海外大学志望者必見!ケンブリッジ大学紹介及び在学生インタビュー!
「イギリスの大学に進学したいけど、どこの大学がいいのかわからない」
「海外大学に理系で進学したいけど、どこがいいのかわからない」
このような悩みをお持ちのIB生も多いのではないかと思います。そこで今回は、世界的な名門校でもあるケンブリッジ大学(University of Cambridge)について紹介したいと思います。また、IB出身の在学生にもインタビューしているので、ぜひ参考にしてみてください。
ケンブリッジ大学ってどんな大学?
ケンブリッジ大学はイギリスの総合大学で、ロンドンから北に約100km、電車で1時間ほどの距離に位置しています。また、オックスフォード大学と合わせてオックスブリッジ(Oxbridge)と呼ばれることもあり、ハーバード大学やスタンフォード大学といったアメリカのトップスクールと並ぶ評価を受けています。文系、理系共に高い評価を受けており、どの分野を選んでも常に世界ランキングの上位に位置しています。そのため、留学生からの人気も非常に高く、合格に必要なIBスコアなども一段階高くなっています。
また、オックスフォード大学とケンブリッジ大学では伝統的にカレッジ制が採用されているため、一般的な大学のイメージとは少し異なります。これらの大学では、講義形式の集団授業とは別に、教員と1対1、もしくは少人数での定期的な個人指導があり、在籍するカレッジの中で行われます。この個人指導はオックスフォード大学ではチュートリアル、ケンブリッジ大学ではスーパービジョンと呼ばれ、履修している授業に関係する題材でエッセイを書き、提出したエッセイをもとに教員とディスカッションをするというものです。アメリカにもTAによるディスカッションはありますが、ここまで徹底したカレッジごとの個別指導はオックスブリッジの特徴です。
ケンブリッジ大学についての基本情報
QS世界ランキング2024 | 2位 |
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学生数(うち学部生数) | 24000人(13000人) |
人気学部 | Faculty of Arts and Humanities, Faculty of Medical Sciences |
EU圏外出身者の割合(学部生のみ) | 25%(15%) |
必要IBスコア(目安) | 40-42 |
ケンブリッジ大学の出願方法
IB資格を取得した場合、イギリスの大学への出願はUCASというオンラインプラットフォームを使用します。このプラットフォームでは最大5コースまで出願できるため(医学部、歯学部、獣医学部は4コースまで)、大学ごとに出願手続きをする必要がなく、一括して管理することができるため大変便利です。また、2022/23年の出願スケジュールを参考にすると、出願からオファーまでの流れは以下のようになります。年によって多少の前後はありますが、秋〜冬にかけて出願、春にオファーと進学先決定、というのが基本的なスケジュールです。
しかし、ケンブリッジ大学に出願する場合は注意が必要です。オックスブリッジは10月中旬に締切が設定されているため、必要書類や英語スコアなども夏の間に準備しておく必要があります。イギリスの多くの大学と異なり、オックスブリッジの2校では面接が実施されるため、選考に時間がかかることもあり締切が早めに設定されています。
UCASで出願する場合には、以下の書類を提出する必要があります。
- 志望理由書(Personal Statement)
- 成績証明書
- IELTSなどの英語資格試験
- 学校の先生からの推薦状
- 卒業証明書
UCASは一度に多くの大学に出願することのできるシステムですが、登録時に出願する大学とコースも選択することになります。そのため、事前に自分の志望する大学の条件を調べておき、必要な書類などを準備することが大切になります。特に、イギリスの大学ではコース別にIBスコア、IELTSの点数の最低基準が設けられており、同じ分野でも条件が異なることがあるため注意が必要です。特に、ケンブリッジ大学ではカレッジ制が採用されているため、同じコースでもカレッジによって基準が少しずつ異なります。
例えば、2025年入学のPsychological and Behavioural Sciences, BA (Hons)では、以下のようにIBスコアだけでなく理系科目に関する要件もあります。コースによって科目要件がなかったり、HL3科目全てで7を求めるカレッジがあったりするため、興味のあるコースやカレッジがある場合は要注意です。
IBスコア | 41-42点、及びHL3科目で20点以上 |
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科目要件 | 数学また生物をHLで履修し、成績は7 *通常は数学AAまたは物理が求められるが、場合によっては数学AIでも出願可能 |
英語要件 | IELTS 7.5以上、かつ各項目7.0以上 |
また、UCASでは学校の先生などから推薦状を書いてもらう必要もあります。EEの担当教員やHLの先生など、自分のことをよく知っている先生に事前にお願いすることが多いですが、課外活動などがアピールポイントになる場合は、その関係者に推薦状を書いてもらう場合もあります。推薦状をお願いする先生に課外活動について事前に説明しておき、その内容を盛り込んでもらうことも有効です。
ケンブリッジ生へのインタビュー!
今回は現役ケンブリッジ生のAさんにインタビューし、普段の生活や勉強の様子などを聞いてみました。是非参考にしてみて下さい。
Aさんの経歴について
Q:Aさんについて教えてください。
A:ケンブリッジ大学でEducation, Policy and International Developmentを勉強しています。教育学部ですが、学際的に政策や国際開発の観点から教育学について考える専攻になります。今は3年制のプログラムの3年目です。中学校は日本の学校に通っていましたが、高校から海外インターに進学し、IBDPを取得しました。
Q:IBDPの選択科目と点数を教えてください。
A:HLで Math AA、Philosophy、Biologyの3科目を選択しました。SLはEnglish B、Japanese A、第3外国語を選択しました。Overall Scoreは42点でした。
進路の選び方について
Q:海外の大学に進学した理由を教えてください。
A:高校進学前から大学では教育学部に入学したいと考えていました。日本の教育学部とは少し異なり、海外では教員養成を目的としていない教育学部が多いと感じました。具体的には、国の教育制度や政策について考えることができる環境が整っている印象でした。その中でも、最先端の教えを学ぶことができるのがイギリスの大学だと感じました。
Q:数ある大学の中でケンブリッジ大学を選んだ理由はなんですか?また、他にはどういった大学を考えていましたか?
A:アメリカ、イギリスやヨーロッパの大学などを視野に入れていました。しかし、アメリカではリベラルアーツ教育の大学も多く、メジャーを一つ定めて学ぶことが難しいのではないかと感じました。また、教育学部があるというより、社会学部のマイナーとして教育学を選択することが主流に感じたので、入学時からメジャーとして教育学を選ぶことができるイギリスの大学に決めました。
ケンブリッジ大学を選んだ理由としては、世界トップレベルの教育が受けれられるということだけでなく、政策や国際開発といった観点から教育学を学ぶことができるため、マクロな視点から教育学を考えることができると感じたからです。また、イギリスの大学に絞ってからは、ケンブリッジ大学の他に、UCLやマンチェスター大学の人文系の学部も併願していました。
出願と選考について
Q:どのようにケンブリッジ大学に出願したか教えてください。
A:イギリスの大学に絞った時点で、UCASでは教育学部での進学のみを考えていました。かなりスケジュールが立て込んでいたので、ケンブリッジ大学の締め切りの一週間前に友達に添削をお願いして、エッセイを提出しました。UCASでの出願の他に、SAQ(Supplementary Application Questionnaire)と呼ばれる1200語のエッセイの提出も求められました。しかし、イギリスの大学は質問の内容や求められるものが決まっているため、準備にそこまで時間をかける必要がないのかなと感じました。出願してからはインタビューの案内が11月末にきて、1時間の面接を2回ほど12月に行いました。
※UCASが複数の出願先全てに共有されるエッセイ(Personal Statement)なのに対し、ケンブリッジは自分のところに特化した志望動機を聞くためにSAQを実施している。本当か嘘か、ネット上ではそれほど重要でないようなことが書かれている。
Q:インタビューの内容はどのようなものでしたか?
A:学部にもよると思いますが、私の場合は普通の面接に加えて、事前に準備されたテーマに対して30分でエッセイを書くというものでした。UCASに書いた内容についても深掘りされましたが、事前準備が難しい哲学的要素が含まれた質問などもありました。自分が言ったことに対して教授が深掘りしてくるので、そこでの対応力や柔軟性が見られていると感じました。
イギリスでの大学生活について
Q:入学してから、学業面で大変だったことはありますか?
A:大きく分けて3つあります。1つ目は自学自習がイギリスの大学には多いと感じました。例えば、授業の前に事前リーディングを行い、授業ではその内容について議論する内容が多かったです。これらの授業では自分がどれだけインプットするかによって変わってくるので、 自分でしっかりと勉強することで力がついていく環境だと感じました。2つ目は、スケジュールの忙しさです。ケンブリッジ大学では、supervisionと呼ばれる1対1の授業のようなものがあります。これらの授業では事前にテーマが出題され、それに対してエッセイを書いて添削をしてもらいます。多い時には1つの単元に対して5回もエッセイの提出がありました。3つ目は学部内でのランキングが毎回掲載される点です。他の人に自分の成績が見えてしまうことが精神的にプレッシャーになり、かなりきついと感じました。
Q:学業面以外(生活の中)で大変だったことはなんですか?
A:日照時間が短かった点です。冬となるとすぐに暗くなってしまうので眠さとの闘いでした。また、学食がポテトばかりであまりおいしくないことも難点です。学業が忙しく中々自炊ができずスーパーで購入したものを食べているのですが、その際に物価が上がっていて毎回の食事代が高くついてしまうことにも苦労しています。
進学準備について
Q:大学進学前に知っておきたかった情報はありますか?
A:ケンブリッジ大学に入ってからは、学内のカレッジ制度がとても大切だと感じました。カレッジとは簡単に言えばハリーポッターの寮のようなもので、それぞれのカレッジに志望した学生が所属する制度となっています。入学当初はカレッジの重要さに気づかず応募をしてしまいましたが、実際入学してみるとカレッジごとに奨学金の受給額などが変化することを知りました。カレッジはアプリケーションの初期段階で決めるので、この点について十分にリサーチしてからカレッジに出願することが重要です。
IB生へのアドバイス
Q:最後にケンブリッジ大学に進学を考えているIB生にアドバイスをお願いします。
A:学部や大学を選ぶとき、多くの方は名声がある著名な大学を選ぶ傾向にあると思います。しかし、何よりも大切なことは、自分が本当にやりたいことを考えて大学に出願、進学することです。大学に入学した後はどうやっても自分の専攻について勉強することになるので、大学に入学してから後悔しないためにも、自分の興味のあることを専攻として勉強できることが一番大切だと思います。そのことを踏まえた上で、自分の志望校に向かって今の勉強を頑張ってください。
最後に
今回のケンブリッジ大学の紹介記事はいかがだったでしょうか。海外大学志望の方は志望校を絞るのは大変だとは思いますが、参考にしてみてください!是非皆さんのドリームスクールをさがしてみてください!
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