【IB生体験談】東京医科歯科大学医学部医学科の国際バカロレア選抜の選考方法と対策とは?

東京医科歯科大学医学部医学科の『国際バカロレア選抜』は、医学部志望の方に非常に人気があり、毎年多くのIB生が受験しています。首都圏でIB入試を実施する国公立医学部は限られているため、東京医科歯科大学の受験を検討している方や興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、『国際バカロレア選抜』の入試概要やスケジュールをまとめているだけでなく、実際に受験したIB生にインタビューを行い、選考内容、対策、心がけていたポイントなどを紹介しています。

『国際バカロレア選抜』の概要

東京医科歯科大学の『国際バカロレア選抜』は毎年秋頃に実施され、年内に合格者が発表されます募集定員は2名で、最終的な合格者は書類審査、面接試験、小論文試験の成績をもとに決定されますが、年によっては1名しか合格者が出ない年もあります。

詳細な情報については、大学公式ウェブサイトの募集要項や、Univ-it!の大学検索サイトをご確認ください。

2024年度入試を参考に、『国際バカロレア選抜』の入試概要をまとめました。

【入試概要】

入学時期 4月入学
募集定員 2人
出願資格 2022年4月から2024年3月までにDP取得済、または取得見込み
2024年3月31日までに18歳に達すること
出願要件 ・日本語A(SL/HL)または日本語B(HL)
・数学AA(HL)または数学AI(HL)
・物理、化学、生物から2科目、いずれか1科目はHL
*英語未履修の場合はTOEFLまたはIELTSのスコアが必要
試験内容 書類審査・小論文試験・面接試験
2023年度入試結果 志願者 16
受験者 8
合格者 2

『国際バカロレア選抜』は11月上旬に出願が始まり、11月中旬に第1段階選抜の合格発表があります。そして、合格者に対して11月下旬に小論文試験と面接試験が実施され、最終合格者が12月中旬に発表されます。志願者が募集定員を大幅に上回る場合のみ、第1段階選抜として書類審査が実施され、小論文試験と面接試験を受験する人数が8名程度になるように絞り込まれます。

IBの履修科目についても指定があり、日本語に加えて数学と理科2科目を選択している必要があります。英語を履修していない場合はTOEFLまたはIELTSのスコアを提出する必要もあります。Univ-it!独自の調査では、国際バカロレア選抜の合格者の多くが40点を超えるスコアを取得していました。選考に占める小論文試験と面接試験の比重は大きいですが、小論文試験の難易度が高いこともあり、IBスコアを含む書類審査において高い評価を得ることが重要です。

面接試験と小論文試験について、合格したIB生にインタビュー

『国際バカロレア選抜』の小論文試験は2部構成となっており、全学部・全学科で共通問題が課される大問1と、生命科学に関する資料をもとに答える記述式試験の大問2があります。また、面接試験ではEEについてのプレゼンテーションを行い、提出書類やプレゼンテーションの内容について個人面接が実施されます。ここでは、出願時の注意点や小論文試験の内容、面接での質問に関して、『国際バカロレア選抜』で医学部医学科に合格したIB生にインタビューしました。

Q:出願時はどういった書類を提出しましたか?

A:自己PRなどを含む志望理由書、EEの写しと要約、CASやTOKの内容を説明するレポートなどを提出しました。

Q:小論文試験の対策はどのようにしましたか?

A:大学に問い合わせることで過去問を入手できたため、共通問題である大問1については過去問を活用しました。ただ、適性検査のような内容だったので、過去問を解く以外に特別な対策はしませんでした。

大問2は設問以外が省略されているので、どういった資料が配布されているのかは分かりませんでした。そのため、試験前は生命科学系の論文や海外の科学系のニュースなどを読み、できるだけ関連分野の知識を取り込むように心がけました。特に、入試問題が作成される可能性が高い半年〜1年ほど前のものを重点的に読み、どういった問題が時事的に扱われているのか意識して情報収集しました。そういった時事的な知識や問題意識は面接でも生きたように思います。

Q:小論文試験の大問2は具体的にどういった問題でしたか?

A:複数の英語の論文が資料として渡されて、図などを使いながら全体をまとめたり、自分の考えを記述するような問題がありました。資料は全部で50ページ以上あり、90分の試験時間の中で全てに目を通して答えることは難しいと感じました。論文で問われていることについて基礎的な知識があったり、論文を読み慣れていて構成が分かっていると、論文全体を読まなくても設問には答えられるため、効率よく資料に目を通すことが合格の鍵になるかと思います。

Q:面接試験はどういった形式でしたか?どういったことを聞かれましたか?

A:面接は5人の面接官による個人面接で、最初に5分程度でEEのプレゼンテーションをしました。その後、EEの内容や志望理由などについて質問があり、一般的な面接試験という感じでした。人によってはEEの内容について突っ込んだ質問があったり、圧迫面接のようになることもあったと聞くので、面接試験の厳しさには個人差があるようでした。

Q:合格するにはどういったことが重要ですか?

A:小論文試験の配点が全体の過半数を占めるため、仮に書類審査、面接試験の評価がともに満点であったとしても、小論文試験でも5割近い得点が必要になるようです。小論文試験は採点基準が厳しく、全て記述しても必ずしも得点に繋がるとは限らないため、他の合格者を見ても、書類審査と面接試験で確実に点数を重ねることが重要だと感じました。

 

小論文試験の大問2では、実際にどのような資料が配布されているのか分からないため、入念な試験対策をすることは難しいです。しかし、合格者の話を聞く限りでは、IBスコアを含めた提出書類をしっかり準備し、面接で志望動機など一般的な質問に答えられるようにすることで、十分に合格の可能性はあります。また、EEのテーマを生物することで、普段から生命科学分野の論文に接して慣れることができれば、 IBの勉強内容を効率よく試験対策に繋げることもできそうです。

最後に

東京医科歯科大学は以前からIB入試を実施しており、積極的にIB生を受け入れています。また、2024年10月からは東京工業大学と統合され、東京科学大学が設立されることも決まっています。統合後に『国際バカロレア選抜』が従来通りの形で継続されるかは不透明な部分がありますが、最近では国内の大学、特に国公立の医学部でもIB入試が増加しており、IB生にとっては受験しやすい大学の選択肢が増えています。そのため、Univ-it!を活用して受験可能な大学を探し、様々な可能性を探ってみることをお勧めします。是非、自分の進路に合った大学を見つけてください!

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東京医科歯科大学 医学部医学科

入試系統:
国際バカロレア選抜
選抜方法:
書類審査/面接/小論文