【Final直前対策】IB Japanese A 文学で7点を取るには?

2024年5月9日

高得点が狙いやすいと言われているJapanese Aですが、「高得点を取るには具体的にどのような試験対策をすべきなのか分からない……」というお悩みをよく耳にします。

そこで今回は、「Final Exam直前対策」シリーズとして、Japanese A Literature(文学)で7点を取得した筆者が実際に取り組んだ勉強法をお伝えします。

忙しいこの時期、勉強法や心構えなどの参考・刺激になれば嬉しいです。

筆者プロフィール

(1)名前: I
(2) 出身校:国内一条校
(3)在籍:国際基督教大学 3年
(4)Japanese A Literature (HL) 7点
(5)受験年:November 2020

※Japanese A 旧カリキュラム受験のため、現在とは異なる試験内容についての言及があります。
ご留意ください。

【試験直前(2, 3ヶ月前) に実際にしたこと】

まずは作品分析に必要な既習の要素(詩・小説・随筆の技法、文体や具体例の効果など)を全てまとめました。その後、Mark Schemeを熟読し、新たに得た知識や、作品の主題に関するキーワードを本番で使用するペンで紙に書き出しました。Final Examは全て手書きでの解答になるため、難しい語彙の確認に役立ったと思います。

また、私は「知識の引き出し」の数が点数の分かれ道と考えていたので、Past Paper・Mark Schemeを見比べながら作品鑑賞のポイントをインプットしつつ頭の中でコメンタリーの構成を考える勉強法を選択しました。手を動かす必要がほとんどなく、読書感覚で楽しく勉強できるため、恐らく最も効率的な直前対策法です。効果はあったようで、Paper1は満点を取ることができました。ぜひ試してみてください。

【Paper 1:試験中の時間配分】

論述形式の試験ではなるべく読みやすい状態で答案用紙を提出することが望ましいとされるため、書く前にどれだけ思考を整理できるのかが肝となります。私は、①10分(書き込み)、②10分(アウトライン作成)、②70-80分(答案作成)、③最後の20分(見直し)の時間配分で一本のコメンタリー執筆を予定し試験に臨みました。

書き込みは抜粋文のプリントに青ペンで行い、印字と自分の思考を差別化を図りました。ここでReading Timeに考えたこと、特徴的な表現などに印をつけ、全てメモしました。

②次にアウトラインですが、論の骨子を固める、絶対に省略してはいけないプロセスです。私は各項目の見出しを作成するイメージで書きました。①②の段階で語りたい内容を言語化しておけば、試験中に手が止まってしまっても思考を続けるための座標として機能してくれます。

③執筆段階では充実した内容のコメンタリーには3,000字程度は必要と考え「あらすじを省いて書き続けること」を目標にしました新カリキュラムではSL・HL共に1本のコメンタリーを40〜50分で書かなければいけなくなっているので、1,000〜1,500字以上を目標にするのはどうでしょうか。

Candidatesを容赦なく追い込んでくる論述試験ですが、抜粋作品はどれも魅力的です。
目の前の作品をしっかり味わうことで、筆も乗ってくるかもしれません。

【Paper 2:試験中の時間配分】

 Paper2も時間配分は同様です。こちらは記憶頼りにアウトラインを作成する必要がありますが、「比較・対照」可能な技法、特徴は何か簡潔に、取りこぼさずメモするよう努めてみてください。表にするのも分かりやすかったです。思考を整理できれば、きっとスムーズに書き進められるはずです。

【DP1年目からできる試験対策】

DP開始から出される全てのコメンタリー課題がFinal対策です。ひとつひとつの課題をじっくりと仕上げてあげてください。授業のまとめではなく、自分のアイディアを盛り込んだ「論文」的なものをしたためる気持ちで書くことに慣れるための練習は既に始まっています。

加えて、良いコメンタリーを書くためにはどうしても知識が必要です。私は短めの文学作品や批評を読み、そこから新しい言葉やレトリックを吸収するよう心がけました
特に、文庫本の「解説」は文筆家が作品の魅力を伝えようと工夫を凝らしているため、とても参考になります。ぜひ授業で扱う作品の「解説」も丁寧に読んでみてください。

【Japaneseが苦手なひとに薦めたい試験直前対策】

「書く手が進まない」「何を書けば良いのかわからない」という方には、Mark Scheme・授業内容を照らし合わせながら過去問演習をする「コメンタリー量産」法を提案します。
Mark Schemeの流れに沿って、時折自身のアイディアを挿入しつつ自分の言葉で「模範解答をつくってみる」演習方法であれば、自然と「優れたコメンタリー」と評価される文章の構成を学び慣れることができるはずです。
その途中で、先生やコメンタリーが得意なクラスメイトと議論・相互添削を重ね、「書き方」のテンプレ化を目指せば、本番は「模範解答」の構成をトレースするだけで書き上げられるかもしれません。他にも、抜粋文の「印象的な表現」を探してみてください。「論理的」で「一貫性のある」コメンタリーとはつまり、「作品の印象や主題について、具体例を複数挙げながら丁寧に説明されたもの」なのだと思います。

Guiding Questionには「作品の魅力は何か」という含意があるはずで、分析の着地点はいつだって「あなたの感じた作品の魅力」であるべきだと感じました。好きだ、良いなあ、と感じたことが読み手(Examiner)に伝わるよう工夫して文章を紡いでみてください。
きっと、「伝わるコメンタリー」が書けるはずです。

最後に

いかがでしたか?

Japaneseは授業から試験本番まで楽しんだもの勝ちだと思います……!
この記事でご紹介した個人の経験談が、少しでもシビアなIB Final Exam対策の突破口となれば嬉しいです。応援しています。