【IB受験体験談】東京大学に帰国生入試で合格したKさんにインタビュー!

今回は、東京都にある東京大学文科2類に、外国学校卒業学生特別選考で合格したKさんへのインタビューをもとに、その魅力とリアルな受験体験談をお届けします。

「IB生が東大に入るにはどうすればいいの?」

「東京大学の帰国生入試はどのくらい難しいの?」

そのような思いを持つIB生の皆さんにとって、東京大学の特別選考は非常に高いハードルに見えるかもしれません。しかし、そこにはIB生だからこその「勝ち筋」もあります。この記事では、Kさんの体験談を通して、大学選びの軸から、具体的な受験対策、そして入試当日の様子まで、他では聞けないリアルな情報をお伝えします。

Index

東京大学について

大学・学部の特色

東京大学の最大の特徴の一つは、入学後の2年間(前期課程)を全員が教養学部で過ごすリベラル・アーツ教育です。学生は所属する科類(文科一類〜三類、理科一類〜三類)の基礎科目を学びながら、幅広い学問分野に触れます。

Kさんが進学した文科二類は、主に経済を中心とした社会科学全般の基礎を学ぶ科類です。そして3年次からの後期課程では、学生の希望と成績に基づくいわゆる「進学振り分け(進振り)」によって、経済学部を含む各専門学部に進学します。

経済学部は「経済学科」「経営学科」「金融学科」の3学科で構成されていますが、学科間の垣根は低く、学生は理論、実証、歴史、政策など多岐にわたる分野の専門教員から、世界トップレベルの研究・教育を受けることができます。

外国学校卒業学生特別選考【第2種】について

今回Kさんが受験した「外国学校卒業学生特別選考【第2種】」(以下、帰国生入試)は、主に外国の教育課程を修了した日本国籍保持者や日本の永住許可を得ている学生(いわゆる帰国生徒)を対象とした入試制度です。

選考は、提出された書類(IBの最終スコアや成績証明書、志願理由書、TOEFL/IELTSスコアなど)による「第1次選考」と、第1次選考合格者を対象とした「第2次選考」の二段階で行われます。

第2次選考は、大学入学共通テストが免除される代わりに、東京大学独自の「小論文」「学力試験」「面接」が課されます。IBで培った能力が問われる部分と、日本の大学受験特有の対策が求められる部分が混在する、非常に特色ある選考方法と言えます。

インタビュイーのプロフィール

今回インタビューに協力してくれたのは、現在、東京大学経済学部に通うKさんです。

所属大学・学部 東京大学・経済学部
受験した入試名称 外国学校卒業学生特別選考【第2種】
併願校 慶應義塾大学(法学部政治学科、経済学部)、早稲田大学(政治経済学部)、一橋大学(※出願のみ)
出身高校の区分 海外インター
IBスコア 42点
IB選択科目 SL:Japanese A, History, Biology
HL:Math AA, English A, Economics
これまでの教育歴 小1夏〜小4夏: シンガポールのインターナショナルスクール
それ以降の小〜中: 日本
高1の7月〜卒業: オーストラリアのインターナショナルスクール

東京大学文科二類の受験体験談: 大学選び編

どのような軸で受験する大学を検討しましたか?

Kさん
日本にいた時からずっと東京大学に行きたいという思いがありました。周りの環境の影響もあって、漠然と東大を目指すようになっていましたね。海外生活を経て、経済学に強い興味を持つようになってからも、その理論を学ぶ上で最高の環境は東京大学だろうと考え、志望は変わりませんでした。

海外大学や国内の他の経済学部など、多くの選択肢があった中で、最終的に東京大学を選んだ決め手は何でしたか?

Kさん
海外大学も検討しなかったわけではありませんが、3年間海外にいたこともあり、日本でも同等の学びが得られると考えたことと、現実的な金銭面の問題で、最終的には日本の大学に絞りました。その中で東大を選んだのは、やはり経済学の「理論」を深く探求したかったからです。特に経済学の前提を歴史的に考察する「経済学史」のような分野に関心があり、そうした分野の教授陣が東大に揃っていたことが決め手になりました。

── なるほど、IBで経済学を学んでいたとはいえ、かなり早い段階からご自身の研究したいテーマが明確だったんですね。

Kさん
そうですね。IBのエコノミクスで学ぶ「人は合理的に行動する」という前提にずっと疑問を持っていて、その根本を問い直したいという気持ちが強かったです。

「偏差値」や「就職」で大学を選ぶのではなく、Kさんは自分の学問的疑問を探究するのに適した環境として、東京大学を選んでいます。IB生はTOKなどで「前提を疑う力」を養いますが、Kさんの志望校選びはまさにそれを直結させた好例です。「なぜ東大か?」を語る際、自分自身の「問い」を持っている学生は、志望理由書の説得力が段違いに強くなります

この帰国生入試の入学者は、一般選抜で入学した学生と同じクラスで学ぶことになりますが、その点についてどのように感じましたか?

Kさん
入学前は間違いなく不安でした。IBで学んできたことと、日本の大学受験で求められる知識や勉強のスタイルはベクトルが全く違うと感じていたので、授業についていけるか、テストで太刀打ちできるかという不安は漠然と抱えていました。ただ、僕は小学校高学年から高校1年まで日本で塾に通っていた経験もあったので、入学後に「全くついていけない」というほどの遅れは感じませんでした。

東京大学文科二類の受験体験談: 書類選考編

出願書類について

第2種特別選考の第1次選考は書類審査です。募集要項(2026年度版参考)に基づくと、主に以下のような書類が必要となります。年度によって変更される可能性があるため、必ず大学の公式ウェブサイトで最新情報を確認してください。

入学志願票

志願理由書

成績証明書

卒業・卒業見込証明書

推薦状

IB資格証書および最終試験6科目の成績評価証明書

TOEFLまたはIELTSのスコア

パスポートのコピー

大学出願の準備はいつ頃から始めましたか?IBの最終試験の勉強との両立で工夫した点もあれば教えてください。

Kさん
僕の場合、本命の東京大学や併願校の出願時期がIBの最終試験(5月)より後だったので、IBの試験が一通り終わった5月頃から本格的に準備を始めました。推薦状や成績証明書の手配などを進め、東大の志望理由書は10月上旬頃から約1ヶ月かけて作成しました。IBが終わってからのスタートだったので、最終試験の勉強と出願準備を「両立」するという感覚はあまりなかったですね。

『志願理由書』を作成する上で、どのような経験を軸に構成しましたか?

Kさん
IBのエコノミクスで学ぶ「主流派経済学」の理論、特に「人は合理的に行動する」という前提に2年間ずっと疑問を感じていたことが、志望理由の出発点です。この前提は本当に正しいのか、という問題意識を軸にしました。そして、その前提を疑うことで見えてくる、これまで見落とされてきた「ケア」や「サステナビリティ」といった多様な視点から経済学を探求したい、という関心と学びへの意欲をアピールしました。

── 志望理由書には、IBでの経験(CASなど)や、ご自身の読書経験なども盛り込んだのでしょうか?

Kさん
いいえ、CASなどの具体的な課外活動は一切書きませんでした。IBでの経験が出発点ではありましたが、それ自体をアピールするのではなく、あくまで自分の研究テーマと学びたい意欲を明確にすることに集中しました。関連する本は日頃から読んでいたので、それらの知見も活かしながら、予備校の先生に3〜4回添削してもらって仕上げました。

多くのIB生があれもこれもと課外活動を志望理由に詰め込む中で、Kさんはあえて情報を削ぎ落とす引き算を行いました。東京大学、特にこの選考においては「学問に対する真摯な姿勢」「論理的思考力」が優先される傾向があるように見受けられました。つまり、読み手が知りたいのは「どれだけ活動したか」よりも「どれだけ考えられるか」であるため、東大受験においては「探究」のアピールこそが重要だと言えます。

出願要件であるTOEFL iBTまたはIELTSのスコアについて教えてください。

Kさん
TOEFL iBTで117点を取得し、提出しました。実は前年の6月まではあまりスコアが高くなく、ボーダーラインギリギリかもしれないと思い、IB終了後に独学で対策しました。特別な参考書は使わず、YouTubeで対策動画を見たり、過去問や練習問題をひたすら解きまくったりして、2週間ほどで問題形式に慣れることを意識しました。

卒業した高校の先生に「推薦書」を依頼する際、先生にご自身のどのような点をアピールしてもらうようお願いしましたか?

Kさん
特に「これをアピールしてください」といったお願いはしませんでした。先生が思うままに書いてほしいと伝え、基本的にお任せしました。ただ、課外活動(日本人中学生への英語指導、スポーツキャプテン)については伝えています。依頼したのは歴史の先生で、IBの進路担当マネージャーでもあった方です。ほぼ毎日質問に行くほど親密で、自分のことを一番よく知ってくれていると思ったので、その先生にお願いしました。

書類準備の際に特に気をつけた点や、分かりにくいと感じた点はありましたか?

Kさん
ありきたりですが、全ての書類が揃っているかは何度も何度も確認しました。それでも、東大に出願する際のWeb上での「出願資格」の選択項目を間違えてしまい、後日大学から連絡が来て非常に焦った経験があります。期限後でしたが幸い修正させてもらえたので、皆さんは本当に出願時の確認は気をつけてください。それ以外は、提出すべき書類は明確だったので、特に分かりにくい点はありませんでした。

東京大学文科二類の受験体験談: 小論文・面接編

日本語の第1問と外国語の第2問では、それぞれどのようなテーマが出題されましたか?150分という時間配分で特に意識したことや、難しかった点があれば教えてください。

Kさん
第1問(日本語)は、母子世帯、高齢者世帯など、生活保護の受給者数の推移を示すグラフが与えられ、それが日本経済の実態とどのように対応しているかを説明する問題でした。第2問(外国語・英語)は、「法の支配」が安定した経済成長や発展に不可欠と考えられる理由について述べる問題でした。 時間配分は、普段の練習から英語に最大40分、日本語に最大110分と決めていました。本番では英語が35分ほどで終わったので、残りを日本語の見直しに充てました。

第1問の日本語の小論文について、どのような対策をしましたか?IBの日本語Aなどの学習は役立ちましたか、それとも大学受験向けての参考書や添削指導などを行いましたか?

Kさん
対策は大きく2つです。1つ目は、とにかく本を読みまくって知識を吸収すること。本番で知識ゼロから考えるのはリスクが高いので、色々な分野の新書や専門書を読んでインプットを増やしました。2つ目は、過去問をとにかく多く解いて形式と時間配分に慣れることです。IBの日本語Aよりも、帰国生用の予備校に通い、そこで過去問の添削指導を受けた経験の方が直接的に役立ったと感じています。

── 海外生活が長かったことで、小論文で求められるような日本語力(語彙や漢字)に不安はありませんでしたか?

Kさん
海外生活が長くても、読書習慣やIBの日本語Aの授業のおかげで、語彙や漢字で困ることはありませんでした。東大の小論文は難易度が高いからこそ、自分の考えを日本語でスムーズに表現できる基礎体力は非常に重要だったと感じます

海外滞在が長い学生にとって、日本語運用能力は最大の課題です。しかしKさんの場合、IBの日本語Aだけでなく、個人的な読書習慣(専門書や新書)というインプットが合否を分けたポイントだと感じました。小論文は「書く練習」ばかりに目が行きますが、そもそも書くための「知識」や「語彙」という引き出しがなければ、内容は薄っぺらになります。Kさんが普段から多くの本を読んでいたことは、日本語力と知識の両方で、合格を支える土台になったのではないでしょうか。

第2問の外国語の小論文について、まずどの言語を選択したかを教えてください。また、IBの勉強とは別に、その言語でアカデミックな文章を書くために特に行ったトレーニングや準備があれば教えてください。

Kさん
言語は英語を選択しました。対策としては、日本語と同様に過去問を解くことが中心でしたが、それだけでは足りないと思い、出題されそうな分野(経済、政治など)で自分で質問を考えて、それについて書く練習もしていました。書いた英文は、AIのツール(当時はChatGPTなど)に読み込ませて、文法や単語の使い方が間違っていないかをチェックしてもらい、表現をブラッシュアップしていました。

AIを活用した受験勉強は、現代的で非常に賢いやり方です。AIなら即座にフィードバックが得られ、何度も繰り返すことで、ライティングの精度を短期間で高めることができます。

小論文の対策は、いつ頃から、どのようなスケジュールで進めましたか?

Kさん
小論文を書き始めたのが、受験前年の6月頃からでした。そこから、東大に特化した勉強を始めたのが11月頃です。ただ、11月・12月は時間制限を設けずに、じっくり「考えること」に焦点を当てていたので進みは遅く、本格的に本腰を入れ始めたのは年が明けた1月頃からでした。

対策の中で、特にやっておいて良かったと思うことはありますか?

Kさん
それは、高校生の頃から本を読む習慣があったことです。学術分野だけでなく、小説など好きな本を昔から読んでいたので、活字に慣れていたのが大きかったと思います。おかげで、受験期に専門書などを読むスピードも遅くなく、知識を早く吸収できました。物事への理解力や、語彙・漢字で困らなかった点でも、この読書習慣は非常に役立ったと感じています。

「学力試験」として外国語の試験がありましたが 、IBのLanguage AやBの試験と比較して、難易度や形式にどのような違いを感じましたか?

Kさん
これは全く別の試験だと感じました。東大の英語(一般選抜と共通問題)は、文法、読解、要約、リスニングなど、明確に「答え」が一つに決まっている問題がほとんどです。一方で、IBの英語A(HL)の試験は、Paper 1もPaper 2も記述式で答えは決まっておらず、自分の解釈や考察を論理的に表現する力が求められます。求められる能力が根本的に違うので、難易度を単純に比較するのは難しいですね。

── ということは、IBの英語が得意でも、東大の学力試験には専用の対策が必要だったということですか?

Kさん
その通りです。僕も英文解釈が苦手だと感じていたので、9月頃から日本の予備校が出している東大向けの演習問題を解き始め、さらに大学院受験生向けの『英文解体新書』という参考書も使って、ケアレスミスを減らし、形式に慣れるための対策をしっかり行いました。小論文と英語の勉強比率は、時期にもよりますが、本番直前は小論文7割、英語3割くらいだったと思います。

面接は日本語で行われるとのことですが、当日の雰囲気はどのようなものでしたか?例えば、面接官の人数や時間、厳格な雰囲気か、和やかな雰囲気かなど、教えてください。

Kさん
面接官は3人で、時間は15分弱だったと思います。雰囲気は面接官によって全く異なりました。1人は非常に和やかでフレンドリーな感じでしたが、もう1人は足を組んで上を見ながら質問してくるような、かなりピリピリした冷たい感じでした。残りの1人は普通、という感じで、かなりグラデーションがありました。圧迫面接とまではいきませんが、怖い雰囲気はありましたね

具体的にどのような質問をされましたか?面接で実際に質問された内容について、特に印象に残っているものがあれば、教えてください。

Kさん
意外なことに、志望理由は一切聞かれませんでした。最初の質問が「あなたの海外生活を踏まえて、それが東京大学でどのように活かせると思うか?」というもので、全く想定していなかったので強く印象に残っています。あとは、自分が志望理由に関連して読んだ本について説明した際、「その本の作者ってどういう人?」と聞かれたのも戸惑いました。正直に「分かりません」と答えました。

── 予備校で15回も面接練習をされたと伺いましたが、それでも想定外の質問が多かったんですね。

Kさん

そうなんです。考えうる質問は全て列挙して完璧に答えられるように準備したつもりでしたが、準備した質問は一つも聞かれず、あっけなく終わってしまいました。IBの点数や実績に関する質問も一切なく、日本語と英語の運用能力、物事を批判的に考える力、社会を見る視点など、総合的な実力を見られているという印象を強く受けました

志望動機を丸暗記するのではなく、普段から社会問題について考えたり、読んだ本について自分の言葉で語ったりできる「思考の基礎体力」こそが、最終的に面接官の心を動かす鍵となります。また、わからないことを正直に「わかりません」と言える知的誠実さも、評価のポイントだった可能性があります。

東京大学の受験体験談: 最後に振り返って

実際に入学してみて、大学選びの際に抱いていたイメージと、現在の大学生活との間にギャップはありましたか?

Kさん
入学前は「東大=天才ばかりの場所」というイメージで、自分を過小評価しがちでしたが、入ってみると全くそんなことはありませんでした。もちろん勉強をすごくする人もいますが、スポーツや課外活動に打ち込む人もいて、良い意味で「普通の大学生」が集まっている場所だと感じます。多様な人がいるというイメージは、良いギャップでしたね。

今振り返ってみて、大学受験において「IBをやっていて良かった」と感じる点は何ですか?

Kさん
やはり「物事を多角的に見る」という姿勢が身についたことです。これは小論文で反論を想定する際などに非常に役立ちました。また、IBの2年間で、分からないことがあればすぐに先生に質問に行く習慣や、継続的な学習姿勢が身につきました。こうした地道な習慣が、そのまま大学受験の勉強にも活かされた点が、IBをやっていて本当に良かったと感じる部分です。

── 大学の授業、特にレポート課題などでIBの経験が活きていると感じることはありますか?

Kさん
それは非常に感じます。ただ、IBだけで培われた力というよりは、IBと受験対策の両方で得た力だと感じています。レポートでは物事を多角的に見る姿勢が重要ですが、それはIBで培われたものだと思います。同時に、レポートには論理的に話を組み立て、コンパクトに主張を表現する力も必要ですが、これはむしろ東大受験の小論文対策で鍛えられた力が大きく活きていると感じます。

最後に、これから東京大学の外国学校卒業学生特別選考【第2種】を目指すIB生の後輩へ向けて、「これだけはやっておいた方がいい」というアドバイスをお願いします。

Kさん
まず、IBの勉強は絶対に手を抜かない方がいいです。分からないことを一つひとつ潰していく地道な努力が、IBで高いスコアを取るために不可欠ですし、その積み重ねが自信になります。IBは一回きりの勝負なので、後悔がないように最大限の努力をしてください。 その上で、受験についてのアドバイスとしては、「受験期間を楽しんでほしい」ということです。僕は受験をもう一度やれと言われたら、楽しかったので喜んでやると思います。

── 楽しかった、ですか!それはすごいですね。

Kさん
はい。一般選抜と違って、帰国生入試は自分の興味がある分野をひたすら深く追求することが、そのまま試験対策になります。これは帰国生のアドバンテージです。入試で小論文を書いたり、自分の考えを深めたりすること自体が、僕にとっては楽しい経験でした。受験は一回きりの機会だからこそ、それを自分の成長の機会だと捉えて、恵まれたチャンスを最大限に活かせるよう頑張ってほしいです。

「受験が楽しかった」という言葉には驚きますが、これこそ合格の核心です。Kさんは受験を自らの知性を磨く「好機」と捉え、目の前の課題を自分の考えを深める素材として使い倒しました。その「面白がる力」こそが、IBで培った探究心がもたらす最強の武器です。これから挑む皆さんも、「合格のために」という受動的な枠を飛び越え、「この機会に自分をどこまでアップデートできるか」という知的な冒険として、この貴重な時間を楽しんでみてはどうでしょうか。

最後に

いかがでしたでしょうか。今回、Kさんに東京大学文科二類の貴重な受験体験談を伺いました。

Kさんのお話から強く感じられたのは、「知的な探究心」と「冷静な分析力」の絶妙なバランスです。「なぜ人間は合理的に動くのか?」という根源的な問いを突き詰めた志望動機や、IBの英語力に慢心せず、東大特有の形式に合わせて泥臭く対策を重ねた戦略性は、まさに東大が求める姿勢そのものでした。

「受験は楽しかった」という言葉は、決して楽観的な意味ではなく、自分の興味を追求し、課題をひとつひとつクリアしていった結果として自然に出た言葉だったのでしょう。これから受験を迎える皆さんにとっても、「学びを楽しむ」という原点に立ち返るきっかけになったのではないでしょうか。

IBで培った「問いを立てる力」や「粘り強い学習姿勢」 は、日本の最難関大学でも間違いなく強力な武器になります。Kさんの体験談が、皆さんの挑戦の指針となることを願っています。