【2025年度版】受験体験談!筑波大学国際バカロレア特別入試について紹介!

筑波大学は全ての学群・学類(学部・学科の名称)でIB入試が実施されているため、受験を考えているIB生も多いのではないでしょうか?しかし、いざ出願しようと思うと

『IBを使って筑波大学を受験したいけど、何をしたらいいのだろう?』

『筑波大学のIB入試って本当に合格できるの?』

このような悩みを持たれる方も多いと思います。

そこで今回は皆さんの不安を少しでも解消するため、筑波大学の国際バカロレア特別入試について解説させていただきます!後半では実際にIB入試で筑波大学へ合格した現役筑波大生へのインタビューも載せてあるので、ぜひ読んでみてください。

国際バカロレア特別入試について

筑波大学の国際バカロレア特別入試(以下IB入試)は令和4年度から1年に2度、IBDPをすでに取得した人に限定した7月募集IBDP取得見込みも含めた10月募集にわかれて行われています。10月募集は全ての学群・学類を対象に実施されますが、7月募集は人間学群と医学群医学類のみで行われていますのでお気をつけください。

7月募集

実施時期 令和6年(2024年)7、8月
入学時期 令和7年(2025年)4月
出願資格 IBディプロマ取得者(取得見込み者は出願できません)
実施する学群・学類 人間学群(教育学類,心理学類,障害科学類)、医学群(医学類)
選考方法 書類審査及び面接・口述試験による選考
募集定員 人間学群(教育学類、障害科学類):若干名
人間学群(心理学類):1名
医学群(医学類):3名
募集要項 募集要項はこちら

10月募集

実施時期 令和6年(2024年)10、11月
入学時期 令和7年(2025年)4月
出願資格 IBディプロマ取得者及び取得見込み者
実施する学群・学類 全ての学群・学類
選考方法 ①書類審査及び面接・口述試験による選考
社会・国際学群(社会学類,国際総合学類)、情報学群(情報メディア創成学類,知識情報・図書館学類)、医学群(看護学類)
②書類審査,面接・口述試験及び小論文による選考
人文・文化学群(人文学類,比較文化学類,日本語・日本文化学類)、人間学群(教育学類,心理学類,障害科学類)、生命環境学群(生物学類,生物資源学類,地球学類)、理工学群(数学類,物理学類,化学類,応用理工学類,工学システム学類,社会工学類)、情報学群(情報科学類)、医学群(医学類,医療科学類)
③書類審査,面接・口述試験及び実技検査による選考
体育専門学群、芸術専門学群
募集定員 全学群・学類、若干名
募集要項 募集要項はこちら

出願要件

筑波大学のIB入試ではスコアの最低条件は課されてません。しかし、後述のインタビューに応じた現役筑波大生によると、おおよそ合格ラインは35点が目処だと考えられています。また受験資格として、各学群・学類でHLを必須とする科目、または推奨する科目が決められています。IB入試を検討する際には、興味を持つ学群・学類に必要な科目を選択しているかどうか確認することが必要です。まだIBDPを始めていない方は、興味を持つ学群・学類を受験するために必要な科目を確認しておくといいでしょう。傾向として、文系はGroup 3の社会系科目理系はGroup 4の理科系科目やGroup 5の数学でHLが必須とされていることが多いです。

入試の詳細

実際、筑波大学IB入試はどのように進んでいくのでしょうか。

スケジュール

筑波大学IB入試の全体的な流れとしては、以下の通りです。ここでは、令和7年度10月募集の日程を紹介しておきます。7月募集も大まかな流れは変わりませんが、詳しい日程はそれぞれの募集要項をご確認ください。

出願書類

出願書類として、エントリーシート (志望理由書)、EEの写しおよびEEの要約、TOKやCASに関するレポートを提出する必要があります。また、オプションとして民間英語試験の成績(TOEFL、IELTS、英検等)やIBDP内外で行った活動報告書を提出することが可能です。

現役筑波大生へインタビュー!

募集要項を何度確認しても、どのような感じなのかイマイチよくわからないこともありますよね。そこで今回はより詳しくIB入試について知るために、現在筑波大学へ通っている元IB生のみみさんへインタビューを行いました!やはり、実際に受験した人にしかわからないこともあると思いますので、参考にしていただくと嬉しいです。

みみさんの紹介

所属大学 筑波大学
所属学群・学類 芸術専門学群
出身高校の区分 国内一条校
Final Exam Nov 2022(2022年11月)
IBスコア 39
IBの科目 HL: Japanese A, Visual Arts, History
SL: English B, Math AA, Biology
EEのテーマ
(科目:History)
1930年代から1940年代初頭における日本ファシズムと横山大観に関する考察
ー横山大観の偉業を添えてー
現在学んでいること 美術史

進路の選び方について

Q: みみさんが進学先として筑波大学を選んだ理由を教えてください

A:筑波大学には美術史専門のコースがあり、私が興味を持つ研究範囲の先生もいらっしゃったので、進学先に決めました。学費が安いことに加えて、都心まで電車で約60分という立地の良さが魅力的です。また、美術大学と比べて教養科目の数が多いため、芸術に限らず幅広く学ぶことができると実感しています。

Q: 筑波大学の他にどの大学を受験しましたか?

A:以下の大学を受験しました

第一志望 筑波大学 芸術専門学群
第二志望 東京学芸大学 B類芸術コース
第三志望 北海道大学 総合文系
第四志望 岡山大学 文学部人文学科
第五志望 鹿児島大学

私が志望順位を決める際に重視したことは、中学・高校美術教員免許が取得可能であること、美術史の専門的な探究を行えること、学際的な学びが可能なことです。それらを基準にして、志望校とその順位を定めました。

 IB生活について

Q: IBDPを通して、筑波大学進学に向けて工夫したことは何ですか?

A:IBDPを通して重要だと実感したのは3つです。
1つ目はタイムマネジメントです。IAやEE、TOKなどIBでは多くの課題が出されます。課題に躓いたり、提出期限ギリギリになって焦ったりしないためにも、ポートフォリオやレポート系は可能な限り早めかつ計画的にテーマ決定を行い、資料収集を開始することをおすすめします。
2つ目は目標設定です。特に得意教科を1つ見つけることが大切だと思います。私の場合、得意教科が勉強のモチベーションを保ってくれました。得意教科では7点取ることを目指して勉強しましょう。実際の試験では目標より1点下回ることが多いです。
3つ目は人間関係で、これが一番重要だと実感しています。IBにおいてクラスメイトとは互いに切磋琢磨し、助け合える関係が築けると頼もしいと感じます。お互いの課題を読み合ってアドバイスしあったり、試験前に皆で意見を出し合いながら振り返りを行ったり、IBを乗り切るためには協力が必要です。また、先生と良い関係を築くことでアドバイスや情報を得やすくなります。自身が何をしたいのか、何に興味を持っているのかを日頃から話しておくことで、先生から気にかけてもらうことができ、有力な文献やアイディアをもらうことができます。先生と面談できる時間はIBの規定だと少ないですが、雑談として様々な話を聞くことが大切です。

Q: IBDPを通して取り組んで良かった活動はありますか?

A:入試においては論述試験よりも、IBのスコアや課外活動が評価されたと感じています。特にCAS活動として様々なアクティビティに挑戦していると、それが入試の場で自身のアピールポイントになります。私の場合、校内のEnglish Speech Contestに出場して実績を残し、入試にも影響しました。また、ただ参加するのではなく課外活動を通して自身が何を学び、どう成長したのかについて考えることも大切です。幾つか自身の強みにつながる活動に取り組むことは高校生活の充実にも繋がりますし、自身の進路を模索する手掛かりにもなります。

入試について

Q: エントリーシート(志望理由書)を書く際に実践したことはありますか?

A:筑波大学は特に決められた形式がないので、私は先輩の例を参考にさせていただきました。もし、志望大学に行った先輩がいるのなら例として見せてもらうべきだと思います。先輩のものを参考にした上で、自分自身の意見や言葉を書くことが重要です。また、その大学にしかない魅力を自身の経験や動機と重ねながら述べるように心がけました。

Q: 面接ではどのようなことを聞かれましたか?対策はありますか?

A:多く聞かれた順に、志望動機、プロセスポートフォリオ、EEの順番でした。まず志望動機として、芸術の分野で具体的に何を学びたいのかとその理由について詳しく尋ねられました。プロセスポートフォリオはVisual Artsの一環として行うものですが、これについて2、3箇所の突っ込んだ質問を受けました。EEについてはテーマ決定の理由について尋ねられ、私の場合だとなぜ横山大観を選んだのかということに重点を置いた質問でした。
面接を乗り切るコツは「泣かない、ヘタレない、楽しむ」です。面接はその分野の権威の先生と会話ができる良い機会だと捉え、誤魔化さずに素直な受け答えをしましょう。ただし、会話をするには知識が必要です。日頃から興味を持つ分野に関する本を多く読むことで知識を蓄えるとかなり役立ちます。反対にやめておいた方が良いことは先生へのアピールです。私は入学後に知りましたが、「この先生がいるので貴学への進学を希望します」は案外印象に残らないのでおすすめしません。

Q: その他に実施された試験はありましたか?コツはありますか?

A:私の場合、論述試験がありました。直前の対策も大切ですが、それまでのIB生活で培った知識の積み重ねが重要だと思います。そのため、やはり先輩や先生から推奨された本を読むことや普段から課題を丁寧にこなすこと、その分野の時事ニュースを確認する習慣を身につけることが試験対策になるのではないでしょうか。また、学びたい分野での小論文の書き方は知っておくべきです。文系や理系でも科目によって論述における着眼点は異なります。私は美術関連の書籍や展覧会のDescriptionを参考に書き方を真似ることで、美術における小論文の書き方を学びました。

大学生活について

Q: 大学入学に向けて準備していたことはありますか?

A:どの大学でもまず、入学金の振り込みは忘れないようにしましょう。生活面では家探しや洋服を揃えておくことが大切です。大学生になると私服での登校になるので、洋服のレパートリーを増やしておくと服選びに困りません。また、筑波大学は体育が必修科目です。そのため、体育で着れる洋服も揃えておくといいでしょう。

Q: 入学後、IBの学習方法が役に立っていると思う点・苦労した点はありますか?

A:苦労した点はデッサンなどの実技の経験がなかったため、技術が他の学生と比べて乏しいと感じることです。役に立った点は論述のやりやすさです。IB生はIBを通して論述の基礎を学ぶので、他の人と比べてテーマの決め方や構成の仕方、書き方などのベースがすでに出来上がった状態です。大学でレポートを作成する際には、IBで学んだことを土台に、より発展した自身の意見を言葉にするための工夫を行うことが容易に感じました。

筑波大学へ進学希望のIB生へ

Q: 大学進学前に知りたかった情報を教えてください

A教職や学芸員などの資格は後からでも取り消すことが可能なので、迷いがあるなら取っておいたほうが後悔なく過ごせます。また、進学した学部が思っていたものと違った、もしくは他の学部へ興味を持った際、学生は転入届を出すことができます。しかしそれには高成績であることが必要なので、少なくとも最初のうちは成績を可能な限り維持することも重要だと思います。

Q: どのような人に筑波大学をおすすめしたいですか?

A:筑波は研究の町です。大学卒業後は多くの学生が大学院へ進学します。そのため、筑波大学は学芸員・研究者・先生になりたい人向けの大学だと実感しています。反対に、大学卒業後すぐの就職を考えている人にはあまりおすすめできません。また、筑波大学は地方に位置しているので、コミュニティが狭いことも特徴です。人との関係が深まりやすいので、そのような環境に身を置きたい人にもおすすめしたいです。

Q: 筑波大学へ進学したいIB生へ、アドバイスをお願いします!

AIB1年目の方は課外活動に積極的に取り組むことをおすすめします。IB2年目の方は入試において今の自分にある最大限を引き出すことを意識してください。あまり考え込みすぎず、楽しみながら取り組みましょう!また、IB入試の関門は狭いので落ちてもあまり気にしない方がいいです。すぐに気持ちを切り替えましょう!

最後に

今回は筑波大学の国際バカロレア特別入試について解説させていただきました。

国内で受ける大学に悩んでいるIB生の皆さん、ぜひ筑波大学を候補の一つに入れてはどうでしょうか。興味を持たれた方は筑波大学、もしくはそれぞれの学群のホームページをご覧ください。

このようにUniv-it!ではIB生のためになる、受験等の情報を多く提供しています。その他にも国内IB入試実施大学の検索機能なども無料でご利用になれます。是非会員登録してみてください!

筑波大学

入試名称:
国際バカロレア特別入試
実施学部:
全ての学群・学類