国内大学に進学する上でのIBのメリットとデメリット!【大学受験と培えるスキル】

IBは、一般的な従来の学習形式とは少し異なるカリキュラムのもと2年間学習を進めていきます。こうしたプログラムで高校の学習を続けることで大学進学や大学以降においても多くのメリットがありますが、デメリットも理解した上で、自分に合った進路を選択することが重要となります。今回は、大学受験とIBで培えるスキルを軸に、国内大学に進学する上でのメリットやデメリットを紹介していきます。

大学入試におけるメリット

IB生のみが使える入試形態がある!

国内ではIB生のための特別な入試形態 (IB入試) を設けている大学も多くあります。近年はIB入試を採用している大学は増加傾向にあり、筑波大学や上智大学、国際基督教大学など、多くの国公立・私立大学にIB入試で挑戦することができます。

もちろん、IB入試はIB生のみしか出願することができないので、限られたライバルの中で受験に挑めることは、EEやIAで忙しいIB生にとって大きなメリットとなります。大学によって異なりますが、IB入試は面接や書類審査が中心の選抜方法であることが多いです。筆記試験の対策を行う必要が無くなるため、受験準備にかかる負担が軽減するでしょう。

 総合型選抜・推薦型の選抜でIBは評価される!

また、IB入試以外の入試形態においても、IB生は有利に進めることが出来る傾向にあります。IB生は、IBの授業で培った批判的思考や創造的思考力といった学習のスキルが他の生徒よりも長けていることが多いです。そのため、総合型選抜や推薦入試では、こうしたIBの生徒が持つスキルや多様な学習経験、国際的な視野が高く評価されます。面接やプレゼンテーションの際に、他の受験生にはない独自の強みをアピール出来ることも、IB生の大きなメリットと言えます。

大学入試におけるデメリット

日本のカリキュラムとズレがある

一方で、IBを選んだが故に生じるデメリットがあることも事実です。IBプログラムは国際的なカリキュラムに基づいており、日本の教育制度・カリキュラムとは異なる点が多々あります。そのため、一般入試の対策を行うには、一から新しく学ぶ必要があるため、多くのIB生は国内大学の一般入試で不利になってしまいます。
IAやEE、そして最終試験対策など、IBのプログラム自体に大きな負担がかかることも、注意が必要です。

 大学入学以降のメリット

IBの授業を通じて培うことの出来るスキル・能力は、IB生時代のみならず、大学生、そして社会に出た際にも大いに役立ちます。筆者の個人的な感覚としては、大学入試で不利になるというデメリットをかき消すほど、大学入学後に享受できるメリットは非常に大きいと考えています。
以下に、IBで培えるスキルが将来どのように役立つかを紹介していきます。

論理的思考スキル

DPの授業では、論文分析やレポートの執筆を行う機会が非常に多く、論理的に文章を組み立てる力を身に着けられます。特にJapanese Aの文学分析は、一般的な国語のテストのように正解が決められているわけではなく、自分の考えについて論理的に論拠を用いながら文章を組み立てることが求められるため、日々の予習やエッセイの執筆を通して論理的に文章を組み立てる力を大きく伸ばすことが出来ます。

大学でも多くのレポート課題が課されることに加え、社会に出た時には文章で様々な顧客とやり取りを行うようになります。こうした際に論理的思考力は非常に重要となるため、高校生から論理的に文章を組み立てる多くの経験を積むことが出来るのは大きなアドバンテージとなります。

コミュニケーションスキル

グループワークやプレゼンテーション、TOKでのディスカッション等を通じて培えるコミュニケーションスキルも同様に大学生以降で非常に重要となります。人前で発表する経験を多く積むことで、聞き手の気持ちを読み取り、相手の気持ちを考えながら話す力やプレゼン時に効果的な声のトーン・抑揚を身に付けることができます。大学ではグループワークやプレゼンテーションが多く行われるため、IB生はこうした時に自然とリーダーシップを発揮することが出来るでしょう。また、人前で発表を行うとき以外にも、友達とのコミュニケーションや先生との会話など、日常的な場面でも多く役立ちます。

自己管理スキル

そして、IB生は一般的なカリキュラムよりは少しタイトなスケジュールで約2年間を過ごします。各教科の予習・復習に加えてIAやEEを同時並行で進めるスケジュール感をこなすことで、自己管理スキルも向上させられます。私の場合は、課された課題は後回しせずにすぐに取り組むようになったり、常に完璧主義でいるのではなく程よく力の入れ具合を調整したりするといった当たり前のことを当たり前に出来るようになり、これが大きな収穫となりました。

IBは確かに忙しくて大変なプログラムですが、それによって得られる自己管理スキルの向上には計り知れない価値があります。時間管理、優先順位の設定、効率的な学習方法の習得といった自己管理スキルは、大学生活や社会においても大いに役立つことでしょう。

最後に

このように、IBは、大学進学だけでなく、将来社会に出てからも役立つ様々なスキルを培うことができるプログラムです。しかし、大学選択の幅が狭まるなどのデメリットも理解することが重要です。私は、自分が成長できたと言う意味でも楽しかったと言う意味でも本当に価値のある2年間で、DPを選択して本当に良かったと感じています。こうしたメリット・デメリットを理解した上で自分に合った進路を選択することが非常に重要です。

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