共通している点は同じ文章を使用しました。ただし、なぜ筑波大学なのかという点については、学校の特色を考慮して大学ごとに異なる志望理由を記述するようにしました。例えば、筑波大学の強みが研究にあるとすれば、研究への熱意をエントリーシートの中でアピールするようにしました。

Q:『面接・口述試験』はどういった形式でしたか?どういったことを聞かれましたか?

A:面接は学群長や学類長など、4人の面接官による個人面接でした。その中で1人の面接官は、出願時に提出したEEの内容に類似した分野の研究をしている方でした。面接の冒頭では、志望動機やEEの内容など、出願書類に書かれたことについて、それぞれ数分程度で話すように求められました。ここまでは一般的な面接と変わりませんでした。

Q:『面接・口述試験』の中で、他大学ではあまり見られなかった質問はありましたか?

A:EEの内容に関しては、EEの中で触れていない関連分野の知識を問うような質問や、EEの内容を発展させた応用的な質問がありました。特に、応用的な質問では、『これをこうしたらどうだろう?』といったようなはっきりとした正解がない質問もあり、自分の考えを述べる必要がありました。うまく答えられない場合は、面接官がヒントを与えてでも何か答えるように求められました。

また、化学、物理、生物の中で未履修の科目についての質問もありました。私の場合、IBで生物を選択していなかったので、高校1年生の時に使用した生物基礎の教材で復習してから面接に臨みました。面接官に高校1年生の時に生物基礎を学んでいたことを伝えると、それ以上の質問はありませんでした。しかし、IBで物理を選択しなかった別の受験生は、面接の中で運動方程式などについて質問されたと聞きました。

 

このように、面接・口述試験では、志望動機などを端的に話せるように準備するだけでなく、EEに関して専門的な質問をされる可能性があります。しかし、EEに関する質問は理解度を問うだけでなく、思考力を見る側面もあるため、慌てずに、詰まりながらでも自分の考えを面接官に伝えるように心がける必要があります。

未履修の理科に関する質問については、入学後の授業についていくために必要な知識でもあるため、基礎レベルの教材を使用するなどして最低限の知識を身につけておく必要があります。IBでの学習と同程度の知識を求めているわけでは無いので、不安がある場合は面接までの間に勉強しておくと良いかもしれません。

最後に

筑波大学は首都圏へのアクセスが良く、以前からIB入試を実施して積極的にIB生を受け入れています。そのため、国内の医学部を志望するIB生にとって非常に人気があります。筑波大学に限らず、最近では国内の大学、特に国公立の医学部でもIB入試が増加しており、IB生にとっては受験しやすい大学の選択肢が増えていますUniv-it!を活用して、受験可能な大学を探し、様々な可能性を探ってみることをお勧めします。是非、自分の進路に合った大学を見つけてください!

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筑波大学 医学群医学類

入試系統:
国際バカロレア特別入試
選抜方法:
書類選考/面接・口述試験(/小論文/適性検査)