【2024年度版】帰国子女・IB生必見!東京大学の外国学校卒業者特別選考を徹底解説!

言わずと知れた日本最高峰の大学である東京大学。特に国内の国公立の受験を考えている方なら誰もが憧れを抱くと思います。そんな東京大学ですが、海外高校でIBを取得したIB生であれば、実は大学入試共通テスト(旧センター試験)を受験せずとも、受験できる方法があるんです!

その名は「外国学校卒業者特別選考入試」です。実施学部は全学部で、募集定員は若干名となっています。

日本最高峰の学力を持つ東京大学にIBを利用して入学できるチャンスです!本記事では実際に東京大学文科二類に選抜入試で合格し、在学している宮崎さんの入試の体験談を交えつつ入試について紹介していきたいと思います!

※本記事は2024年度の入試内容を基にしています。

 

東京大学ってどんな大学?

冒頭でも少し触れましたが、東京大学は言わずと知れた日本最高峰の学力を持つ国立大学です。主にこのような最難関国立大学にIBを利用し入学するためには、大学共通テスト(旧センター入試)の受験が必須です。しかし、今回紹介するこの入試方法では共通テストを受けずとも東京大学を受験することが可能です。

東京大学の教育の特徴の一つとしてあげられるのがリベラルアーツ教育です。これは、大学4年のうちの最初の二年間を教養学部で学び、残りの2年で各自興味のある専門分野を学習するというものです。IB教育で様々な観点から物事を考える力を培った分、文理にとらわれず学習できるこのシステムは最適と言ってもいいでしょう。

また、理系ではALESS、文系ではALESAと呼ばれる英語の授業があるのもIB生にとっては魅力的です。高校のうちから英語での学習に慣れているため、他の東大生に比べるとスムーズに学習が出来そうです。

 

外国学校卒業者特別選考入試の概要

実施学部 全学部
出願資格 以下の1〜4を全て満たす者
1. 日本国籍を所有もしくは日本での永住許可を得ていること
2. TOEFL iBTもしくはIELTSを出願期間2年以内に受験していること
3. 以下のいずれかに該当すること

  • 外国において12年の教育課程を修了する者
  • 外国においてIBDPを取得した者

4. 以下のいずれかに該当すること

  • 外国において学校教育の12年の課程のうち、外国に在住しながら、最終学年を含め継続して2年以上在学し、修了する者
  • 外国において学校教育の12年の課程のうち、外国に在住しながら、最終学年を含め最終学年から遡って連続する6年間のうち、通算で5年以上在学し、修了する者
入試日程 出願(書類選考):11月上旬
第2次選考(小論文、学力試験):2月下旬
第2次選考(面接):3月上旬
入試内容 提出書類、小論文、学力試験、面接
募集要項 2024年度 東京大学 外国学校卒業者特別選考入試 募集要項(帰国生徒向けの第2種選考はp.14〜)

出願手続(インターネット出願及び必要書類の郵送) 

出願期間内に特定の書類を東京大学に郵送しなければなりません。主なものとしては以下のものが挙げられます。

  • 入学志願票
  • 外国学校出身者推薦書
  • 卒業証明書
  • 成績証明書(修了教育機関での成績+IBの成績)
  • TOEFL又はIELTSのスコア
  • 志望理由書
  • 学校要覧 (任意で出身校を説明する書類)

一次選考(書類選考)

一次選考では以下の書類が審査の対象となります。

  • 修了教育機関における成績
  • TOEFL又はIELTSのスコア
  • IBの成績
  • 志望理由書

二次選考(小論文、学力試験、及び面接)

二次試験の内容としては以下のものが挙げられます。

  • 小論文:日本語と出願時に選択の言語(英語、ドイツ語、フランス語など)
  • 学力試験:文系・理系により出題科目は異なります(詳しくは要項を参照)
  • 面接:日本語による個人面接

 

試験の詳細(体験談より)

以下では、現役東京大学生である宮崎さんの体験談も含めて試験の詳細を紹介したいと思います。

一次選考

100%書類審査である一次選考、きっと何を対策したらいいか不安に思う方もいると思います。そこで今回は現役東京大学生である宮崎さんに一次審査についてのお話を伺いました。下記の表はお話を基に作成した各提出物の注意すべき点や、具体的な合格スコアです。

提出物 具体的な対策、気をつけるべきこと
修了教育機関における成績 IBの成績のみならず、修学した学校での成績の提出も必要となってきます。
IBの成績 特にスコアの基準は記載されていませんが、宮崎さんのお話曰く、40以上のスコアは必要とのことです。
志願理由書 指定の用紙になぜ東京大学に入学したいかの理由が明確に示されている必要があります。
TOEFL iBT
又はIELTSの成績
IELTSは7.0だったそうです。

二次選考

筆記試験(小論文)

二次試験で行われる小論文は合計で二問あり、宮崎さん受験時は日本語、英語で各一問ずつあったそうです。尚、日本語の小論文は主に議題に対して自分の意見を述べる形だったそうです。

ここでの対策方法としては、様々なトピックに対して自分の意見を述べられるようにすることが大切です。様々な時事問題や社会問題についてアンテナを張っておく必要があります。日頃からニュースなどにも目を通し、様々な角度からの視点を養うことも重要となってきます。また、宮崎さん自身は入試までの期間日本に帰国し、塾に通い小論文の添削をしてもらっていたそうです。その際に心がけていたこととしては、時間内にきちんと最後まで書き切ることだそうです。中々海外にいる中で日本での時事問題に触れることや、日本語で小論文を書くことは難しいと思いますが本入試の対策としては大変重要な部分となってきます。

筆記試験(学力審査)

宮崎さん受験時にはなかった大きな入試方法の変化としてあげたれるのがこの筆記試験です。この筆記試験は一般選抜の問題と同じ問題が出題されます。また、試験の内容は希望する学部によって異なります。以下が志望学部別の試験内容の簡易表です。

文系希望 予め出願の際に選択した外国語による筆記試験及びリスニング(聞き取り)試験。IB生の場合は英語での受験が基本となりそうです。
理系希望
  • 数学(数1、数2、数A、数B(ベクトル、行列))
  • 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学の中から予め選択した二科目

英語で各科目の学習をしてきているIB生にとって学力試験は少し厳しい試験内容となるかもしれません。対策としては、IBで学習した内容を和訳し、一般選抜の過去問題を解くことが挙げられます。理系であれば、チャートや日本語の参考書などを利用し学習を進めていくのも一つの対策方法です。

面接 

宮崎さん受験時は1:4の面接で、15〜20分くらい行われたそうです。また、内容は主に志望理由書の内容を掘り下げたものだったそうです。これはどの入試にも共通しますが、一次選考の選考材料だけではなく、志望理由書は二次選考でも重要な選考材料になるので、しっかりと内容を考えて書く必要があります。希望する学部に入って何がしたいのか、将来にそれがどう繋がるのかなど等掘り下げられても受け答えができるような内容を書くことが大切です。

志望理由書の内容以外には、小論文の内容についての質問をされることもあるそうです。上記のスケジュールでもある通り、面接と小論文では日時が異なるため、きちんと出題された内容なもちろん、自分の書いた内容なども覚えておく必要があります。また、小論文の際に出題された時事問題について面接までの期間で調べておくのも良い対策になるかもしれません。

また、志望理由によっては、高校の時に行った課外活動や、ボランティア活動についての質問もされるみたいです。自分がどういう目的でそれらの活動を行なったのか、どういう学びや成果があったか、その学びを将来的にどう生かせるのかまでをしっかりと考えておきましょう。

 

入学後に生かせるIBで培った力、苦労したこと(体験談より)

厳しい入学試験を勝ち抜き、合格したその後の話も少し宮崎さんにお聞きしました。中でも、IBをやってきたからこそ入学後で生かせる力、入学後に苦労したことなどについてお話ししていただきました。(以下宮崎さん)

  • やはり、IBで英語でIAやEEを書いてきたことだけあって、英語で論文を書くことに関しては他の東大生と比べては有利な立場にあるのではないか。
  • 一方で、英語で勉強してきたことによって、専門用語などの和訳が必要だったのでそこはもう一回学び直す必要があった。
  • また、IBのJapaneseだけでは、論文などの際に書く日本語がアカデミックではないことから日本語で論文を書くことにも慣れる必要があった。

最後にこの入試を受けるにあたってアドバイスをいただきました。

小論文という内容の試験だったため、試験後の手応えというものが全くなかった。それでも諦めずに最後までチャレンジすることが大切。この大学に行きたいという強い思いのもとにやり抜くことが大切。

 

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最後に

今回は東京大学の外国学校出身者特別入試についてご紹介しました。日本の最難関大学の一つである東京大学、入学することはもちろん容易ではありません。しかし、大学共通テストを受けずとも受験ができる点から多くの魅力と可能性に満ち溢れた入試です。是非少しでも興味があるのならチャレンジしてみてはいかがでしょうか!

東京大学

実施学部:
全学部
入試制度:
外国学校卒業生特別選考