【Univ-it!会員アンケート結果②】現役IB生の実態調査!目標スコア・不安について聞きました

Univ-it!では、2024年5月に現役の中学・高校生と保護者の方を対象に「現役IB生の実態調査アンケート」を実施しました。ご協力くださった回答者のみなさま、ありがとうございました!

本記事ではその結果と、寄せられた疑問にお答えするUniv-it!の記事をご紹介していきます。

現在IBDP課程を履修している高校2・3年生の現時点における「目標スコア」や「後輩へのアドバイス」はどのようなものなのか、一緒に見ていきましょう。

Index

IBDPで勉強していて1番楽しい科目グループは何ですか?

好きな科目、第1位からGroup 4、Group 3、Group 6という結果になりました。筆者がIBDPを履修していた時にはGroup 1が人気だった記憶があるため、個人的には意外な結果になっており、楽しく結果を拝見しました。
では、現役IB生の方々がどうしてその科目が好きなのか、見ていきましょう。

  • 化学と生物に興味がある。どちらもHLをとっているが良い点数が取れている
  • 自分の興味のある分野について探求する機会が多いことや実験を通して結果を体感できる
  • 生物選択だが、自分で実験設定をしたり、プレゼンをしたりして今までの日本のカリキュラムより深い学びができていると感じるから。
  • ロジックを理解できるのが楽しい。JapaneseやEnglishと違って答えがはっきりしているものが性に合っているのかも。
  • History:歴史の暗記が苦手だったが、歴史的文脈を理解することが少しずつできてきたから。また、先生の知識が豊富で話を聞いてて面白いと感じるから。
  • Psychology(心理学): IBならではの教科で内容が興味深いです。心理学理論や過去の実験を習ったりなど、自分の行動に繋がることもあり、とても面白いです。元々心理学に興味があり、将来は人間科学系の大学に進学したいと考えているので、心理系に進みたい方は今後の基礎知識として十分活かせる科目だと思います。
  • Visual Arts:これまでの日本の美術は、ただ上手く描ければいいという評価基準だったが、IB Visual Artsを受けて表現技法を分析したり、評価したりと学問的に学ぶことが増えた自分が成長している実感があって、本当に楽しい
  • Film::授業を通して映画への理解が深まり、映画を見るのが前よりも楽しくなった。さらに、自分たちでプランニングして短い映画プロジェクトに取り組んだりするのも新しいものを得られる
  • 自分の興味関心に合わせて活動することができるため、最も有意義な時間に感じるから。
  • ボランティアなど授業以外にも大変興味がある。

IBDPで勉強していて1番苦労している科目はなんですか?

続いて苦労している・苦手な科目についても聞きました。
こちらはGroup 5、Gorup 4、Group1の順番になりました。
今回は元々苦手意識がある、苦手科目である、という理由以外を紹介していきます。

  • 特にHLを取っていると高校数学3年間で学ぶはずの内容をDPの2年間で学ばないといけないので難しい。最終試験の問題も難しいため毎日欠かさず少しの時間でも数学に触れておいた方がいい
  • 数学は中学の頃から好きだったがHLで履修するとEnglishで受講する必要があるため、用語の理解や話の理解に時間がかかる(HLで専門用語が多かったり英語力がないため、理解に時間がかかる)
  • IAでオリジナリティを出しつつも、手法に正確性が求められるから。
  • 自分に合った勉強方法がまだ見つからないから。
  • Physics: 内容が深く、授業だけではなく自分でたくさん勉強しないと理解できないことが多いため。
  • IBに入った当初は理系の進路に行くつもりだったが、IBのEconomicsの授業を通して、将来大学で経済を学びたいと思い、特に意味もなくBiology HLを受けてしまっている。覚えることがとにかく多くて本当に大変
  • 暗記系の科目と比べて努力がすぐ結果につながらない
  • Paper 1で出題される初見のテクスト分析が難しい
  • 文学的な日本語読解が苦手分野です。
  • 母国語ではない言語のspeakingに苦戦
  • 議論すればキリがなく、着地点が見えないディスカッションになりがちだから。それがTOK良いところなのだとは思うが…….
  • インターネットで調べれば出てくるような一般的な考えではなく、よりクリエイティブで独創的な考えを作り出さなくてはならないから。
  • 自分の考えをより具体的に根拠と一緒に提示する必要があるから。

IBDPを履修する上でどんなことを目標にしていますか?

多くの回答者の方が「高得点を目指したい」と思っていることがわかります。次いで楽しみたい」という回答が多いのも興味深いですね。2年間取り組むプログラムですから、モチベーションを維持することが大切になってくるはずです。

では、回答者の方々の目指す「高得点」はどの程度のスコアを想定しているのか、覗いてみましょう。

IBDPの目標スコアはなんですか?

今回の結果としては、35点以上を目標に据えているひとが32名で、先ほどの「高得点を目指したい」と回答してくださった人数とほぼ一致します。そのため、ここでは多くのUniv-it!会員の現役IB生が35点以上を高得点と捉えていると言えそうです。
また、中には「満点を狙いたい」という方もいらっしゃいました。

IBDPのスコアアップを目指して塾や家庭教師を利用していますか?

こちらは半々に分かれる結果となりました。「利用している」「検討中」という方が半数近くいらっしゃることは、皆さんにとっては予想通りでしたか?それとも意外な結果だったでしょうか?
「もう少し点数を伸ばしたい」、「苦手科目をサポートしてほしい」と思うことがあれば、一度相談してみても良いかもしれませんね。

自分が先輩としてこれからIBDPに取り組む後輩に伝えたいアドバイスや、「こうしておけばよかった」という後悔があれば教えて下さい。

IA・EEについて

  • EEのトピック決めやリサーチなどは早めからやっておいたほうが良い。自分の学校はDP1の6月くらいにトピックを決定し、1月の終わりにFinal Draft提出だったが、本格的にEEに取り組み始めたのが11月らへんだったので本当に苦労した。最終的にMOCK評価でEEではBをとることができたものの、もっと早めからやっておけばAを狙えたと考えるとかなり悔しい。あと、冬休み中は心が折れかけたので早めから少しずつEEの内容についていろいろリサーチしたり、先生や先輩に相談してみるとよいと思います
  • IAのトピック決めは余裕があるうちに考え始めると良い。

試験対策

  • Japanese A Litは、本を読み終わった度にそれぞれのテーマと使えそうな引用をメモしておく。後にPaper 2で使えます。
  • なるべく早く過去問に取り組むこと。特に理系科目は過去問を多く解いた方がいい。

人との交流は積極的に!

  • 人脈は自分が思っているよりも遠くに自分を連れて行ってくれると思う。私自身、先生や先輩、友達に交流会やクイズ大会などいろいろ参加しているうちに自分の進路に役立つ機会が運良く巡ってきて、その運に運がさらに重なって活躍を認めてもらえるということになったから。

英語を含む言葉について

  • 英語の受験は10年生の時にしましょう。
  • 英語力がもっとあれば良かった。後悔ではないが、小さなテスト前でもしっかり勉強したり、計画性を持つことで好印象や高得点を取ることができるのでモチベーションが上がる
  • 英語力、語彙力、言葉のバリエーションを増やしておくことで、より自分の言葉で説明できるようになる。
    言語を問わず、言葉のバリエーションを増やしておいたほうが良いと思う。
  • トフル(英語力)をIBの始まる前にもっと上げとけばよかった
  • 読書が大切。

積み重ねが大切

  • 大変だけれどやる意味のある苦労です。
  • 毎日コツコツ取り組む
  • EEやIAなどのレポート提出課題も大事だが、普段からそれと同じくらい復習も大事にすること

タイムマネジメントをしっかりと!

  • どんな課題でも時間をかけることが大事であるため、タイムマネジメント力をつけておくことが大事だと思います!
  • タイムマネジメントをきちんとしないと色んな課題がmockやfinalと同時進行になりかねないのできちんとした方がいいと思います。
  • もう少し計画的に試験勉強をするべきでした。

何事も早めに!

  • CASを早い段階から計画しておけば良かった
  • 自分のやる事、IBの課題が増えた瞬間にその課題に取り組む行動力をPre-IBのうちに養えばよかった
    Pre-IBのうちに自分に合った勉強法を確立しておけばよかった。
  • 早い段階から課外活動を積極的に行っておくといいと思います。
  • もっとDPが始まる前に準備・貯金(余裕)をつくっておけばよかった。あればあるほどいいと思う。
  • 自分が何に興味があるか事前に知っておく。
  • 2年間はあっという間なので、まだまだ時間があるなんて考えずに、最初から真剣に取り組んだ方がいいと思います。

大学受験の不安・お悩み

アンケートでは大学受験に関するお悩みも伺いました。
ここでは、寄せられた疑問にお答えしつつ、関連するUniv-it!の過去記事をご紹介していきます。

Q.10月に仮DPで日本の大学に出願する必要があることが不安です。

今回は質問してくださった方の「不安」が見込み点(Predicted Grade)での出願からくるものだと想定した上でお答えします。

見込み点で出願する場合、見込み点自体の信頼性に疑問を抱くこともありますよね。
信頼性については、最終スコアとのギャップが大きすぎる場合に学校側も注意を受けることになります。そのため、学校側も慎重にスコア予測をするはずです。
見込み点はMock Examなどの点数に現実的な期待値を加味して算出されるため、ある程度の信頼性はあると見て良いでしょう。
実際、筆者の見込み点と最終スコアはGradeも含め大きく外れたものはありませんでした。(中にはGradeだけでなく、100点満点換算の点数もほとんど変動がなかった教科もありました)

次に、見込み点の扱いは大学によって異なる点についても触れておきます。
国内大学の場合は見込み点ではなく、IBDP取得後の最終スコアで合否を決定することもあります。つまり、見込み点が低くてもFinal Examでしっかりと結果を残すことができれば受験には響かない、という認識で基本的には大丈夫です。もちろん、「見込み点は高かったものの試験との相性が悪く大幅に下がってしまった」というケースも想定されますので直前対策は余念なく……!
※大学によっては見込み点で仮合格を出すところもあります。志望大学の募集要項などで調べるようにしましょう

また、特にIB入試の場合にはスコアだけで合否が決まるわけではありません。ハイスコアであることは望ましい要素ですが、見込み点・最終スコアどちらで出願するかに関わらず書類や面接でアピールできるその他成果の準備・対策にも力を入れてみてください

Q.DPを6月ごろに卒業し、1・2月の大学受験までに半年以上の期間が開いてしまいます。それが受験に影響してしまうかもしれないということが少し不安です。

「卒業時期と受験時期の開きが気になる」という不安ですが、結果から言えば大学受験への影響はありません
気にせずその数ヶ月の猶予をフル活用して受験勉強やその他必要な準備・対策を進めましょう

IB入試で国内大学に出願する場合、「DP取得から2年以内」という条件になっていることが多いです。
それ以外の出願資格は大学ごとに異なりますので、確認を忘れないようにしましょう。

Q:日本の大学受験の準備と学校での勉強は全く別なのか、それとも学校でやっていることは受験に役立つのかが知りたいです。また英語検定などの資格を取る余裕はあるのでしょうか。

「学校での勉強」がIBDP取得に向けた授業などと想定した上でお答えしていきます。
端的に言えば、「受験方式による」という曖昧な答えになってしまいます。将来IB入試を受ける場合には評価の対象がDP課程における学びの成果となるため受験に直結しますし、一般入試にチャレンジするのであれば共通テストに特化した勉強・対策が別で必要になるからです。

英検やIELTSなどについてですが、高校3年生のFinal Exam直前(5〜11月)以外の時期であれば受験する余裕はあると思います。
大学によっては英語資格のスコアが条件として設定されていることもあります。課題〆切日や課外活動などのスケジュールを調整できるうちにぜひ資格取得にも取り組むことがおすすめです。

課題の取り組み時期について

Q.CASはG11の時点で終わらせておいた方がよいですか?同じ学校の先輩に聞いてみたところ、その先輩はG11の時点で必要な時間数を終わらせていたそうです。

CASで必要とされる時間数は一朝一夕でこなせるものではないため、目標として1年でできるだけの活動に取り組むことを掲げる」という意識は大切です。質問してくださった方の先輩はG12を試験対策やIA・EE・TOKに全振りできる理想的なモデルケースと言えますね。
一方で、活動できる日数やスケジュールなどは個人差がありますから、無理のない範囲で活動することが1番重要になります。
11月試験組であれば、G12の4〜7月まではCAS活動に充てる時間は確保できると思いますので、春・夏季休暇で一気に取り組むようプランニングしても良いかもしれません。

Q.課外活動やインターンシップ、学術研究、地域貢献などどれくらいの時期から始めるべきですか?

これについては「なにごとも早めに!」という先輩方のアドバイスを見ていただければと思います。
Pre-IBを含めた3年、DPの2年間は始まってしまえばあっという間です。できるうちに挑戦できる課外活動に取り組んでみたり、EEでどんな内容を扱えそうかなのか考えてみたりしてください。
CASに繋がりそうなアクティビティがあればG10の頃から参加してみても良いと思います。

最後に

いかがでしたか?
前回の記事から2回に渡り、アンケート結果からわかった現役IB生の生活や疑問点についてご紹介してきました。
読者の皆さまがより充実したIB生活を送るために役立てていただけますと幸いです。

改めましてアンケートにご協力くださったみなさま、ありがとございました!
Univ-it!では今後もIB入試を中心に様々な情報を発信していきますので、次回の記事もお楽しみに!