【IB生体験談】岡山大学医学部医学科の国際バカロレア選抜の選考方法と対策とは?
岡山大学医学部医学科の国際バカロレア選抜は、書類審査と面接だけで筆記試験が課されず、科目要件もそれほど厳しくないため、毎年多くのIB生が受験しています。筆記試験のないIB入試を実施している国立大学の医学部は限られているため、岡山大学の受験を検討している方や興味を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、岡山大学国際バカロレア選抜の入試概要やスケジュールをまとめているだけでなく、実際に受験したIB生にインタビューを行い、選考内容、対策、心がけていたポイントなどを紹介しています。3つの項目に分けてあるので、興味のある内容を読んでみてください。
『国際バカロレア選抜』の概要
岡山大学の『国際バカロレア選抜』は8月募集と10月募集の2回実施され、医学部医学科は両方の期間に募集されています。募集定員は8月募集が3人、10月募集が2人であり、出願資格に一部の違いがあるものの、基本的な選考方針は同じです。しかし、8月募集に出願する場合は10月募集の受験はできないため、この点は気を付ける必要があります。
詳細な情報については、大学公式ウェブサイトの募集要項や、Univ-it!の大学検索サイトをご確認ください。
2024年度入試を参考に、『国際バカロレア選抜』の概要をまとめました。
【8月募集の概要】
入学時期 | 4月入学 |
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募集定員 | 3人 |
出願資格 | 2022年4月以降にDP所得済 *2023年11月試験受験者は出願不可 |
出願要件 | ・IBスコア39点 ・日本語A(SL 4/HL 4)または日本語B(HL 6) ・数学AAまたは数学AI ・物理、化学、生物から2科目 *数学及び理科2科目のうち、1科目はHL 4、2科目はSL 5またはHL 3 |
試験内容 | 書類審査(200点)・面接(30点) |
2023年度入試結果 | 志願者 7 合格者 3 |
【10月募集の概要】
入学時期 | 4月入学 |
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募集定員 | 2人 |
出願資格 | 2022年4月から2024年3月までにDP所得(見込み) |
出願要件 | ・IBスコア39点 ・日本語A(SL 4/HL 4)または日本語B(HL 6) ・数学AAまたは数学AI ・物理、化学、生物から2科目 *数学及び理科2科目のうち、1科目はHL 4、2科目はSL 5またはHL 3 |
試験内容 | 書類審査(200点)・面接(30点) |
2023年度入試結果 | 志願者 11 合格者 3 |
出願時期と入試スケジュールに関してですが、8月募集は出願から合格発表までの間隔が短く、8月上旬に出願、8月下旬に面接、9月上旬に合格発表となります。10月募集は少し間隔が長くなり、10月上旬に出願、12月上旬に面接と合格発表です。入試年度によって1〜2週間ほどスケジュールが変わることがあるので確認は必要ですが、これくらいの時期に出願が始まるんだ、という目安にはなるかと思います。
8月募集と10月募集のいずれも、数学に加えて理科2科目を選択している必要があり、履修科目を戦略的に検討することが重要です。また、univ-it!独自の調査では、国際バカロレア選抜の合格者の多くが40点以上を取得していました。選考対象がIBスコア39点以上とされているため、スコアに関する要件は厳しく見られているようです。配点も書類審査が200点、面接が30点の合計230点満点なので、IBスコアを含む出願書類の比重が大きいことも特徴になります。
『国際バカロレア選抜』8月募集と10月募集の違いは?
8月募集と10月募集の主な違いは出願資格にあります。8月募集ではその年の11月試験を受験するIB生の出願が認められないため、5月試験を受験する海外IB生と国内インター生が対象になります。11月試験を受験する一条校のIB生は10月募集にのみ応募可能となります。しかし、翌年の8月募集に浪人生として出願することは可能です。
8月募集は他の大学と比較しても早い時期に合否が発表されるため、出願可能な場合は8月募集に出願する傾向があります。また、8月募集より10月募集の方が出願者数が多く、倍率が高くなる傾向にあるため、可能であれば8月募集に出願する方が合格の可能性が高いかもしれません。
『面接』について、合格したIB生にインタビュー
募集要項には面接について具体的な案内がなく、『面接の結果及び書類審査を総合して行います』とだけ記載されています。ここでは、出願時の注意点や面接での質問内容に関して、『国際バカロレア選抜』の8月募集で医学部医学科に合格したIB生にインタビューしました。
Q:出願時はどういった書類を提出しましたか?いつ頃から準備しましたか?
A:出願時に志望動機や自己PRなどを含む自己推薦書、履歴書などを提出しました。8月募集を受験したので、IBの5月試験を終えてから出願までの1〜2ヶ月程度で書類の準備をしました。
Q:出願書類を準備する中で気をつけたことはありますか?
A:医学部や国内大学を志望する理由など、他大学とも共通している部分は基本的に同じ文章を使用し、学校の特色を考慮してマイナーチェンジさせながら記述するようにしました。また、岡山大学に進学した先輩に出願書類の添削をお願いし、アドバイスをもらいました。
Q:『面接』はどういった形式でしたか?どういったことを聞かれましたか?
A:面接は3人の面接官による個人面接で、部屋を変えながら3回行いました。それぞれ6分ずつで、3人の面接官はずっと同じでした。1番目の部屋では、主に自己推薦書に書かれたことについて、志望動機や興味のある分野などを聞かれました。ここは一般的な面接と変わりませんでした。
Q:『面接』の2番目、3番目の部屋はどのような内容でしたか?
A:2番目の部屋では、事前に図やグラフを含む資料に目を通し、面接中はそれらの内容についてのプレゼンと質疑応答がありました。資料を確認できるのは前の人が面接中の数分程度で、メモなどを取ることはできず、短時間で英語の資料に目を通し、日本語でまとめなければいけませんでした。テーマは年によって異なるようで、私のときは原子力発電についての資料でしたが、途上国の医療についての年もあったと聞きました。
3番目の部屋では、ロールプレイングをしました。面接官の1人が母親役になり、医学部生である私と親子という設定の中で、『学校で移植について勉強したみたいだけど…』という感じで医療倫理などについて聞かれました。そのため、口調もタメ口になり、親子の会話のようなやり取りの中で自分の考えを求められました。受験生ごとにテーマは様々なようで、ガン告知やコロナ禍のオリンピック開催について聞かれた人もいました。また、母親役の代わりに面接官が患者役になり、精神病の母親に対して医者としてどのように接するか、というロールプレイングをした話も聞きました。
このように、面接では志望動機などを端的に話せるように準備するだけでなく、与えられた資料や話題についても話せる必要があります。最近の医療に関する社会問題についてアンテナを張っておくと、2番目の資料の読み取り、3番目のロールプレイングでは質問に答えやすくなるかもしれません。ロールプレイングなど他の大学では見られない珍しい面接形式もあり、短時間で異なる形式の面接に対応していくことは大変ですが、面接形式の変更に惑わされずに、落ち着いて自分の考えを述べていくことが重要です。
最後に
岡山大学は以前からIB入試を実施しており、積極的にIB生を受け入れています。また、書類審査と面接のみで選考されるため負担も大きくなく、国内の医学部を志望するIB生にとって非常に人気があります。岡山大学に限らず、最近では国内の大学、特に国公立の医学部でもIB入試が増加しており、IB生にとっては受験しやすい大学の選択肢が増えています。Univ-it!を活用して、受験可能な大学を探し、様々な可能性を探ってみることをお勧めします。是非、自分の進路に合った大学を見つけてください!
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