進学先に悩んでいるアナタへ!イギリスの大学の特徴と魅力

2024年5月30日

イギリスの大学に対し、皆様はどういったイメージをお持ちでしょうか?「なんとなくハードルが高そう」「カナダやアメリカとの違いが分からない」など、日本人の学生から少し敬遠されがちですが、その実ケンブリッジやオックスフォードなどの名門校から、都会的な教育環境を形成するロンドン大学群、そして近年人気を増しているスコットランドの大学など、素晴らしい学生生活を送れる可能性に満ち溢れています。ケンブリッジ大学で一年目を終えた筆者が、入試制度や大まかな費用など、進学にあたって知っておくべき基本中の基本である情報を紹介していきます。

大学よりも学部を選ぶ、イギリスの専門的教育

イギリスの大学の明確な特徴としては、選んだ分野を深く掘り下げていく教育方法が挙げられます。これは、就学中に様々な分野を学ぶカナダやアメリカのリベラルアーツ的な考え方とは、一線を画すものです。

ここで高校生たちに懸念されがちなのが、イギリスに進学することによって広く色々な物を学ぶ機会が損なわれてしまう事です。しかし、一つの分野を深く掘り下げるのは、同じ期間で他の国の学部生よりも高度な内容を学習するという事でもあります。その過程で養われた洞察力や思考力は、学んでいる分野以外にも強みを発揮する、というのが筆者の考えです。また、教養課程が無いことによって原則3年でBachelor(学士)を収められるのも、イギリスの魅力の一つです。

さらに、学部によっては複数の学科を同時に履修することも可能です。その制度の一つがイギリスで大変盛んなJoint Honoursです。History and Politics や Chemical Engineering and Managementなど、二つの分野をちょうど50%ずつ学べるこれらの学科は、イギリス中の大学で教えられています。他にも、UCLのArts & Sciencesプログラムなど、よりリベラルアーツの要素を多く取り入れた学部も、近年では増えて来ています。

このように、一口にイギリスの大学といっても様々な選択肢があります。筆者が考えるイギリスの大学に向いている学生というのは、必ずしも一つの科目だけを勉強したい人ではなく、自分が「何をどう学びたいか」のイメージが多少なりとも出来ていて、それにそった選び学部・学科が出来る人です。

~原則としてコース名に“and”が入っていれば二つの分野を同じ比重で勉強しますが、これがEconomics with Accountingの様に“with”だと一つ目の科目がメジャー、二つ目がマイナーという風に偏りが出るので、受験時には注意が必要です!

イギリスの大学に出願するまでの流れは?UCASはどうやって使う?

イギリスの大学の大まかな紹介をしたところで、一般的な入試方法(IB生の場合)を説明していきます

ステップ1:出願

出願は基本的に高校最終学年の10月から1月の間で、UCASというウェブサイトを通して行われます。受験できる学科は5つまでですが、同じ大学内にある2つ以上の学科を併願することも可能です(その場合5つの枠のうち2つが使用されることになります)。ただし、前述のように受験時に何を勉強したいか決まっている人が多いので、これらはイギリスでは珍しいケースになります。

Personal Statementと呼ばれる自己推薦文、高校の教師からの推薦状、そして内申点から割り出されるpredicted scoreなどの書類が必要になります。これらをUCASにアップロードすれば、同サイト上で出願した五つの大学すべてに行き渡るので、個別に書類を送る必要はありません。

ステップ2:条件付き合格

書類を提出後、大学からは「不合格」、もしくは「Conditional Offer」の返事が届きます。Conditional offerとはいわゆる条件付き合格、大学側が生徒に五月の最終試験で「これだけの点数を取って来い」という条件を課します。

5つすべての大学よりいずれかの返事を受けた時点で、First choiceとinsurance choiceの二校を選ぶ必要があり、その他の大学からのオファーは断らなければなりません。Insurance choiceにはfirst choiceの課す最終点数を獲得出来なかった時のために、first choiceよりも簡単な条件の大学を選びます。

ステップ3:IB試験

ここまで来たら後は勉強あるのみ!最終試験にて大学が提示する条件以上の成績を収められれば、晴れて最終合格となります!

ClearingとAdjustment

さらに、first choiceとinsurance choiceのどちらの条件も満たせなかった場合はclearingという救済措置が用意されていて、イギリスのA-level試験結果が発表になった時点でまだ空きのあるイギリス中の大学のコースがUCAS上にリストアップされ、これらの大学に個別に連絡して自分を受け入れるよう交渉する必要があります。その逆もまた然り、adjustmentと言い予想を上回る成績を収めた場合、first choice以上でまだ空きのあるコースに入れるよう交渉出来るシステムも存在します。

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イギリスの大学で学位を取得するまでにどのくらいコストがかかるの?

進学先を決めるにあたって、やはり学費や生活費などのコストが重要な判断材料になってくると思います。日本人学生が分類されるoverseasのカテゴリーに対する学費は大学やコースによって違うので、個別に調べていく必要があります。しかし、基本的にはクラスルームでの学習の多い文系科目が最も安く、専門的な機器を必要とする医学部などの理系科目が最も高額になります。

例を挙げますと、筆者が在籍しているケンブリッジ大学のHuman, Social and Political Scienceコースは最も安いカテゴリーに分類されていて、年間£21,168となっています。これが同大学の医学部だと年間£55,272となります

また、生活コストもその人によってばらつきが生じるのですが、大きく分けてロンドンとそれ以外の地域に分けられます。学生ビザ取得時、ロンドンであれば月に£1,265(年間£15,180)、それ以外の地域であれば月£1,015(年間£12,180)ほどのお金が用意できることを、移民当局に証明しなければいけません。この数字には食費や家賃など学費以外のすべてのコストが含まれていて、進学する際の目安になります。

終わりに…

本記事では、筆者が思うイギリスの大学に進学する際に知っておくべき基礎中の基礎である情報を紹介しましたが、皆さまいかがでしたでしょうか?今後はより詳細なイギリスでの学生生活や、受験の要、personal statementの書き方などに関する記事も随時執筆していく予定ですので、引き続き読んで頂ければ幸いです!

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