IB Japaneseの攻略法!高得点取得者によるアドバイスとは?

2024年5月12日

攻略法シリーズも第6弾です!
今回はGroup 1 Language Aで高得点を取得し、EDUBALの家庭教師としても活躍している先輩たちが寄せてくれた「効率の良い勉強法」や試験対策をJapanese Aの攻略法としてご紹介します。
※本記事では、Japanese Lit、L&L、English A履修者のアドバイスをまとめてご紹介しています。

Japaneseという科目の特性

「正解がない」記述方式の試験

Japanese Literatureで良い評価をもらうためには、論理的かつ表現豊かで読みやすい文章を書けるようになることが重要だと私は考えます。
Japaneseでは様々な文学作品に対する分析のエッセイやコメンタリー等を書きますが、多くの場合、文学作品には複数の解釈方法が存在し、またそれらに正解はありません。よって、
適切な根拠を用いて自分の主張の裏づけをきちんと取りながら筋の通った論を展開させる意識を持って、文章を書く練習が必要です。(A先輩)

自身の解釈を作品の表現や特徴といった「根拠」で支えて論じていく、というJapaneseですが、やはり1,000字以上の文章を書くには慣れが必要です。日々の授業課題なども超長期的な試験対策だと言えます。少しずつ練習を重ねていくことが高得点につながるようです。

より魅力的なコメンタリーを書くこと=高得点への道筋

いくら筋が通っていても、同じ言葉を多用しているなど表現が乏しければ文章自体が魅力的に見えません。より読者を惹きつける文章を書くために、日頃から類語を多く調べたり、よく使う言い回しは言い方を変えてみたりする工夫ができます。(A先輩)

同じ言い回しを避け、なるべくコメンタリーを読むのが楽しいと思ってもらえる文章を書くこともGrade 6・7を狙う上では大切になってきます。コメンタリーを書いた後で、自分が使いがちな表現をチェックし、A先輩の言うように類語を調べることも効果的です。

個人口述( Indiviual Oral)

準備のポイント

一番大事なのは、授業を聞いていて先生が「ここは重要な場面だよ」と言っている文章の場面を複数ピックアップすること。次に、各部分の対策を行うために、行ごとに修辞法、テーマとの関連性、どの場面の伏線を引いているか、などを考えながら分析すること。それが出来たら実際に自分でコメンタリーをしてみて、10〜11分で収まるように練習する。このステップを踏めば、高得点取得に近づきます。(B先輩)

分析できる・しやすい表現や場面は、授業中に示されているものです。
B先輩が言うように、授業内容という大きなヒントを活用してみてください。
この時、単に授業のまとめにならないよう注意する必要があります。自分の解釈や考えを示すこともまた、評価基準に含まれます。

もちろん、授業で深掘りしなかった場面を引用・分析することもできます
その場合も、これまでのコメンタリー課題を思い出しながら丁寧に研究することで高得点を取得することができるはずです。

準備のステップ

Indivisual Oralの準備の際には大まかに4つのステップがあります。
“Selecting the texts”(テキストの選択)
“Outlining the analysis”(分析の概要作成)
“Writing and editing the script”(スクリプトの作成・推敲)
“Practicing and memorizing the script”(練習とスプリプトの暗記)


①”Selecting the texts”、 ②”Outlining the analysis” は1〜2時間で完了できると思いますが、③”Writing and editing the script”、 ④”Practicing and memorizing the script”は3〜5時間と多く時間をかける必要があります。
Oralは難しい課題ですが、一つ一つのステップをわかりやすくすることで、やる事リストが出来上がります
(D先輩)

どのような準備段階があり、どのくらいの時間がかかるのか、という目安がD先輩のアドバイスから分かります。
個人口述では、スクリプト(全文)を持ち込むことができません。そのため、自分の頭の中に内容やオーラルコメンタリーの展開を叩き込んでおく必要があります。
何度も何度も繰り返しタイマー片手に練習しておくと安心です。


※取組み時間にはもちろん個人差がありますので、あくまで一例としてお考えください。

Paper 2対策

ノートにまとめるべき項目

取り扱われる作品のサマリー、作者と作品の背景、重要な場面を引用するためにピックアップ、修辞法が使われている部分を記憶する、などのプロセスを踏めば、安定した点数を叩き出すことが出来ます。(B先輩)

Paper 2では授業で学習してきた作品を参照しながら論じる必要があります。試験対策においても、まずは事前にどのような作品の特徴を抽出できるのか理解・整理しておくことが大切です。

表に引用箇所とポイントをまとめる

基本的な文章の構成を理解することはもちろん、まず課題本を何回も読み返してしっかりと多方面の分析をしてあげることが必要です。私自身は表にして重要な文章とそこから読み取れることを一つのドキュメントにまとめて、テスト前などに見直せるようにしていました。
また、出題されるかもしれない様々な問題を想定して実際に書いてみることが重要なので、何度も書き直しては先生に添削してもらい、自分が納得のいく文章が書けるよう練習を続けてみてください。(C先輩)

実際に作品の特徴をまとめていくためにも、精読は必須です。膨大な内容量になるため、C先輩のように表形式で簡単にまとめていく方法を取るIB生が多いような印象を受けます。

長期的な試験対策としては、やはりPast Paperを活用し、コメンタリーを書き、それを教科担当の先生に採点してもらうことが効果的です。ぜひ試してみてください。

効率の良い勉強法

質の高い文章に触れる

良い文章を書くためには質の高い文章に触れることが有用です
例えばPast Paperの優れた解答例や、読みやすく良質な文章で書かれた文学作品などを読む
こともおすすめです。(D先輩)

コメンタリーを書くことに慣れるまでには時間もかかりますし、どう文章を紡いでいけばいいのかわからない、と混乱してしまうはずです。一朝一夕ではどうにもなりませんが、Pre-IB生の時からたくさん文章に触れ、好きだったり、格好いいと思う表現を吸収していきましょう。

よく文庫本に収録されている「解説」などにはコメンタリーに近いものも多くありますので、本編だけでなくそちらも読んでみてください。きっと参考になるはずです。

Japaneseが苦手な人へのアドバイス

Japaneseが苦手なひとの中には、文章を書くことが苦手というタイプもいれば「帰国子女などで、どちらかといえば日本語そのものが苦手というタイプの方もいると思います。自分がどちらのタイプに分類されるかを知ることが重要で、前者であれば例えば文章の構成能力や滑らかな文章を書くための論理的な思考力を育てることを重視し、後者であれば日本語のコロケーションや語彙、表現力を伸ばすことが効果的であると考えています。(E先輩)

なぜ苦手なのか、どういったところに苦手意識があるのかを知ることで、具体的な対策を練ることができます。少し長めの文章を上手く書けない場合には、エッセイの書き方の参考書に触れてみることもできるでしょう。
ボキャブラリー不足に悩んでいる場合には、勉強!という感じではなく、まずは好きな本や歌詞の表現ひとつひとつを教材にしてもいいかもしれません。

最後に

いかがでしたか?
Japaneseに限らず、言語系科目の勉強に取り入れられそうなアドバイスが多かったのではないでしょうか。
Univ-it!では今後もIB最終試験対策やIB入試情報をお届けしていきます。
次回の記事もお楽しみに!