IB Physicsの攻略法!高得点取得者によるアドバイスとは?

IB Physics(物理)も数学に近い要素が豊富で、比較的ハードルが高い科目ですよね。
今回は、EDUBALで家庭教師としてPhysicsを教えている先輩方から見たIB Physicsの特徴や勉強法についてご紹介していきます!

Physicsという科目の特性

公式の理解が必須

IB PhysicsではFormula Bookletが与えられており、公式を知っていることよりも公式を使えることを重視した問題が出題される。よって、各公式の導出に関連する代表的な例題を通して、物理での考え方を学び、公式が暗記事項にならないように気をつける。(F先輩)

公式を暗記するだけでは太刀打ちできないPhysicsでは、新しい公式を学んだ時にしっかりとその内容や意味、使い方を理解することが大切です。例題は教科書に記載されているものなど、特徴的な問いを探してみるのも良いかもしれません。

また、A先輩は「公式をより深く理解するため、例えば回析などを学ぶ際には、実験をしているビデオを兼ねて説明することで式を可視化できるように工夫すると効果的です。」というアドバイスもくれました。

IB Physicsには発展問題が少ない?

IB Physicsは日本の物理よりも分野も広いが、基礎から応用のレベルのものが多く、発展のように特殊な解法やアイデアが必要なものは多くない。そのため、大変重要になってくるのが(1)Formula Bookletの意味の理解度 (2)場面に対する引き出しの速さだ。まず1つ目は、与えられる文字式について、それぞれの意味がわかっていないといけない。..もうひとつは瞬発力が求められるPaper1で大切になる。(C先輩)

IBのPhysicsは基礎・応用をメインに構成されている感触があるとC先輩は言います。日本の共通テストの内容と一度見比べてみるのも良いかもしれません。

基礎の理解・習得に力を入れることが大切なのはどの教科でも同じですが、物理はその色が特に濃いと言えそうです。

概念の理解・演習が重要

Physicsは概念をしっかりと理解すること、演習を積むことで成績Upが期待できる科目です。学校の授業に合わせて必ず教科書の復習をし、人に説明できるようになるまでノートを取ったり人と話すことで理解を深めることが効果的だと思います。(E先輩)

学習する物理現象の仕組みや内容、どのような原理でそうなっているのかという理解を定着させるためにも演習は必須です。難しいトピックも多いため、ひとつずつ着実に知識をモノにしていく必要がある科目だと言えます。

勉強のポイント

1. 定義や概念をしっかりと言えるようにすること

IB Physicsでは、試験で「この法則の定義を書きなさい」という問題が出題されます。これは日本の物理科目とは大きく違うところです。さらに、単語の概念をしっかり理解していることは、他の問題で、概念に従って説明できるかどうかという問題にも大きく繋がってきます。(D先輩)

コマンドタームが設定されていることはIB試験の特徴ですが、計算がメインのイメージがある物理でも定義を答える設問があるようです。求められている「定義」にどのような情報を含めるべきなのか理解することが重要になってきます。

2. 「値と方向」を常に意識すること

これは、すべての分野に共通して大事な概念です。特に方向は、数学や化学ではあまり出てこないため、物理特有の考えではないかと思います。自分で向きを設定して、プラスの場合正方向、マイナスの場合は逆方向である。この感覚を身につけないと、なんとなく計算はできるが答えが違ってしまうということにつながります。(D先輩)

科目特有の概念を理解することで、ぐっと課題や勉強に取り組みやすくなるはずです。まずは問題を解く際に絶対に外してはいけない知識を身につけるようにしてみてください。

3.自分で他の人に説明できるように心がけること

日頃から考えを説明できるようになると、それはそのまま記述の得点力にもつながります。(D先輩)

最後は全ての科目に共通して言えることですね。特に、学習内容が複雑な科目では自分で説明できるように何度もチャレンジすることが最も効果的かもしれません。

効率的な勉強法

試験スタイルの問題演習をする

日常学習のアドバイスは、とにかく試験スタイルの問題を解くことです。
授業で触れた内容を確かに理解したことを自分で確認するために試験スタイルの問題を直後に解いてください。このような習慣をつけることで、試験前には既にほとんどの問題のタイプは見たことあるものになると思うので準備が整っているようになります。IBでの範囲を考えると、一つの単元で出題できる問題のタイプは数種類しかありません。(A先輩)

学習後すぐに演習に移ること。それを習慣化することで自然と出題傾向の分析もできそうです。A先輩が話すように、Final試験は限られた範囲から出題されます。試験に出そうなタイプ、出ないと予想できるタイプを分類してみるプロセスも大切かもしれません。

まとめノートを作成する

トピックごとにまとめノートを作成することです。
まとめノートとは、トピックの範囲を習い終わった時点で作成する1ページほどの短いノートです。感覚としては、もしテストに1ページだけ何を書いてもいい紙を持ち込めるとした場合に使用する紙です。自分で必要と感じる式やコンセプトをまとめることにより理解が深まるだけでなく、作成後はテスト勉強にも活かせると一石二鳥です。(B先輩)

試験前の追い込みではなく、習慣的にまとめノートを作成していくことが大切なようです。重要な要素は何か吟味する時間も効果的な学習になりますね。

B先輩はこう続けます。

まとめノートが本領発揮するのはトピックテストの後です。
最終試験に備えて勉強するにあたり、長いテキストブックを読み返すのは時間がかかり現実的でありません。そこでまとめノートが役に立ちます。
各トピックごとに短くまとめてあれば合計20ページくらいでしょう。それを読み返すことにより時間短縮で勉強ができるうえ、なにより自分で作成したことにより思い出しやすくなっています
ノートを読み返して理解したと感じたら演習問題を解くことにより実際に理解していたか確認できます。あとはノート熟読と演習をひたすら繰り返すことで身についてくるでしょう。
(B先輩)

試験前に教科書の中から欲しい情報を再度探すのは骨が折れますし、まとめノート一本で採集確認ができるようになると直前対策も効率的に進められそうです。

Paper 1・2の対策はどうすれば良い?

Paper1の試験は時間制限が厳しいので、時間を測って演習を重ねることが大切です。また、Paper2の試験には大きく分けて説明をする問題計算をする問題に分けられます。自分が得意なのはどちらか、過去問演習を通して見極め、最終試験では時間制限の中でなるべく多くの問題に答えられるよう、問題を解く順番を工夫することができます。(E先輩)

選択問題は長くても1問1分、といいますよね。E先輩は反射的に、理由もわかった上で正しい選択肢を選べるようにタイムアタックを繰り返してみる、という方法をおすすめしてくれました。
また、もし本番で難しい問題に直面した際には、一度後回しにすることも戦略として持っておくと良いでしょう。一度スキップする問題にマークをつけることはお忘れなく……!

Physicsが苦手なひとへのアドバイス

単位に注目することでFormula Bookletから使うべき公式を導くことができるはずです。意味理解をした上で、計算でどの公式を使うかわからない場合に、単元と単位に注目することがヒントになります。
解答に時間はかかりますが、直前期に正解率が上がりやすく、苦手意識がある場合も取り組みやすいはずです。(C先輩)

どの公式を当てはめるべきなのかわからず混乱する、という苦手意識がある方へのアドバイスです。「計算が難しい」というPhysicsですが、慎重に整理することが正解への一歩だということが窺えます。
計算問題にうまく対処するためにも、意味や概念の理解は不可欠ですので、学習内容の理解→計算の演習とステップを踏むことで苦手意識を薄めていくことができるかもしれません。

最後に

いかがでしたか?
先輩方のアドバイスは具体的で、すぐにでも実践できるものが多かったのではないでしょうか。高得点を目指す方・苦手を克服したい方の参考になっていれば嬉しいです。
次回の記事もお楽しみに!