【IBスコアが低くても海外大学にいける】ファウンデーションコースってなに?
イギリスの各大学は、合格の目安となる成績をホームページで公表しています。獲得した成績(例:IB、A-Levels、IELTS)が目安に達していない場合、出願をしても合格をすることは非常に難しいです。しかし、ファウンデーションコースを経由することで、獲得した成績が目安に達していなくても大学に進学が可能です。この記事では、そんな留学を簡単にするファウンデーションコースの基礎知識をお伝えします。
ファウンデーションコースとは?
ファウンデーションコースは、海外大学入学に向けて必要な学力を身につけることができる進学準備コースです。海外大学から不合格を受けても、より合格条件が低いファウンデーションコースに入学をすることで、コース修了後(一般的に1年後)に志望大学に進学ができます。このシステムを活用することで、IB受験者は様々なイギリス大学に留学が可能です。しかし、全てのイギリス大学がこの進学方法を受け付けている訳ではありません。また、全学部にファウンデーションコースがある訳でもなく、学ぶ内容が豊富な医学部などでは提供されていないことが多いです。コースはイギリス国内以外にも、アイルランドや日本などでも受講可能な場合があります。
大きく分けると、大学併設型ファウンデーションコースと、ファウンデーションコース専門学校の2種類があります。大学併設型コースは大学が運営しており、コースを通して規定の成績を維持することができれば、その大学に進学が確定します。従って、進学したい大学が決まっている方におすすめです。コース専門学校は教育センターが運営しており、コース内で獲得した成績に応じて進学できる大学が変わります。従って、第一志望が決まっておらず、進学先に選択肢が欲しい方におすすめです。
主な大学併設型ファウンデーションコース
大学が運営しているファウンデーションコースを5つご紹介します。情報は変更することがあります。最新の情報はご自身で大学の公式ページからご確認ください。また、ファウンデーションコースにIB Diploma生を受け付けていない大学(WarwickやUCLなど)も存在します。今回は、IB生を受け付けている大学のみ5つご紹介します。
1. University of Manchester
QS World University Rankings 2024 | 世界:32位 イギリス国内:6位 |
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実施している学科 | 航空工学、環境化学、物理、数学、コンピュータサイエンスなど 他の学科名はこちらから:リンク |
入学条件/IBスコア | 航空工学 – Over all 32点、3つ全てのHLで5点以上 – Math AA/AIもしくはPhysicsをHLで履修 – Math AA/AIをSLで履修した場合、6点以上が必要 *一般受験だとOver all 37点以上 – 環境化学 – Over all 32点、3つ全てのHLで5点以上 – Math AA/AIもしくはPhysicsもしくはChemistryをHLで履修 – Math AA/AIをSLで履修した場合、6点以上が必要 *一般受験だとOver all 34点以上 – 物理 – IB33点、1つのHLで6点以上、2つのHLで5点以上 – Math AA/AIもしくはPhysicsをHLで履修 – Math AA/AIをSLで履修した場合、6点以上が必要 *一般受験だとOver all 38点以上 – コンピュータサイエンス – IB35点、2つのHLで6点以上、1つのHLで5点以上 – Math AA/AIもしくはPhysicsをHLで履修 – Math AA/AIをSLで履修した場合、6点以上が必要 *一般受験だとOver all 39点以上 – 他の学科の詳細はこちらから:リンク |
英語試験の条件 | IELTS:全体で6.0点以上、全ての項目で5.5点以上 |
費用 | £24,000 |
期間 | 1年 |
開催場所 | マンチェスター、イギリス |
入学時期 | 9月23日 |
出願方法 | UCAS |
出願期限 | 1月31日* *コースによって異なる場合がございます、詳細はUCASでご確認ください |
奨学金制度 | 日本人は無し |
*2024年の9月入学の場合
2. Kings College London
QS World University Rankings 2024 | 世界:40位 イギリス国内:7位 |
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実施している学科 | 電気電子工学、化学、古代史、経済学、数学など 他の学科名はこちらから:リンク |
入学条件/IBスコア | エンジニアリング(電気電子工学、医用生体工学など) – IB 32点、3つ全てのHLで5点以上 – Math HLで5点以上もしくはSLで5点以上 *一般受験だと大体Over all 35点以上 – 化学と生物系(薬学、医学療法学、看護など) – IB 32点、3つ全てのHLで5点以上 – Chemistry HLで5点以上もしくはSLで5点以上 – Biology HLで5点以上もしくはSLで5点以上 *一般受験だと大体Over all 35点以上 – 経済系(経済学、マネジメントなど) – IBでは出願不可 – 一般教養系(古代史、地理学、英語学、社会科学など) – IB 32点、3つ全てのHLで5点以上 *一般受験だと大体Over all 35点以上 – 他の学科の詳細はこちらから:リンク |
英語試験の条件 | 普通コース – IELTS:全体で6.0点以上、全ての項目で5.5点以上 – TOEFL:全体で80点以上、全ての項目で20点以上 – Extendedコース – IELTS:全体で5.5点以上、全ての項目で5.0点以上 – TOEFL:全体で72点以上、speakingとwritingで17点以上、listeningとreadingで15点以上 |
費用 | 普通コース:£24,800 Extendedコース:£28,700 |
期間 | 普通コース:1年 Extendedコース:1年間+5週間(英語を学ぶため) |
開催場所 | ロンドン、イギリス |
入学時期 | 普通コース:9月23日 Extendedコース:8月12日 |
出願方法 | King’s College Londonの特設出願サイト 登録はこちらから:リンク |
優先的な出願期限 | 2月29日まで |
最終的な出願期限 | 優先的な出願期限を過ぎても、コースに空きがあれば以下の期限まで出願可能です。 普通コース:6月30日まで Extendedコース:7月28日まで |
奨学金制度 | あり 詳細はこちらから:リンク |
*2024年の9月入学の場合
3. University of Leeds
ビジネスやエンジニアリングで有名なUniversity of Leedsもファウンデーションコースを提供しています。佳子内親王殿下が短期ご留学されていた大学でもあり、研究・教育環境が非常に整っています。エンジニア、科学、経済、看護など、様々な分野のファウンデーションコースを受講可能です。IBの条件も26点ほどなので、大学学部に直接入学をするよりも比較的簡単な条件となっています。
詳細はこちらから:リンク
4. Durham University
法学や文学で有名なDurham Universityもファウンデーションコースを提供しています。自然に囲まれた大きなキャンパスには、留学生が多数在籍しています。エンジニア、経済、科学、一般教養などの分野でファウンデーションコースを受講可能です。Durham Universityのファウンデーションコースも、IBの条件は26点ほどです。
詳細はこちらから:リンク
ファウンデーションコース専門学校
NCUK International Foundation Year(INY)とは
世界中にあるファウンデーションコース専門学校のほとんどが、「NCUK Internatioanl Foudation Year (IFY)」コースを提供しています。このコースを一定以上の成績で修了すると、NCUK(英国大学連盟)に加盟している大学に進学が保証されます。修了時の成績に応じて、進学できる大学の選択肢が決まるシステムです。従って、低い成績でコースを終えてしまうと、進学できるNCUK加盟大学が絞られてしまいます。
NCUK INYでは、大学で学びたい学部に応じて以下の科目リストから3つの学問科目を選択します。選択する科目によって、コース修了時に進学できる大学学部が決まります。各ファウンデーション専門学校によって提供されている科目が違うため、ご自身が進学したい学部に関する科目を学べる専門学校を見つける必要があります。また、3科目に加えて学術目的英語モジュールも学ぶ必要があるため、ハードな勉強スケジュールになります。
ビジネスのための数学、エンジニアリングのための数学、科学のための数学、さらなる数学、生物学、化学、物理学、実務研修、コンピュータサイエンス、Economics、グローバルスタディ、社会学、アートとデザイン
NCUK(英国大学連盟)に加盟している主な大学リスト
NCUKには、イギリスだけでなく、アメリカとオーストラリアの大学も加盟しています。
(引用元:NCUK公式サイト)
専門学校を3つご紹介
NUCK INYを提供しているコース専門学校を3つご紹介します。情報は変更することがあります。最新の情報はご自身で公式ページからご確認ください。
1. INTO
2005年に設立されたINTOは、留学生を対象に海外大学進学サポート事業を行っている会社です。NCUK IFYコース以外にも、A-LevelコースやInternational Year Oneコースなどを提供しています。選択するコースによって、期間や、値段や、修了認定の条件が違い、修了後に出願可能な大学も変わります。先ほどご説明した通り、NCUK IFYコースの場合は、修了後にNCUK加盟大学に出願ができます。それに比べ、A-Levelコースの場合は期間が長くなりますが、修了後はNCUKに加盟していないケンブリッジ大学やオックスフォード大学などにも出願可能です。さらに、International Year Oneコースの場合は、修了後にエクセター大学やニューキャッスル大学の2年次に編入できます。
INTOはロンドン、マンチェスター、スコットランドなど、様々な場所で受講できます。どのコースにも書類審査があり、高校や英語試験などの成績を提出する必要があります。費用は、実施場所や、コース内容によって変わります。イギリスの大学学部に進学を考えている方は、学部に入学をする前にイギリスでの生活に慣れることができるのでおすすめです。INTO経由でイギリスの大学に入学した日本人もたくさんいます。
詳細はこちらから:リンク
2. beoカレッジ
日本国内で唯一NCUK IFYプログラムを提供している留学エージェントです。卒業後は、NCUKに加盟している大学に出願可能です。コースの期間は、日本の高校が終わる4月からイギリスの大学が始まる9月までの、たったの5ヶ月間です。審査方法としては、書類審査や面接やライティングテストがあります。費用は178万円(教材費や入学金込)と高額ですが、新宿校と大阪校があるので、実家から通うことができれば生活費を抑えることができます。
ビジネスに関する授業科目ばかりを提供しているので、ビジネスに関する大学学部に進学したい方におすすめです。実際にbeoカレッジを通じて進学できる大学や学部の詳細は、beo株式会社に直接問い合わせて確認することをお勧めします。
IELTS 5.5相当の英語力をお持ちでない方は、11月より開講する「Pre-IFY」を受講する必要があります。期間が長くなる分、費用も高くなります。
詳細はこちらから:リンク
3. DIFC
ダブリンというアイルランドの首都で、NCUK Internatioanl Foudation Year (IFY)プログラムを受講することができます。卒業後は、NCUKに加盟している大学に出願可能です。イギリスで受講するよりも生活費を抑えることができます。アイルランドは、自然が多く歴史も深い国です。また、日本人留学生も少ないので、新しい環境で留学に挑戦してみたい方におすすめです。コースに入学する際には書類審査があり、高校や英語試験などの成績が必要です。beoカレッジとは違い、ビジネス以外にも幅広い科目を受講できるので、卒業後はエンジニアや科学系の学部に進学もできます。
詳細はこちらから:リンク
まとめ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。この記事を読んだ皆さんが、ファウンデーションコースに関して理解を深めていただけていれば幸いです。ファウンデーションコースは海外留学をより身近なものに感じさせる準備期間コースです。種類も豊富ですので、皆さんに合ったコースをご選択ください。