【IB生体験談】筑波大学 理工学群 応用理工学群を国際バカロレア特別入試で受験したMさんの受験体験談

筑波大学 理工学群 応用理工学群は、半導体や医療工学など先端技術領域の研究が盛んな大学・学群です。国際バカロレア特別入試でも受験が可能で、IBDPで取り組んだ成果を活かして合格を目指せる点も特徴と言えます。今回は、そんな筑波大学 理工学群 応用理工学群を国際バカロレア特別入試で受験し進学した元IB生のMさんの受験体験談・インタビューをお届けします。

受験者のプロフィール

受験大学・受験形態
  • 筑波大学 理工学群 応用理工学群に国際バカロレア特別入試で受験
  • 北海道大学 総合理系学部に国際総合入試で受験
  • 他 アメリカなど海外大学10校以上に受験
出身高校の区分 国内一条校 (英語DP)
最終試験 受験時期 2024年10月 (November, 2024)
IB選択科目・スコア
  • Japanese A SL: 5
  • English B SL: 7
  • History SL: 6
  • Chemistry HL: 5
  • Physics HL: 5
  • Math: A&A HL: 5
  • TOK / EE: 2

筑波大学のIB受験体験談: 志望校決定までの道のり

理系、そして最終的に筑波大学を選択した理由を教えてください。

母親が看護師で、医療現場の状況や実情について知る機会が多くありました。その中で、現状では医療分野において改善できる点が多くあると感じていて、医療工学の分野に携わりたいと考えています。具体的には、不妊治療やがんの早期発見に関わるセンサーの開発などに興味を持っています。また、シリコンや電解トランジスタなどの半導体分野にも関心があります。

日本国内の大学に進学する場合は国立をメインに考えていて、私立はほぼ視野に入れていませんでした。また、前述した医療工学や半導体といった分野について各大学でどのような研究がなされているのか調査も行いました。研究室のホームページを調べたり、論文を読んだりしながら調査を行い、各大学の研究内容も踏まえて大学を選びました。

入試の内容の観点では、筆記試験の無い受験形態を重視していました。

入試までのスケジュール

2024年度受験の場合の入試までのスケジュールは以下のようになっています。IBが11月試験の場合は、出願期間が最終試験前なのでPredicted Scoreで出願することになります。

インターネット出願登録 2024年9月13日 ~ 10月3日
出願期間 2024年10月1日 ~ 10月4日
第1次選考 (書類選考) 結果発表 2024年11月1日
第2次選考 (面接・口述試験、小論文) 2024年11月28日 ~ 11月29日
合格発表日
(条件付合格の場合の合格発表日)
2024年12月11日
(2025年12月11日)

IBDPを取得見込みで出願した場合は条件付合格となります。

筑波大学の受験体験談: 書類選考について

選考内容について

筑波大学 理工学群 応用理工学群へ国際バカロレア入試で受験する場合に書類選考として提出する書類は以下に示すものとなります。

  • 入学志願票
  • エントリーシート
    • エントリーシートには以下の項目を含める。
      • 本文 (志望動機や入学後に学びたい内容、将来の目標等をEEやCASの内容と関連付けて記述する)
      • EEの写し
      • EEの日本語要約 (2ページ以内)
      • TOK Essayの日本語要約
      • TOKの学習成果をまとめたレポート
      • CASの概要をまとめたレポート
      • SATやTOEFLの成績証明書
  • 写真票
  • 出願書類確認票
  • 国際バカロレア資格証書の写し

エントリーシートが、選考の上で最も重要な書類となっていますが、専用のフォーマットがあるわけではなく、自分でまとめた書類を一括して提出する形式です。

出題形式について教えてください。

国際バカロレア特別入試のための定型フォーマットは特に用意されていなかったので、自分で一から作り上げるような形式でした。志望理由書やCAS、TOKのまとめなど、必要な内容を自分でドキュメントにまとめて、一つの書類として提出する形です。「10ページまで」という指示があったので、分量を調整しながら埋めるのが大変でした。

書いた内容や意識したことなどについて教えてください。

私は、興味のある医療工学・半導体分野を中心に、そこで何を研究したいかなぜ筑波大学なのかを具体的に書くことを意識しました。教授の論文研究室情報を事前に調べて、自分のやりたい内容と結びつけた点をアピールしました。あとは、不妊治療やがん治療に活用できるセンサー技術に関して社会的課題にどう貢献したいかなど、将来のビジョンもなるべく明確に示したつもりです。

CASやTOKの内容も含めようと思えばたくさん書けましたが、あまりダラダラ書かず、必要な部分だけ端的にまとめることを心掛けました。英語DPだったので、翻訳が必要でしたがそれほど苦労せずに進められた印象です。

筑波大学の受験体験談: 小論文について

選考内容について

第2次選考では、「小論文」という名称で案内されていますが、実際は日本語での数学や物理に関する一般的な問題や英語読解を含む試験として実施されているようです。推薦入試で一般の受験生が解く会場と同じ試験会場で同じ問題を受けることとなります。

出題形式・内容について教えてください。

小論文と呼ばれてはいるんですが、実際には数学と英語の筆記試験がメインでした。問題文はすべて日本語でした。私はIBのMath A&Aで学んだ英語表記のほうが慣れていたので、増減表など日本語の数学に関する専門用語は理解が出来ず解けませんでした。問題そのもののレベルはIB最終試験と大きく違うわけではなく、基本的に似ていたと思います。英語の問題はそれほど難易度が高いわけではなく、IBで学んだ知識があれば対応できるレベルでした。なので、英語は落とさないようにするという意識で解いていました。

小論文試験にあたって行った対策について教えてください。

正直、IBの最終試験直後だったこともあって、そこまでしっかりと対策はできませんでした。過去問を1回ざっと解いてみて、どんな感じかを掴んだくらいです。前述したように、日本語の数学用語を理解できずに解けなかった問題があったので、最低限の用語や表記の違いは事前に確認しておいたほうが良かったと感じます。英語はIBでしっかり勉強していると大体対応できると思うので、そこは確実に点を取るように意識すると良いと思います。

筑波大学の受験体験談: 面接試験について

面接形式と聞かれたことについて教えてください。

2~3人の教授の前で1人で話す形式で、時間は15分程度でした。もう少し短い予定だったみたいですが、押していたようで結局15分ちょっとになった感じです。

口頭試問の要素が強くて、数学の式を黒板に書かれて『これの微分をとってみて』とか『このグラフを描いて』みたいな質問がありました。最初は志望理由や将来の目標を深掘りされるのかなと思っていましたが、『IBと日本の数学って何が違うの?』とか『物理で学んだ面白い内容は?』と言うような質問が多かったです。EEにはあまり触れられませんでした。

面接にあたって行った対策について教えてください。

筑波大で行われている研究内容や教授の論文をしっかり読み込んで、何を聞かれても回答できるようにはしていました。ただ、実際には『IBってどんな科目構成?』『日本の数学カリキュラムと比べてどう違う?』みたいな質問がメインだったので、そこを一生懸命説明する流れになりました。数学の口頭試問もあったので、基本的な微分や関数のグラフ描画くらいは、もちろん一通りできるようにしておいたほうがいいと思います。あとは自分がなぜこの大学で学びたいのかを、しっかり言葉にまとめておくことが大事だと思います。

最後に

大学受験を通してIBやってて良かったと思うこと

EEやIAを通して、実験・研究に取り組めたことは本当に大きな経験だったと感じます。自分で一から考えて論文を書き上げる経験は、日本国内ではIB校ならではだと思うのでIBやってて良かったと感じる大きなポイントの一つです。

IB生へのアドバイス

最後にMさんから、これから受験を迎えるIB生へのアドバイスやメッセージを紹介して終わります!

スケジュール管理は非常に重要だと感じています。私は日本国内の大学に加えて海外大学もいくつか受験していたので、奨学金の応募も多く行っていました。高3の9月・10月は日本国内の大学受験準備と海外大学の受験準備、奨学金の応募の全てが重なり本当に大変だったので、もう少し前から準備しておけば良かったと後悔しています。

あとは、大学受験においては色々な課題活動に挑戦しておいた方が必ず受験で有利になると思います。高3までに書類や面接でのアピールポイントを多く作っておくことが非常に重要になるので、高1のうちから様々なことに積極的に取り組めると良いと思います。学校の成績ももちろんかなり大事なので一定レベル以上の成績は必ずキープするように頑張りましょう!