リベラルアーツ教育とは?〜日本の大学で学べる国際教養について〜

2019年11月29日

日本の大学受験において一般的には早めの段階で「文系」か「理系」かに分かれ、その選択肢によって大学で勉強できる学部まで絞られてしまうかと思います。
しかし、幅広い分野を勉強してきたIB生の皆さんの中には、引き続き両分野を勉強し続けたいと思う方もいるのではないでしょうか。
そのような方は「リベラルアーツ教育」についてご存知でしょうか?

そもそも「リベラルアーツ」とは何か。また日本ではそのようなカリキュラムがどの大学で提供されているか。
本記事では読者の皆さんに、リベラルアーツ教育の魅力についてご紹介します!

リベラルアーツの歴史について

「Liberal Arts(リベラルアーツ)」という概念はなんと古代ギリシャまで遡ると言われています。階層社会の中で「自由市民」として生きて行くために身につける必要がある基礎的な学問として誕生したのが起源だそうです。 その後、古代ローマ時代には「自由7科」として、「言語」に関わる3学「文法」「修辞」「論理」、また数学に関わる4学「算術」「幾何」「天文」「音楽」の7つの学問と定義づけられ、その考え方が現代のリベラルアーツの原型になっていると言われています。

発祥地はヨーロッパですが、大学の教育として取り入れ、リベラルアーツ教育に特化した「リベラルアーツ・カレッジ」は現在、アメリカに(500校以上も!)存在します。Times Higher EducationやUS Newsなどの大学ランキングには「リベラルアーツ」専門のランキング項目があるほどアメリカでは認知されている教育方法です。さらにマサチューセッツ州にあるWilliam’s CollegeやAmherst Collegeなどのリベラルアーツ・カレッジは、人気大学ランキングのトップ50位に必ず入るほどの有名カレッジです。

リベラルアーツ教育のメリット

リベラルアーツ教育とはひとつの専攻を学ぶのではなく幅広い分野を横断的に学び、教養を身につけることを重視する教育課程のことです。幅広い学問の視点を身につけることにより多角的な考え方を学ベル上、創造的発想を持つことができることが高く評価される理由です。

日本においてのリベラルアーツ教育について

アメリカでは大学卒業後、就職をせずに大学院に通う方が多いため、「リベラルアーツカレッジ」で教養を学び、さらにそこで興味を持った分野を専門的に学ぶために大学院に進むパターンが多く見られます。しかし、日本の大学が提供するリベラルアーツ学部の特徴としては、最初の1〜2年で幅広い分野を学び、3〜4年で専門分野を選ぶカリキュラムとされていることです。問題提起、問題分析、問題解決を養うためのグループワーク、ディスカッション、プレゼンテーションを取り入れた授業内容が主流です。

また、授業の大半を英語で実施している大学や海外への交換留学を推薦しているプログラムが多いため、幅広い分野の知識だけでなく、異文化に対する意識や知識を養い、グローバル社会の中で活躍できる日本人を育成することを目的としています。このような教育を日本の大学の多くは「国際教養」と呼んでいます。

リベラルアーツ教育をIB生におすすめする理由について

以前EDUBALの記事(※)でご紹介した内容から抜粋しますと、以下の4つのポイントがIB生に適している理由です:

IBと似た授業スタイル

リベラルアーツを取り入れている国際教養学部では、IBと同様に一年生の間に様々な分野の授業を取ることで広い範囲での教養を学ぶことができます。そのため、IBと似た学習環境が整えられており、これまでの学びを活かしながら授業を受けることができます。例えば、多くの国際教養学部では少人数クラスやディスカッションをベースにした授業を取り入れています。大学で大人数のクラスで講義を聴くという授業環境が苦手な方にはぴったりの環境です。

IBのミッションとの共通点

IBOが出しているミッションによると、”These programmes encourage students across the world to become active, compassionate and lifelong learners who understand that other people, with their differences, can also be right.”(このプログラムは世界中の生徒たちが積極的で思いやりがあり、他者を理解する能力のある学習者になるために力を注ぎます。)とあります。国際教養学部でも同様に、自分と違った分野にいる人にも対応できる人材作りを目指しているので、IBで培ってきたスキルを継続して磨ける絶好の学部と言えます。

帰国子女が多い

国際教養学部は受験の際にSATやIB、TOEFLスコアを提出を義務付けているところがほとんどです。そのため帰国子女や他にIBを受けてきた学生が多く在籍しています。似たような環境で高校時代を過ごしてきた学生たちと一緒に学校生活をともにできるので安心感があります。また、外国人留学生もこの学部に所属していることが多いので、日本にありながら国際交流に富んでいるというのもおすすめできる点です。

IBで取得する科目に制限がない

特定学部の受験、特に海外受験においては、特定のIB科目の取得を義務付けている大学が多くあります。それと反対に国際教養学部では、どの科目を履修していてもIBDPであれば受験資格を得られるというのが大きな特徴です。多様性の重視や様々な分野に対応できる人材を求めているという背景から、自分の好きな教科、得意な教科で受験に臨むことができます。

(※関連記事:進路に迷っている人に!IBDP生におすすめの学部、国際教養学部って?

リベラルアーツ教育を導入している日本の大学について

国際基督教大学

1953年に開学した、日本におけるリベラルアーツ教育の「パイオニア」校です。「責任意識と生涯学び続ける力を体得した人々を世に送り出すこと」を目標としています。

上智大学 総合グローバル学部

日本における全ての授業を英語で提供する学部としては最も歴史がある大学。1949年に在日米軍関係者などに向けて開設した国際部が前身であるそうです。帰国子女、留学体験者など、海外経験を持つ学生が多くいる大学で、AO入試は書類審査のみで合否が決まること点から、海外在住の受験生に人気の学部です。

早稲田大学 国際教養学部

海外経験がない方は留学が必須とされていることと、英語に加えて第2外国語を学ぶことが一番の特徴です。また、留学先はイギリスのオックスフォード大学、アメリカのイェール大学、シンガポールのシンガポール国立大学など、各国の名門校が提携先となっています。

国際教養大学

早稲田大学同様に留学が必須とされていますが、さらにその留学に向けての準備として1年次にキャンパス内の寮に入り、留学生と生活を送ることがプログラムに組み込まれています。

立命館大学 グローバル教養学部

オーストラリア国立大学と共同で作られた学部で、原則として全ての学生が両方の大学(立命館大学大阪いばらきキャンパスとANUキャンベラ キャンパス)で学び、4年間で2つの学位の取得するプログラムです。

最後に

以上、「リベラルアーツ」の由来、日本におけるリベラルアーツ教育について、またそのような教育を学べる大学の一部をご紹介しました。

「将来海外で活躍したい!」「色々な分野の勉強をしつづけたい」など考えている方は、ぜひこのような大学も検討してみてください。

上記以外の大学もありますので、まずはUniv-it!の検索機能を使って調べてみるのはいかがでしょうか。