【大学インタビュー】IBでの学びを高く評価!山梨学院大学iCLAの魅力とは?

2024年6月17日

日本では未だ数少ないリベラルアーツ教育を提供している山梨学院大学国際リベラルアーツ学部(以下iCLA)。学内でのコミュニケーションがほとんど全て英語、という環境で多くの留学生も在籍しています。今回はそんなiCLAの當眞特任准教授と杉山特任講師にオンラインインタビューでお話をお伺いました。

リベラルアーツに興味がある、日本で英語による大学教育を受けたい、というIB生は必見です!

インタビューさせていただいた先生方

當眞正裕 准教授(iCLA副学部長

「アカデミック英語の指導を担当しています。『英語で授業を行う』というiCLAのビジョンに共感し、学部設立当初から携わってきました。国際教養を提供する大学の一角を担っていけるよう学生たちと一緒に頑張っているところです。」

杉山和孝 特任講師

「アメリカの大学院を経て、現在iCLAで現代文学を専門に教えつつ、広報のお仕事もさせていただいております。今学期はSFを題材に、さまざまな議論を学生たちと交わしています。」

 

山梨学院大学はどんな大学?

━━━山梨学院大学の特徴・自慢できる点はなんですか?

「高校・大学共にスポーツがとても強い。オリンピアンも輩出しており、キャンパス周辺には競技場も多いです。
そのため、スポーツをしたり、応援することを通しての連帯感もあるように思います。」(杉山先生)

「iCLAという学部の存在もユニークな点の一つだと思います。キャンパスの敷地は同じですが、他学部とのカリキュラムの相関性がないため、山梨学院大学の中にもう一つ独立した小大学があるような感じです。また、大学コミュニティが地域コミュニティに溶け込んでいるところも良いところだと思います。」(當眞先生

iCLAの基本情報

iCLA(国際リベラルアーツ学部)は山梨学院大学の新学部として2015年に誕生しました。
授業のほとんどを英語で行い、国際社会で活躍できる学生の育成にさらなる力を注いでいます。
iCLAの教育基本はリベラルアーツです。1つの専門分野の殻に閉じこもらず、人文教養、社会科学、数理的推理、自然科学に加え、芸術や武道も英語で学べる分野横断型カリキュラムがiCLAの特徴です。
「iCLAとは」より抜粋)

学びの特色や進路、iCLA新入生を対象とした奨学金情報については「山梨学院大学 高校生・受験生向けサイト YGUへのとびら」に詳細があります。ぜひご確認ください。

iCLAの魅力とは?

━━━iCLAという学部にはどのような特徴・魅力・自慢できる点があるかを教えてください

「少人数制のクラスが非常に多い、という点がまず挙げられます。iCLAでは1クラス10〜15人程度で授業を行います。ですので、教員としても注意が回りやすく、ひとりひとりの生徒の個性を認識した上で授業を行うことができるということは良い点だと思います。

また、教員と学生との距離が非常に近いです。教員の研究室がガラス張りになっているため、オフィスアワー以外でも学生が教員を訪ねやすい、という特徴があります。実際に課題の確認など軽い用事で来てくれる学生もいて、コミュニケーションの壁が厚くないことを度々感じます。

iCLAではアクティブラーニングが教育の基本方針となっているため、一方向の授業でなく、教員も学ぶ立場に近い形で授業を行っています。例えば、<人間とは><ロボットとは>などのテーマを議論する際にはインターネットテクノロジーに身近な学生たちの意見を興味深く聴いています。新たな発見があったりするのでとても面白いです。」(杉山先生)

iCLAのリベラルアーツ教育

━━━先生方の考える、リベラルアーツを学ぶ意義・メリットとはなんですか?

「先行きが不透明な時代の中で、中長期的な課題に取り組む力を身につけることができる、というメリットがリベラルアーツにはあると考えています。

そのような環境を実現するため、iCLAでは教員と学生はもちろんのこと、教員同士の距離も近く、学問分野の距離もなるべく近づけようという意識を共有した上で教育に取り組んでいます。4年間さまざまな学問分野の共通点を発見していく中で、多角的な視野と直面する問題の共通項を見つける視点・考え方を広げることができるはずです」(當眞先生

━━━リベラルアーツに特別向いている、もしくは不向きな学生はいると思いますか

「私見にはなりますが、将来英語を使って何かしたい気持ちはあるがどの分野で活かしたいかという所までは焦点が絞り切れていない、という学生はリベラルアーツに向いていると思います。iCLAでは、1年目の間に英語プログラムを受けながら様々な科目を味見できるようになっています。つまり、英語という『基盤』を整えながら学生が自身のやりたいことを『発見』するための時間が提供されているんです。

また、既に学問的関心の焦点が絞れている学生についても、リベラルアーツの環境に身をおくことで得られるものがあるはずです。

実際に、経済学を主軸に据えた状態で入学していきた学生が『大学での学びの中で政治、心理学、音楽などとの接点が見えてきて、より幅広い経済の視点が身に付いてきた実感がある』、と話してくれたことがあります。これを聞いた時は嬉しかったですね。

ですので、『向いていない』学生はいない、という風に考えることもできると思っています。
ただ、弁護士になりたい!などという明確な目標があったり、特別な資格が必要な職業を目指している方には向いていないのかもしれませんね。」(當眞先生

「いろいろな物事と物事の間の関連性を『連想』できるか、という点が重要ではないでしょうか。個人的には、勉強するということは究極的には『リベラルアーツ』的な要素を含んでいるはずだと思います。

例えば、Science Fictionを読んでいる中でも、その作品の背景にある時代背景を連想することで、作品読解の幅が広がり、深みも増します。アプローチの方法は実に多様で、他にも社会学的・ジェンダースタディーズ的な要素に触れていくこともあります。

そういった連想という方法、そこからの発見を『楽しい』と思える学生はリベラルアーツに向いていると思います。」(杉山先生)

━━━日本にいながら英語でリベラルアーツ教育を受けられる魅力はなんですか

「個人的な体験として、海外大学に留学したときに『もっと英語を勉強しておけばよかった……!』と後悔したことがあります。将来的に『英語で学ぶ』『英語を極める』ことを目指す学生にとって、語学はどうしても高いハードルとして立ちはだかります。

そのハードルをいくらか下げるための環境が、iCLAの特徴でもある『まず日本にいながら英語で教育を受け、慣れる』ことだと言えます。日本人学生の場合は、1年間の海外留学を必須としているのですが、そのための準備という意味合いで1年次には英語プログラムを履修することになっています。

また、母国語である日本語と、外国語である英語の両方にアクセスできることは、見えてくる世界を広げてくれるはずです。」(當眞先生

リベラルアーツというのは、考え方が違う人間が集まって、どのように物事を決めていくのかというプロセスの中に身をおく経験をする環境、という部分があると感じています。

iCLAでは留学生が多い環境のため、英語は共通言語として機能します。このような『英語で』『リベラルアーツ的な環境で学ぶ』という経験を海外に出ずともできる、ということはコストなどを考えてみても貴重だと思います。」(杉山先生)

iCLA教育の特色

━━━iCLAにおける教育の特徴を教えてください

「まず、入学後の1年間は英語プログラムで語学力を磨きつつ、興味のある領域の授業に参加することで様々な知識に触れていきます。その際、4つのメジャーの中から3つ以上の導入科目受講が必須のカリキュラム設計になっているため、1年次からリベラルアーツならではの環境を楽しみつつ、徐々に関心を絞っていけるはずです

メジャー選択の時期は2年生進級前後です。学生は最終的に4つのメジャーから1つを選びますが、そのメジャーに囚われることなく、他の学問分野との関わりを必ず加味した形での卒論執筆の態度や勉学の姿勢を意識するよう指導しています。」(當眞先生

━━━iCLAではなぜ4つに分類されたメジャー(「グローバルビジネス・経済学」「政治学」「人文教養」「日本研究」)が提供されているのですか?

「以前は分野ごとの専攻が細かく設定されていたのですが、リベラルアーツの醍醐味である『学問間の接点を見つけること』を重要視し、各学問の系統ごとに大きく分類した結果が現在の4メジャー制度です。つまり、研究の際により共通点が多い分野をまとめた結果が現在の『グローバルビジネス・経済学』『政治学』『人文教養』『日本研究』という分類なんですね。

また、リベラルアーツという環境で『特に何を注力して学んだのか』を整理・言語化できることの必要性を鑑みたカテゴライズにもなっているかと思います。」(當眞先生

IBの「結果」ではなく「経験」と「学び」を評価

━━━これまでIB資格を利用し入学した学生さんはいますか?

「これまでIBスコアを利用して入学した学生はいませんが、国内IB校で少しだけ勉強したことがある、という在学生はいます。」(當眞先生

━━━IB生を求める理由を教えてください

IBの理念と、リベラルアーツのコンセプトは相関性が高いという考えに基づき、iCLAはIB経験者の方を歓迎しています。IBのような大変なプログラムをやりきった方は、iCLAでも活躍し、周囲にこれまでの経験を基に良い刺激や影響を与えてくれると考えているからです。

IBの出身者は、これからの世界を担う人材だと思うので、そういう学生の皆さんに入っていただけると教員としても嬉しいです」(當眞先生

「IBの特徴として批判的思考があると思いますが、これはリベラルアーツ教育を通して最も育てたい能力と合致しています。実際、IBに近い学習環境、例えば少人数制やディスカッション中心の授業が肌に合う学生さんの中には授業で鋭い指摘をするひともいて、関心することがあります。

こういった意味で、もし『大学でもIB的な環境に身を置いて学び続けたい』と考えている学生さんがいればiCLAはぴったりだと思います。」(杉山先生)

IB生におすすめの入試方法

日本語入試ページ:https://www.icla.ygu.ac.jp/jp/admissions/
English Admissions:https://www.icla.ygu.ac.jp/en/how-to-apply/ 

iCLAには一般選抜などの小論文と面接で受験可能な入試方法がありますが、実はIB生が「面接のみで受験できる」方法もあることはご存知ですか?
今回のインタビューでは、IB生におすすめの受験方法について山梨学院大学入試センターの方に教えていただくことができました!

その方法とは、「International Applicants」として出願することです。
出願条件として「海外の教育カリキュラムを受けていること」があり、この条件はIBDP課程を履修していれば満たされるため、受験が可能となっています。

出願ページは英語ですが、提出書類は日本語・英語どちらでも受け付けてもらえることも特徴です。

出願資格 入試名称・出願方法 出願時期目安
IBを履修 English A/B
4点以上
名称:International Applicants
iCLAオンラインポータル
https://apply.icla.ygu.ac.jp/ 
4月入学:~2月
9月入学:~6月

 
IB certificate取得者 4点以上

IB certificateを取得している場合は4点以上が出願条件となります。上記の出願条件が満たさない場合は、iCLAの入試事務室へご相談ください。
個別相談先:Yamanashi Gakuin University
i.admission@ygu.ac.jp

━━━面接ではどんなことを聞かれますか?おすすめの対策法も教えてください。

「(International Students向けの方法で受験する場合)ペーパーテストの受験が必要なくなり、オンライン面接のみで選考が行われます。面接は15分間の個人面接です。
面接で聞かれるのは出願の際に書かれている志望理由書(statement of purpose)の内容と、時事問題や環境問題についてなどですね。」

受験時に必要な英語力について

━━━受験生にはどの程度の英語力を求めていますか?

英検2級以上の下地があることが望ましいです。現段階で資格やスコアの基準は設けていませんが、そのような点数を提出してもらえる場合には参考にさせていただきます。

とはいえ、入学後はごく一部をのぞき全ての授業を英語で受講することになります。そのため、できる限り英語に触れ、慣れておくことをおすすめします。」(當眞先生

受験生・IB生へのメッセージ

━━━英語に苦手意識のある受験生へのアドバイスはありますか

「やってもやっても上達しない、という辛さは私も体験したことがあります。
例えば、なぜ苦手と思っているのか考えてみる、というプロセスを踏んでみるのはどうでしょうか?

苦手、と思っていたものがほんの少し視点を変えてみるだけで意外と突破口は開けるものだったりします

iCLAにも『英語で何かしたいけれど、英語が苦手なんです』と相談にくる学生が意外かもしれませんが多いんですね。そんな場面で『なんで苦手だと思っているの?』と質問してみることで発生する対話を大事にしたい、と私は考えています。受験生の皆さんであれば、友人や英語の先生などに話をしてみる、という方法を取ることもできるでしょう。苦手だ、と思ってしまう原因を見つけて、課題を浮き彫りにしてみるところから克服していけると思います。

また、具体的に英語力を向上させていくのに必要なのは<小さな成功体験の積み重ね>です理解できる単語が増えたとき、ニュアンスが読み取れるようになったとき、自分自身を褒めてあげてください。その成功体験に自覚的になることができれば、英語学習は徐々に軌道に乗り、そして習慣化することも難しくはなくなるはずです。」(當眞先生

「英語に対する苦手意識は『ちゃんと話さなきゃ』という強い自意識から生じてしまっていることがあると思います。しかし、英語でのコミニュケーションにはロールプレイ的な役割もあるはずです。好きな海外ドラマのセリフをシャドーイングしてみたりするところから始めてみて、ぜひ英語で発話すること自体を楽しんでみてください。

僕は村上春樹が好きだったので、彼が訳した『ライ麦畑で捕まえて』を読破した後にサリンジャーの英語原著を読んだりしていました。全ての言葉が理解できていたわけではないですが、それもまた学習に入っていくことも一つの方法だと思います。漫画でも、音楽でも、きっかけはなんでも良いのです。ぜひ好きなものを手がかりに、楽しみながら英語にアプローチしてみてください。」(杉山先生)

━━━最後に、IB生へのメッセージをお願いします

私たちが重要視しているのはIBDPの最終スコアではなく、そのひとが2年間どのように考え、学んできたのかという過程です

ですので、もし『スコアが思わしくない……』という不安を抱えているIB生の方にもぜひチャレンジしていただきたいと思っています。

重複してしまいますが、私たちiCLAは、IB経験者がこれからの世界を担う人材だと考え、歓迎します。ぜひiCLAでの学びを体感しに来てください。」(當眞先生

終わりに

いかがでしたか。今回は山梨学院大学国際リベラルアーツ学部(iCLA)をインタビュー内容と合わせてお伝えしました。

IB生の「結果」ではなく「経験」を評価するiCLAでの学習環境に立つ自分の姿は想像できたでしょうか?
先生方も言及されていたように、IBでの学びを真っ直ぐ継続していけるカリキュラムが提供されているため、「IB的な授業が好き」という方におすすめしたい大学です。

iCLAでは2022年6月から8月にかけて、オンライン・対面形式のオープンキャンパスを開催予定です。大学の雰囲気を知ることができる貴重な機会をお見逃しなく!
HPはこちら→
https://www.ygu.ac.jp/admission/event/opencampus/