【IB生体験談】福島県立医科大学 医学部を海外教育プログラム選抜で受験したMさんの受験体験談
福島県立医科大学 医学部の海外教育プログラム選抜は、出願条件にIBスコアが定められていないことに加えて共通テストの受験も不要であるため、他の医学部に比べて出願のハードルが低いことが特徴です。今回は、そんな福島県立医科大学の医学部に海外教育プログラム選抜を利用して合格したIB修了生の受験体験談を紹介します!
海外教育プログラム選抜とは?
海外教育プログラム選抜とは、名前の通り、IBをはじめとする海外の教育プログラムを受けた帰国生及び私費外国人留学生を対象とした入試制度です。海外の高校を卒業した人を対象としているので、海外の現地校でIBを取得した場合のみ出願できます。募集定員は若干名ですが、比較的少ないライバルの中で競うこととなります。入試にあたって大学入学共通テストが課されないこともIB生にとって大きな魅力のひとつです。
実施時期 | 2024年10月 (2024年度の場合) |
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入学時期 | 2025年4月 (2024年度の場合) |
実施する学部 | 医学部 |
選考方法 |
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募集定員 | 若干名 |
出願資格 | 外国にある学校を卒業していること |
入試までのスケジュール
2024年度受験の場合の入試までのスケジュールは以下のようになっています。IBが11月試験の場合は、出願期間が最終試験前なのでPredicted Scoreで出願することになります。
出願登録期間 | 2024年9月11日 ~ 9月20日 |
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入学検定料支払期限 | 出願登録した翌日の23時59分 |
出願書類提出期間 | 2024年9月13日 ~ 9月20日 |
入学試験 | 2024年10月12日 |
合格発表 | 2024年10月31日 |
※「取得見込み」または「卒業(修了)見込み」で出願した者が、3月31日までに要件を満たさなかった場合は、入学が取り消しとなります。
福島県立医科大学 医学部を海外教育プログラム選抜で受験したSさんにインタビュー!
プロフィール
受験大学・受験形態 |
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出身高校の区分 | 海外インター校 (英語DP) |
最終試験 受験時期 | 2024年5月 (May, 2024) |
IB選択科目・スコア |
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医学部、そして最終的に福島県立医科大学を選択した理由を教えてください。
元々オランダの高校でIBを勉強していましたが、経済的な理由から日本国内の大学に進学したいと思っていました。日本の医学部に魅力を感じるようになったのは、日本の医療ドラマを見て憧れを抱いたのがきっかけです。
まず医学部で学べる大学をいろいろ調べて、自分のIBスコアでも出願資格を満たせるところがどこかを探したところ、福島県立医科大学が候補に上がりました。実際にオープンキャンパスに参加してみたら、自然が豊かな環境でキャンパスが広々としていて、海外を転々としてきた自分にとっては長期間落ち着いて学べる場所だと感じました。さらに在学中にシンガポールやアメリカへ留学できるプログラムが充実している点も、私にとっては大きな魅力でした。結局、こうした環境や留学制度の面を総合的に考えて、福島県立医科大学で学びたいと強く思うようになりました。
福島県立医科大学の受験体験談: 書類選考について
選考内容について
福島県立医科大学へ国際バカロレア入試で受験する場合に書類選考として提出する書類は以下に示すものとなります。
- 出願資格を証明できる書類
- 自己推薦書・特別活動に関する報告書
- 入学志願票
- 写真票
書いた内容や意識したことなどについて教えてください。
自己推薦書や特別活動に関する報告書では、帰国生としての視点や海外での経験をどう医学部で活かせるのかを意識しました。具体的には、オランダのインターナショナルスクールで日本人コミュニティ向けのクラブ活動を立ち上げ、読書会や翻訳活動を行ったエピソードを書きました。ただ、学校のIB科目や成績の詳細をあれこれ書くよりも、福島県立医科大学が持つ特色を意識して『自分ならどのように貢献できるか』を具体的に伝えるよう工夫しました。特にオープンキャンパスに参加して、実際に見たロボット手術のことなどを盛り込んで『将来はここで整形外科や最先端技術に触れたい』という熱意を込めました。
福島県立医科大学の受験体験談: 総合問題Ⅰについて
問題の内容について教えてください。
総合問題Ⅰは理数系の基礎知識を問われる形式でした。数学と化学を中心に出題されましたが、問題数としては想像していたより多くありませんでした。大問がそれぞれ少なめで、1ページから2ページ以内に収まるくらいです。ただ、内容は日本の大学入試らしい印象でした。
大変だったことについて教えてください。
やはり日本語の数式表記や設問形式に慣れるのが大変でした。IBのChemistry HLやMath A&A HLで学んだ内容そのものはそこまで大きく変わりませんでしたが、問題文の出し方や解答形式が日本の大学入試特有で苦労しました。IBの最終試験とはまた別物という感覚で、広範囲からじわじわ出されるイメージがありました。
行った対策について教えてください。
5月にIBを修了してから、日本の大学入試用の勉強を始めました。あまり時間がなかったので、予備校の理系科目の授業を活用しつつ、自習では『基礎問題精講』『標準問題精講』といった日本の受験用の参考書を解きました。過去問はほとんど公開されていないので、他の大学の問題を参考にしたり、予備校の模試で日本語の理系問題に慣れたりするよう心がけました。特に化学は英語で学んでいたので、単語の対訳リストを作ったり、日本語での化学用語を重点的に覚えたりしました。日本語に慣れるだけでも、当日の読みやすさが全然違ってくると思います。
福島県立医科大学の受験体験談: 総合問題Ⅱについて
問題の内容について教えてください。
総合問題Ⅱは現代文の論述問題でした。長めの課題文が2つくらい用意されていて、物語文と論説文の両方を読んだうえで『筆者の主張は何か』『登場人物の考え方をまとめよ』といった記述形式の設問が並んでいました。選択問題はほぼなく、すべて短めの記述からやや長めの論述まで幅広く問われた印象です。
大変だったことについて教えてください。
実は、私は国語の対策にあまり時間を割いていませんでした。理数系を中心に勉強してきたので、現代文の記述問題で『あ、この設問は一つずつずれて書いちゃった!』というミスをしてしまって、解答欄を修正するのに時間をとられてしまいました。最後の数問はしっかり書ききれず、白紙や殴り書きのまま出すことになってしまって、そこは大きな反省点でした。
福島県立医科大学の受験体験談: 面接試験について
面接形式と聞かれたことについて教えてください。
面接官は3人の男性教授で、私一人が入室して25~30分程度でした。最初に『志望理由と入学後にやりたいことを3~4分で話してください』と言われ、そこから深掘りされる形です。印象的だったのは、私が自己推薦書で『整形外科に興味がある』と書いていたので、ロボット手術を含む最先端技術への関心や、整形外科を志す具体的な動機などを突っ込んで聞かれました。オープンキャンパスで体験したロボット手術の話も覚えていて下さって、『どういう研究や臨床に取り組みたい?』とさらに詳しく尋ねられましたね。最後の方は雑談に近い雰囲気になって、『オープンキャンパスをもっと良くするにはどうすればいいと思う?』なんて質問もありました。あまり形式ばった雰囲気ではなく、素直に自分の考えを話しやすかったです。
面接にあたって行った対策について教えてください。
私は予備校で模擬面接を何度か受けました。短時間でどれだけ要点を伝えられるか、というのを先生と確認しながら練習しました。あとは生成AIを使って想定質問をリスト化して、回答を考えてみるという作業もやりました。重要だと思うのは、自己推薦書に書いた内容を読み返して『深掘り質問が来たらどう答えるか』を用意しておくことです。特に医学部の場合は、興味を持っている分野の最先端研究や実際の医療現場について調べておくと、面接で話が具体的になります。それから、福島県立医科大学のオープンキャンパスに行ったときの印象や、大学独自のプログラムをしっかり理解しておくことも大事だと感じました。
最後に
大学受験を通してIBやってて良かったと思うこと
IBをやっていて良かったのは、まず海外教育プログラム選抜という形で受験できる大学があることですね。帰国生の枠だけだと競争率が高い場合もありますが、IB入試枠は受験人数が比較的少なく、視野が広がります。また、CASやEEなどで培った探究心や国際的なコミュニケーション能力は、書類や面接で大きなアピール材料になりました。
Sさんから皆さんへのアドバイス!
これから受験を迎えるIB生の皆さんは、ぜひ早め早めに準備をしておくと良いと思います。特に日本の大学を複数校受験したり、海外大も併願したりする場合はスケジュール管理がカギになります。面接や書類ではIBの特徴的な活動(CASプロジェクトやEEなど)をしっかり活かして、他の受験生にはない強みを示せるように工夫してみてください。国語や数学など、日本の大学入試独自の対策も忘れずに取り組めば、チャンスは十分にあると思います!