IB Mathの攻略法!高得点取得者によるアドバイスとは?

2024年6月9日

IB Mathmaticsといえば、履修と受験のハードルが高い科目だと思います。
そこで今回はGroup 5、Mathでハイスコアを取得し、EDUBALの家庭教師としても活躍している先輩たちに聞いた「効率の良い勉強法」や試験対策についてのアドバイスをご紹介します!

Mathの特性

出題パターン分析・演習が肝!

IB mathは傾向と対策が非常に重要になります。早い段階から、過去問に似た問題に取り組むことや、トピックごとにテストでよく出題される問題に取り組み、解ける問題のバラエティを増やすことが非常に大切です。(K先輩)

基本的に問題のパターンおよび傾向が定まっていますIBで高得点を狙う上で「これを問われたら暗にこの解法を求められている」ということを結び付けられるようになれば、基礎問題の正答率を上げることも難しいことではありません。(B先輩)

ふたりの先輩がまず挙げてくれたのは「傾向と対策」の重要性です。
学習範囲は広いですが、最終試験では出題パターンがある程度決まっているのだと言います。
基礎的な計算問題に加え、応用問題についても同じことが言えるようです。

応用問題も「どこに解法の糸口があるのか」というパターンはある程度一定です。
繰り返し経験を重ねることで解法の糸口を見つける目を養い、解法の引き出しの数を増やしていきましょう
(B先輩)

これらの指摘からはMathはBiologyなどの科目とは違い、「同じ問題が出ることはほとんど期待できない科目」(C先輩)である、ということも見えてるのではないでしょうか。

まとめノート作成・復習の工夫

ノートはシンプルに!

ノートは授業後、記憶がまだ鮮明にある時に、できるだけシンプルに作ります。何色も使わず、ビジュアルより内容に力を入れるようにしています。コンセプトを書くだけではなく、例題とその解説(基礎問題一つと応用問題一つ)を一緒に記載することによって、どういう問題が出るか明確にすることができますし、後々見返す時の理解度をその問題を解くことによって測れます。(F先輩)

「コンセプトを要約しておく」など、F先輩のノート作成は辞書づくりのような印象を受けます。
必要最低限の情報で、最大限の内容を記録し、テスト前のノートを使っての勉強を円滑化してくれる、理想的な形式のひとつだと思います。
どの問題をまとめノート用に選ぶのか考える段階も、クラスメイトと協力してみるとより楽しいかもしれませんね。

1分野ずつ堅実に固めるために

IBのMathではさほど分野を複合した問題は出題されないため、各分野内の難しい問題が解けるようになるように学習を進めていくことが大事だと思います。1分野が終わったらしっかりと問題演習で復習を行い、またわからないところや疑問点が出てくると思うので、それをもう一度解説、演習するというプロセスが必要になります。(C先輩)

C先輩は「分野重複型の問題は少ない」という傾向分析をした上で学習トピックごとにしっかり理解することの重要性を話してくれました。
力を入れて問題演習するタイミングを設定することで学習リズムも整えられそうです。
復習の際には、疑問点をそのまま放置しないでその場で処理していくのがベスト、というのは他の科目とも共通しますね。

習慣化すべき勉強法

予習→授業→復習ノートをルーティン化

新しいコンセプトを授業で学ぶ時は、必ず5分でもいいから予習をすることそうすることで授業で教わることをもう既に一度はインプットした状態になるので、より理解しやすくなります(プライミング効果)。(F先輩)

少しでも事前情報があることで抵抗感や不安を払拭できる可能性がある、ということですね。
F先輩はこのような予習と授業当日に復習ノートを作成する、という流れを習慣化していたことで高得点取得に繋がったようです。

演習を通して知識を定着させる

Mathematics 最大の難点は、トピックの幅の広さだと思います。ですので、一つ一つの単元で出てくる概念をしっかりと理解し、次に進む前に演習を通して知識を定着させることが大切です。(G先輩)

G先輩は知識を定着させるためにできる4つのポイントもまとめてくれています。

1.まず教科書を読んで人に説明できるまで内容を理解する
.Formula Booklet と照らし合わせて、大切な公式を理解する。必要であれば暗記する。
3.教科書の演習問題を解いて答え合わせし、自分がどれだけ理解できているか確認する。
4.過去問からそのトピックの問題を探して演習を重ねる。

MathのFinal試験ではFormula Bookletで公式を参照することができますが、重要度の高い公式は暗記しておくとタイムロスを防ぐことができます。「繰り返し演習する」というのは他の先輩も口を揃えて念押ししている点です。Math高得点取得にショートカットはなく、地道な積み重ねが大切だということが感じられます。

試験対策のポイント

長期的なプラン

①まずは基礎知識の確認!

Formula Bookletに記載されている公式も全てどういう問題で使うのか理解して、過去問に臨んでみると時間の無駄もなく効率よく解けるようになると思います。(H先輩)

どの公式を何のために使うのか、ひとつずつ確認していくのは一朝一夕ではできません。まずは基本資料・知識の確認をしてから過去問で演習する、という提案です。

②理解度に応じた問題をピックアップ・継続的に演習

理解度に合った問題を解くことを意識し、継続的に自主学習を続けられるようにする。また、モチベーション向上のため、たとえG11であっても、履修した単元に関する過去問を解く機会を作り、最終的な目標に対しての進捗度合いを確認する.(I先輩)

教科書の問題などを使ってワークシートを作成する。最初は自分に合うレベルの教科書の例題などから始めて、章末問題、学校のテストの問題、過去問へとレベルを上げていく(E先輩)

解ける問題を段階的に増やしていくことは自信に繋がります。
演習の中に過去問を混ぜてみたり、力試しで挑戦する機会を設けてみてはいかがでしょうか?
過去問の閲覧が禁止されている場合には、教科担当の先生に類似問題を考えてもらったりすると良いのかもしれません。

E先輩からは具体的な対策プランも聞くことができました。

数学の成績を向上させるためには、苦手分野での計算練習量を増やすことが重要。1日5問など、少なめに目標を設定してなるべく毎日解くようにする。試験前になったら、計算練習だけでなく文章題の練習を行うようにする。個人的には、他の科目とのバランスも考え、4ヶ月前から毎週過去問を最低でも1つは解くようにした。こちらも段階を踏むようにして、時間制限なしで1問ずつ丁寧に解くことから始めて、正答率が上がったら時間制限ありで演習する。

「苦手分野が多いようであれば、2ヶ月程前から過去問演習を始めるのも◎」とのことでした。
実際に過去問を解く際にも、制限時間を設けるタイミングが参考になります。

直前の追い込み

過去問

過去問をひたすら解き、間違えた問題は自分なりに解説を解釈し、ノートに書き足します
これらを行えば、常に内容に触れていることになるので、確実に身につきます。
(F先輩)

自分なりの解説ノートを作成する、というのは復習ノート作成の内容と共通します。
IBのMathはプロセスごと、つまり部分点をもらうことができます。
間違った問題の解答をそのまま写して暗記するのではなく、序盤にもあった「解法の引き出し」を増やすことで結果的に少しでも良い点数に近づくはずです。

Calculusを徹底演習

テストの大部分を占めるのはCalculusですし、Probability and DistributionでもCalculusは必要になるので、得意不得意に関わらず、問題が解けるように訓練しておく必要があります(C先輩)

どうしても全体をさらう時間がない、という場合にはC先輩のアドバイスに従って微積分をしっかり解けるように演習するのが良いかもしれませんね。

Paper2・3の対策

Paper2と3においては計算機の有効な使い方を把握しておくことも時間配分を考える上で非常に大切です。中には自分で計算したほうが早い問題もあるので、無闇に計算機に頼らない姿勢が役立ちます(G先輩)

計算機の機能は確実に把握しておくこと、どのような問題で使えるのか理解しておくことは計算機を使えるPaper試験では何よりアドバンテージになります。

Mathが苦手なひとへのアドバイス

毎回新しいことを学ぶたびにしっかり問題演習をして基礎から知識を固めることを心がけました数学を毛嫌いしてしまうと、公式を理解してそれを応用して問題を解くということが憂鬱になってしまい、数学の成績も伸びにくくなってしまうと思います。
しかし、数学を少しでも楽しいと思えると教科書の問題も解いてみたいと思えるでしょうし、わからない問題は友達や先生に質問・相談して解決してみる
のはどうでしょうか。
ぜひ、数学に対する意識をプラスのものにして、教科書の問題も真剣に取り組んでみてください。
(H先輩)

最後に、H先輩から寄せられた数学に苦手意識がある後輩へのコメントをご紹介しました。
苦手科目だからこそ復習を徹底する姿勢が大切なんですね。
ひとりで抱え込まず、数学が得意なひとに助けを求めることも時には必要だというアドバイスもありました。

ハードな科目のひとつであるIB Mathですので、少しずつ学習していて楽しい!と思える瞬間を増やしていけると苦手を克服できるかもしれません。

最後に

いかがでしたか?
今回はシリーズ第2弾、Mathについてのアドバイスをお届けしました。
次回はChemistry(化学)に関するTipsをご紹介する予定です!
お楽しみに!