帰国子女にもおススメ!世界に通じる研究者が育つ東北大学工学部
東京駅から1時間半ほど新幹線に乗り、仙台駅で仙台市営東西線の地下鉄に乗り換え、10分ほどの青葉山駅で下車。駅から出ると青々とした芝生、広い遊歩道、真新しい農学部の校舎が目の前に広がります。6月真っ只中のじめじめとした東京の空気とは相反し、東北大学工学部のある青葉山キャンパスの空気は、涼しく澄んでいて、肺に心地よいと感じるほどでした。
工学部の学生が3割を占めるという東北大学。理系の学部が強いというイメージが漠然とあるものの、工学部ならではの魅力や特徴がつかめていない方々も多いと思います。また、帰国子女受験でも理系の学部は文系の学部に比べ、対策をしなければならない科目が多いため不安に思う方も多いはず。
今回の取材では、工学部入試広報活動をされている中村肇先生に工学部の入試と魅力についてお話をうかがいました。
東北大学工学部には優秀な教授陣だけでなく、あらゆる研究をするために最先端の設備が整っています。研究に没頭し、将来自身が創造したものを世界で役立てたい、と思っている方に東北大学工学部の魅力を知って頂きたいと思います。
インタビューさせていただいた方
中村 肇 教授(東北大学)
東北大学大学院工学研究科 特任教授であり、工学部のものづくり基盤教育を担う「創造工学センター」の副センター長。東北大学工学部の入試広報活動、オープンキャンパス、東北大学サイエンスキャンパスの地域連携・社会連携に携わる。
東北大学工学部の魅力
ーずばり、東北大学工学部の魅力を教えてください。
進学して伸びる大学
東北大学は、朝日新聞出版調べの「進学して伸びた」ランキングで2015年まで8年間連続1位、2018年に再び1位を獲得しています。理由はたくさんあると思いますが、一つは東北大学は、質の高い教授陣が教えるだけでなく、優秀な生徒が刺激をし合い、切磋琢磨できる環境だからでしょう。学生同士プライベートだけでなく、夜中まで一緒に勉強をしている姿をよく見かけます。
また、東北大学工学部の教育は教室で勉強させることではなく、研究を世界トップの基準で学生自身が進め、そこから学ぶことです。大学はそのために必要な技術やノウハウを身に着け、ネットワークを開拓できる場です。イメージとしては大学1~3年で研究者・技術者の基盤となる基礎学問を学び、大学4年から大学院で研究を進めます。大学4年時には、海外で研究発表をする機会があります。海外で批評や意見をもらい、さらに研究を進めて論文を完成させる研究の一連のプロセスを経験することができるのです。その経験は、世界で戦える力を身に着け、自身を伸ばすためにとても役立ちます。
アクセスの良さ
仙台の街中に大学が位置しているので、どのキャンパスもアクセスがとても良いです。学生生活ではサークルなど工学部以外の学生と交流する機会がたくさんありますし、夜遅くまで勉強に励む事も多いので、アクセスの良さは学生達にとって便利に働いています。
東日本大震災の中心
アピールポイントではありませんが、東北大学は東日本大震災の中心にある大学だという意識を持っています。東北出身だという学生、そうではないけれど役に立ちたいという学生が多く在籍しています。その想いが研究のきっかけになっていることもあります。特に建築・土木の学科もありますので被災地で力になれますし、被災地にある大学としての使命だと思っています。(中村教授)
充実した研究設備
インタビュー後に中村先生に工学部をご案内頂きました。数多く並ぶ3Dプリンター、金属加工装置や最新のMアップルのPCなど最先端の設備が揃い、それらの使用が学生に許可されている事に驚きました。
また、それと同じくらい驚いたのは、設備の清潔さです。金属などが加工され、研究のための作業が行われているはずなのに、清掃が行き届いています。学生たちは使用後きちんと掃除をするよう義務付けられており、守られていることが見てわかります。設備の詳細は、こちらのURLをご覧ください。<https://www.ip.eng.tohoku.ac.jp/facility/machines.html>
東北大学工学部学生の特徴と進路
ー東北大学工学部に「合う」学生はどのような学生だと思いますか?
東北大学は他の大学に比べても研究が第一です。研究に漬かり、自分を伸ばしたいという方にお勧めの大学です。こんな研究をしたい、と研究意欲のある方が入りやすいように入試枠をたくさん用意しております。また、入学後のサポートもしています。反対に、大学は一つの通過点と考える方には、東北大学、特に工学部には向かないと考えています。
現在在籍している学生や卒業生は真面目な方が多く、研究者体質が多いです。地道に、そして真摯に研究に取り組むので、根気強くチャレンジ精神のある学生が育っています。(中村教授)
ー東北大学工学部を卒業後は、どのような道がありますか。
工学部で学士を取得した学生の9割は大学院へ進みます。そして修士課程を修了した学生の1割は博士課程まで進みます。
卒業後の道は研究者や技術者が多いです。来年世の中に出るような製品開発や、受注を受けてプログラムを書く仕事についている卒業生もいますが、我々のターゲットはそこではありません。例えば3年、5年、10年、20年先に世の中に出る製品はまだ誰も分かりませんが、そんな未知の領域を担う人材をメインで育てています。東北大学作の垂直磁気記録方式のハードディスクは良い例です。製品としてものになるまで、30年もかかっています。
就職先に関しては、たくさんの卒業生が築いてくれた信頼と評価がありますので、東北大学生、特に工学部はまったく心配がありません。実直な態度と真摯な姿勢が企業にも評価されていると感じています。(中村教授)
工学部帰国生徒入試
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入試の特徴
ー中村先生は工学部の入試広報をされていますが、東北大学工学部の入試の特徴を教えてください。
東北大学の入試の特徴は、大学が掲げている「門徒開放」があります。性別、国籍など多様な人材を求めておりますので、入試方式も多様になっています。帰国子女向けの帰国生入試はもちろんの事、IB生を対象とした国際バカロレア入試や日本では珍しい工学部の英語学位コース(IMAC-U)のグローバル入試もあります。
毎年オープンキャンパスは大々的に行われていますが、帰国時期が合わず来られない方には、個別に対応をしております。キャンパスツアーで実際に教授や学生たちを見てもらい、東北大学を気に入って、受験をしてほしいと思っています。(中村教授)
ー入試対策においてアドバイスはありますか?
東北大学の入試は学力重視なので、しっかり勉強をしてきてほしいです。特殊な勉強やテクニックを身に着けるというよりは、高校で学んでいることをしっかり学んできてください。学んだことを見るために、我々も入試をきちんと作っています。高校の先生を特任教授に迎えて試験問題を作っているほどです。試験はただ解くというよりは、しっかり考えて解いていただく内容になっています。
学力の他に、東北大学で何を学びたいのか、研究者になるため、また将来社会の発展のためどのように貢献をしたいのかという熱意と好奇心を面接で判断しています。(中村教授)
帰国生入試
ー帰国生入試についてもう少し詳しく教えてください。
帰国生入試は筆記試験、面接とセンター試験を総合して判断しています。センター試験は学力チェックのために課されていますが、来年以降はセンター試験がなくなります。今後どう学力試験になるか現時点ではわかりませんが、公平な条件で試験を受けられるよう配慮しますので、帰国生に不利になるということはありません。
また、募集人数に若干名と書いてありますが、若干名は1、2人を指しているわけではありません。定員はありますが、優秀な方が受験されれば、学部内で調整をし少し多めにとるという事ができます。ですので、募集人数が若干名と見ただけですごくハードルが高いと思わないください。(中村教授)
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いかがでしたでしょうか。工学の勉強に没頭し、世界トップレベルの研究を日本で行いたい、世の中のためになるものを開発したい、と意欲のある方、ぜひ東北大学を選択肢の一つとして考えてみてください。仲間同士が切磋琢磨し、お互いを高め合える環境と、知識や技術を身に着ける手助けをしてくれる教授陣が東北大学には揃っています。
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