【ICU受験】IB生におすすめの入試方式とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介!


ICU(国際基督教大学)
は日本国内では珍しいリベラル・アーツ教育日英バイリンガル教育を提供している、IB生に人気の大学のひとつです。

そんなICUですが、受験できる方式がたくさんあるため「どれを選んで出願した方がいいんだろう」と迷ってしまうひともいるかもしれません。

そこでこの記事では、IB生におすすめの入試や、その中から実際に出願する方式を選ぶ際の考え方各入試の特徴とメリット・デメリットを合わせてご紹介します。

IB生におすすめの受験方式

ICUの入試についてより引用

ICUの入試についてより引用

大学HPでは、IB生におすすめの受験方式をまとめた表も掲載されています。

国内高校出身のIB生はEJU利用選抜以外の全てに⚪︎があり、大学側としてもおすすめできる方式として紹介しています。

外国の高校出身のIB生はEJU利用方式と一般選抜を除く全ての方式に⚪︎が確認できますね。ただし、外国の高校から出願する場合、総合型選抜は「IB認定校対象」カテゴリのみ受験可能であることに注意が必要です。
※「出願資格なし」の記載はありませんが、基本的にはEJU利用選抜は留学生向けの入試方式となっているため、本記事では言及しません。

受験方式を選ぶ際の考え方(フロー)

ICUには複数の受験方式があり、どの方式が自分に合っているのか見極めるのが大変かもしれません。

ここでは受験方式を選択する際のフロー・分岐として「①入学時期から選ぶ」、「②英語と日本語どちらが得意か」という2つの視点からおすすめの方式をご紹介します。

Step①入学時期は4月と9月どちらを希望しますか?

ICUの入試についてより引用

ICUには4月入学9月入学があります。日本の高校出身の学生のほとんどが4月入学生で、9月入学生は留学生や帰国子女の割合が多いです。

その理由は、9月入学ができるのは「English Language Based Admissions」と留学生向けの「EJU利用選抜」合格者のみに絞られているためです。

よって、9月入学を希望する場合には「English Language Based Admissions」の「September Entry」に出願する必要があります

それ以外、4月入学を希望する場合は基本的に一般選別、総合型選抜、帰国生選抜、そして「English Language Based Admissions」の「April Entry」に出願することになります。

  • 9月入学希望なら:
    English Language Based Admissions(September Entry)
  • 4月入学希望なら:
    一般選抜、総合型選抜、4月入学帰国生選抜、ELBA(April Entry)

Step②英語と日本語はどちらが得意ですか?

ICU入学後は約1年間の日英バイリンガル教育が待っています。日本語を得意とする学生は英語を学ぶEnglish for Liberal Arts Program(ELA)外国語を得意とする学生は日本語を学ぶJapanese Language Program(JLP)を受講することになるのです。

入学後にELAとJLPどちらの教育を受け、どの言語のスキルアップを目指すかによって受験方式を決めることもできます
※各プログラムの特徴や内容は上記URLからチェックしてみてください。

具体的には、ELAを履修したい場合には、一般選抜、総合型選抜、4月入学帰国生選抜で出願しましょう。JLPを履修したい場合、「English Language Based Admissions」での出願が必須です。

  • ELA受講希望なら:
    一般選抜、総合型選抜、4月入学帰国生選抜
  • JLP受講希望なら:
    English Language Based Admissions(April / September Entry)

ここまでのまとめ

入学時期と言語教育プログラムから見てみると、「9月入学」&「日本語よりも英語が得意で、入学後はJLPを受けたい」という方にはEnglish Language Based Admissionsがおすすめであると言えそうです。

また、それ以外、「4月入学」&「入学後にはELAを受けたい」という方には基本的に一般入試・総合型選抜・4月入学帰国生選抜がおすすめとなっています。

では、IB生にもチャレンジすることをおすすめできる一般入試・総合型選抜・4月入学帰国生選抜にはどのような違いがあるのでしょうか?

4月入学希望のIB生に特におすすめできる3つの入試

これまで、4月入学希望&ELA受講希望者は一般選抜・総合型選抜・4月入学帰国生選抜がおすすめであることを見てきました。

ここからは、上記3つの入試の特徴と、IB生にとってのメリット・デメリットについて一緒に確認していきましょう。

※入試内容の詳細等は大学HPをご確認ください。

一般選抜・総合型選抜・4月入学帰国生選抜の簡易比較表

一般選抜 総合型選抜 4月入学帰国生選抜
対象者 だれでも 「IB認定校対象」の場合:IB生のみ ・海外高校出身者
・国内一条校出身のIB生
併願できるか 併願できる 合格後、入学確約が必要 併願できる
共通テスト 不要
出願時期 1月上旬〜中旬 9月上旬 7月上旬〜8月上旬
受験時にキャンパスへ行く必要 あり なし
筆記試験 あり なし
英語資格試験の書類提出 「英語資格試験利用」受験の場合のみあり あり
倍率 約3倍

一般選抜の特徴・IB生にとってのメリット&デメリット

特徴

一般選抜はその中で「人文・社会科学選択」「自然科学選択」「日英バイリンガル面接利用」「英語外部試験利用」の4つに分かれています。最も募集人員が多いのは人文・社会科学選択です。

ICUの一般選抜の特徴は4方式共通で「総合教養【ATLAS】」試験を受けるという点にあります。試験内容に「講義を聴く」要素が含まれており、大学での擬似的な学習体験が盛り込まれているという独自性の高い入試です。
(詳細・過去問は
大学HPに掲載されていますので、そちらをご確認ください。)

「総合教養【ATLAS】」によってリベラルアーツ教育適正を測るため、ICUでは一般入試でも共通テストのスコアが必要ありません。これが他大学の一般入試よりもIB生が受験しやすい理由のひとつだと言えるでしょう。

IB生にとってのメリット・デメリット

メリット デメリット
・共通テスト不要

・「総合教養【ATLAS】」は学力試験ではなく、これまで「蓄積した基礎知識」が重要になるためIBでの学びがプラスに働く可能性がある。

・英語試験はリスニングと長文読解を含むため、IB English A/Bでの経験がプラスに働く可能性がある。

・IBのFinal試験と一般選抜対策を両立する必要がある。

・IBスコアが参照されない。

・IBで重視されてきた学習の過程自体は基本的に直接の評価対象にはならない。

総合型選抜の特徴&IB生にとってのメリット・デメリット

特徴

総合型選抜には「IB認定校対象」「理数探求型」「英語外部試験利用」の3つのセクションが設けられており、いずれも書類選考&オンライン個人面接が行われます。

IBスコアを利用する場合には「IB認定校対象」で出願することになります。
IBDPを利用する場合でもスコア条件はなく、また、それ以外の2つの方式でも書類や面接でIBでの経験(IA・EE・CAS活動など)をアピールできるという特徴があります。

条件を満たせばいずれの枠でも受験可能ですが、ひとつの方式に絞って出願する必要があることにご注意ください。

IB生にとってのメリット・デメリット

メリット デメリット
・共通テスト不要

・DPスコア条件がない

・IA・EE・CASなどにおける活動内容をアピールできる。

・合格した場合、入学確約

・「IB認定校対象」で受験する場合:
①DP取得が必須
②日本語A(SL/HL)の履修が条件
③英語Aを履修していない場合、英語資格試験のスコア提出が必要

4月入学帰国生選抜の特徴&IB生にとってのメリット・デメリット

4月入学帰国生選抜は、主に海外経験者を対象とした入試ですが、海外の教育カリキュラムを履修した人が対象になるため、国内でIBDPを受けている人全員が出願資格を持ちます

この入試では書類選考&オンライン個人面接(日本語)を通して合否が判断されます。また、「English Language Based Admissions(April / September Entry)」との併願も可能です。

4月入学帰国生選抜最大の特徴は出願書類にショートエッセイ(1,000字・日本語)が含まれることです。筆記試験がない代わりに、このエッセイで日本語表現力などが評価されるようになっています。

2025年度は以下のような出題がなされていました。

2025年入試要項より引用

IB生にとってのメリット・デメリット

メリット デメリット
・共通テスト不要

・併願可能

・実施時期が早く、合否が早い段階で分かる。

・DPスコア条件がない

・国内IB生が受験する場合、DP取得が必須

・11月試験を受ける場合、IA・EEなどの最終提出直前にショートエッセイを書く必要がある。

IB生のためのICU受験におけるポイントまとめ

  • IB生は基本的にどの方式にも出願できる。
  • 総合型選抜の中にも複数のカテゴリーがあり、IB資格を直接利用することも、IBでの学びをアピールすることもできる。
  • 一般選抜も共通テスト不要のため受験しやすい。
  • 国内の高校出身のIB生でも帰国生選抜に出願可能
  • 英語力を活かし、English Language Based Admissionでも出願可能

最後に

いかがでしたか?

IB生がどの入試方式でも受験できる点からは、ICUのリベラルアーツ教育とIB教育の親和性も見えてくるのではないでしょうか。

IB生でも受験しやすい一般選抜があることや、IBでの経験が活かせる入試方式がたくさん提供されている、ということをご紹介できていれば嬉しいです。
ぜひ志望校選びや、出願区分を考える際にお役立てください。

Univ-it!では今後もICUをはじめ、IB生に人気の大学に関する記事を公開予定です。
お楽しみに!