金沢大学IB入試を合格者が解説!志望理由書の例も公開

高校生の皆さんの中には、IB Final試験と同時に大学受験も迫ってきた……という方も多いと思います。

そこで今回は、IB入試を実施している国立大学のひとつ、金沢大学をご紹介します!
受験方式や面接対策などを2021年度入試合格者へのインタビューと併せてお伝えしていきます。

志望校決定の最終段階に突入する今、情報を整理するためにお役立ていただけますと幸いです。

金沢大学とは

基本情報

金沢大学は石川県にある国立大学です。150年以上の歴史を持ち、大学憲章として「地域と世界に開かれた教育重視の研究大学」を掲げています。

自然に囲まれた広いキャンパスや、国際交流に力を入れている点も金沢大学の特徴です。海外からの留学生と共同生活ができるシェアハウス型の宿舎や、ジョイントクラスの開講など、学内でも外国語を用いた交流が可能となっています。

在学中の留学も推奨しており、さまざまなプログラムが提供されているようです。
※国際交流の詳細はこちらでご確認ください。
金沢大学 国際交流・留学HP 

教育の特徴:学域学類制の採用

金沢大学では全国でも珍しい「学部学科よりも幅広い学域学類制」が採用されています。

一般的に学部と呼ばれるものが学域、学科が学類と捉えられるでしょうが、従来より広範をカバーする4つの学域の中に、より細かな専攻としての学類が置かれているのです。

そのため、金沢大学では出願時に専門分野・コースまで決定する必要がなく、入学後もじっくり時間をかけて学びたいテーマを探っていくことができるようになっています。※医薬保健学域の医学類、保健学類では、資格取得の関係から「経過選択制」は不採用

詳しくは、大学公式サイトでご確認ください。

国際バカロレア入試

概要

金沢大学では2017年度より4学域19学類で「国際バカロレア入試」(以下IB入試)を実施しています。各学類によって条件や選抜試験の内容は若干異なりますが、(1)共通テスト免除、(2)募集人員:若干名 という2点は共通しています。

ちなみに、2022(令和4)年度入試合格者は、人間社会学域理工学域 各1名 という結果になっています。

出願資格

※掲載情報は金沢大学IB入試 2023年度募集要項 を参考にしています。

合格した場合には入学することを確約できる者
国際バカロレア資格を授与された者および授与見込みの者
言語A 日本語により履修
成績評価4以上※一部の学部は異なる条件を認めている場合があります。募集要項をご確認ください。
その他必要な成績評価 例:
人文学類:DPスコア35以上
法学類:グループ3から1科目(HL4以上)※学類によって指定された科目、成績評価が異なります。
募集要項をご確認ください。

金沢大学は合格した場合、入学可能であることが受験資格に含まれています。そのため、「とりあえず」の受験はあまりおすすめできません。

各学域・学類の規定科目一覧

金沢大学IB入試 2023年度募集要項より引用

出願・受験時期の目安

2023年度の受験スケジュール

出願期間 11月1日〜11月8日
選抜期日
(試験・面接日)
12月3日
合格発表 12月19日
入学手続期間 2月14日〜2月20日

出願書類

出願書類を一部簡略化、表にまとめました。
より詳しい内容は募集要項をご参照ください。

①証明写真データ カラー・上半身・無修正など条件を満たした直近3ヶ月以内に撮影したデータをアップロード
国際バカロレア資格証書の写し等 <2021年11月IB試験受験予定者> は「国際バカロレア資格及びIB最終試験6科目の成績の取得見込み証明書(Transcripts of grades)」を提出

加えて、IB試験受験予定者はIB試験を受験の際、試験結果をIBIS(International Baccalaureate Information System)を通じて金沢大学が閲覧できるように登録

③身上調書
④志願理由署
金沢大学入試情報Webサイトからダウンロードし、印刷した上で志願者自身が自筆で記入(日本語)
※国際学類のみ英語でも記入可能

IB取得見込みで出願・合格した場合、予測スコアよりも最終スコアが下回った場合には合格取り消しとなる場合があるため注意が必要です。

選抜試験の代表的な形式

金沢大学IB入試の形態はざっくり分けて3つです。

①提出書類+面接
②提出書類+小論+面接
③提出書類+小論+面接(プレゼンあり)

受験する学域・学類によって方法が分かれますので、詳細は募集要項をご確認ください。

例:人間社会学域法学類

形式:提出書類+面接

金沢大学IB入試 2023年度募集要項より引用

「人間社会学域法学類」受験のポイントを合格者が解説!

ここまで、金沢大学の特徴やIB入試の基本情報をお伝えしてきました。ここからは実際に金沢大学人間社会学域法学類に出願・合格したAさんのインタビュー内容をお伝えします。

Aさんのプロフィール

出身高校 国内一条校
選択科目 HL: Japanese A 文学、English B、History
SL: Math、Biology、Visual Arts
IBスコア 最終スコア:35
Predicted:33
IB以外の資格(受験時) 英検準1級
IELTS:6.0

志望理由はどのようなポイントに気をつけて書きましたか?

特に次の3つのことを心がけて志望理由書を作成しました。
法学類(法学部)を目指す理由やきっかけについて、IBで学んだことと結びつけながら書くこと。
金沢大学のミッションと志望理由の親和性を高めるように書くこと。
大学が力を入れている教育の特徴について触れるようにすること。

志望理由を整理する時にはまず、生活の中での気づき・発見、自身の興味・関心との関連性について考えました。そういった「自分の経験」を軸に置いたことで自然のオリジナリティのある理由書になったと思います。

それから、志望する大学がどのように自身の関心を深められる環境なのか、その環境の中で発揮できる自分の強み(価値)は何かを言語化しました。

Aさんが実際に提出した志望理由書の一部

 今日、人類は歴史から学び、叡智を尽くして人権を守るための様々な取り組みを行っているにもかかわらず、未だ人権が守られていない現状があります。なぜこのような状況が生じているのか、そして私がこの解決への方策にどのように行動を起こせるのか、私は国際バカロレア(IB)DP課程での学びを通じて、 このような思いを強く抱きました。IB歴史の内部評価エッセイで、私は大正デモクラシーと大正陪審制の関係性を司法の政治学的側面に着目して明らかにする研究に取り組みました。その際に参考にした諸文献から、人権問題を含む社会の諸問題に対して、法的見地に立ち、解決を導くことの重要性を知りました。 私が抱く「法的見地に立つとはどういう意味なのか」、「法理論を用いた解決の方策とは何か」、こうした根本的な問いを応えるカリキュラムとそれを具体化する手段が貴学法学類では明確に提示されていることに、私は非常に魅力を感じました。
 貴学法学類における学びの環境で、私の学びが最大限発揮されると考えている点は以下の 3 点に集約さ れます。まず 1 つ目は、……

面接試験の様子について教えてください。

私が受験した時は、面接官の先生方が5人いらっしゃいました。面接官5:受験者1の構図だったので、正直圧倒されました(笑)。ただ、優しく声をかけてくださったので、そこで少し安心しました。

また、面接の入室マナーなど対外的な態度ではなく、受験者の興味・関心について重要視している印象も強かったです。

面接試験の流れを教えてください。

面接は約20分ほどで、短いけれど濃い時間でした。

挨拶と名前の確認後、すぐに本題(独自の質問、次のセクションで詳細)に移ったにで志望理由について聞かれなかったことが衝撃的でした。面接は提出書類を基にしていることを想定・対策していたので、焦りました。質問の答えに対してさらに質問が投げかけられる、という流れだったので面接の内容も私(受験者)の興味関心に近づいていく印象がありました。

面接で実際に訊かれた質問について教えてください。

受験してから大分経つので曖昧な部分もありますが、受験当時の時事問題と歴史IAの内容に関する質問があり、そこから私の答えをさらに深掘りするような質問の流れでした。受験するタイミング・受験者の回答によって大きく変わるとは思いますが、私が質問されたのは以下の5つです。

(1) 新首相(新内閣)の政治の特徴は何か?
(2) 給付型奨学金を促進することはなぜ重要か?
(3) 日本の政治の問題点は何か?
(4) 国民の知る権利を保証することはなぜ重要か?
(5) IAについて:
民主主義について、IAを通して学んだ要素(新しい知識)はあったか?

まさかこんな論述課題のようなことを訊かれるとは思わず、本当に焦りました。ただ、どの質問に対しても「自分の知っていることを伝え、質問内容に繋げる」ように脳をフル回転させて何とか無言は避け、答えることができました。

面接試験対策のアドバイスをお願いします。

法学類の試験採点基準に「社会問題に対する関心は強いか」という項目があり、面接でもそれを評価するための質問が投げかけられるはずです。その対策として自分の学びたい学問と関連性の高いニュースや社会問題について情報収集することをおすすめします。

その際、ただ情報を暗記するのではなく、自分の意見を考えてみることが重要になってきます。

面接はIB試験後に実施されるので、準備にあてる時間は案外たっぷりあると思います。クラスメイトとしたディスカッションが面接で生きてくる、ということもありますし、ぜひ周囲の人と積極的に話すようにしてみてください

また、志望理由書などにIA・EE執筆を通してわかったことを記述した場合には、その内容を再度説明できるように自身の論文を読み返しておくべきだと思います。

あと、これは面接対策には含まれないかもしれませんが、早い段階で志望学部・領域が決まっている場合には小論文課題のトピックをその学問に近づけてみるのもおすすめです。

応援しています。

最後に

いかがでしたか? 今回は「国際バカロレア選抜」入試を実施する金沢大学の特徴と、受験にあたってのポイントをお伝えしました。

Univ-it!では、IB生のための大学入試情報を随時更新しています。

IB入試で合格した方のインタビューや、各大学出願資格の確認などもできますので、ぜひご活用ください!