【IB受験体験談】リベラルアーツカレッジ、グリネル大学の合格者へインタビュー!

今回は、アメリカのリベラルアーツカレッジを受験・合格し、現在、グリネル大学に進学予定のCさんにインタビューを実施しました。大学選びから、出願プロセス、そして奨学金制度の利用まで、国内インターからリベラルアーツカレッジに進学した貴重な体験談を伺いました。
リベラルアーツカレッジとは
専門分野に特化せず、人文科学、社会科学、自然科学などの幅広い分野を少人数制で深く学ぶことを目的とした四年制大学です。学生と教授の距離が近く、物事を多角的に捉える「批判的思考力」を育成することを重視しています。グリネル大学をはじめ、アメリカには質の高いリベラルアーツカレッジが多数存在します。
グリネル大学の基本情報
1846年創立のアイオワ州にある名門リベラルアーツカレッジです。全米でもトップクラスに位置し、質の高い教育と学生の多様性を尊重する校風で知られています。特に、手厚い奨学金制度と、専攻を幅広く学んだ上で2年次終了までに決定できるオープンカリキュラムを採用している点が特徴です。
グリネル大学出願に必要な書類
- Common Application(エッセイと課外活動のリストあり)
- 教員推薦状X2
- 学校カウンセラーからの推薦状
- 学校成績表
- IB成績
- TOEFL, IELTSなどの英語能力証明テスト(母国語が英語でない場合、または高校での主な授業言語が英語でなかった場合)
- ACT/SAT (オプション)
詳細は公式サイトから最新の募集要項を確認してください。
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インタビュイーのプロフィール
| 所属大学・学部 | グリネル大学(リベラルアーツカレッジ) ※現在ギャップイヤー中 |
|---|---|
| 受験大学(併願校) | ノックス・カレッジ、ブラウン大学、コルビー大学、クレアモント・マッケンナ・カレッジ、ウェルズリー・カレッジなど、リベラルアーツカレッジを中心に約40校 |
| 出身高校の区分 | 国内インターナショナルスクール |
| IB選択科目・最終スコア | HL:数学、化学、日本語A、 SL:英語A、生物、グローバル・ポリティクス 最終スコア:36点 |
| これまでの教育歴 | 公立中学校の暗記型教育に不満を感じ、高校1年生から国際バカロレア(IB)プログラムを自主的に見つけて開始。海外在住経験はなし。 |
大学選び編
併願校も含めて、どのように出願する大学を選びましたか?この併願校・入試方法を選んだ理由や大学の魅力について教えてください。
総合大学の規模の大きさが自分に合わないと感じ、少人数教育のリベラルアーツカレッジを多数併願しました。大学選びの基準は、多様性、留学生の多さ、そして専攻を自由に選べるオープンカリキュラムである点を重視しました。海外での学びが初めてになるため、教授との距離が近く、質問しやすい環境を求めたのも理由です。全部で40校ほど出願しました。

併願先を複数選ぶ際に、セーフティ校、チャレンジ校などのバランスをどのように考えましたか?
SATを受験していなかったため、自分のレベルが分からず、セーフティ校やターゲット校、チャレンジ校といったバランスを意識して選ぶことはできませんでした。GPAもIBの成績を変換するのが難しく、自分がどのくらいのレベルにいるのかが不明確でした。そのため、合格率や財団のリストを見て、この学校は難しいだろうな、という程度のイメージで出願校を選びました。
最終的にグリネル大学を選んだ決め手は何でしたか?グリネル大学のどのような点に、他の大学にはない魅力を感じましたか?
一番の決め手は、手厚い奨学金制度です。複数の大学で奨学金を得て交渉した結果、かなりの額をいただくことができました。また、学生の多様性を尊重するフラットな校風や、教員と学生の距離の近さも魅力でした。留学生も「お金」として見られず、多様性の一員としてきちんと奨学金を出してくれる姿勢にも共感しました。
受験対策・出願編
Common App を使った出願方法と必要書類
Common App(Common Application)は、アメリカの多くの大学(総合大学およびリベラルアーツカレッジ)に共通して利用できるオンライン出願システムです。グリネル大学もCommon Appを利用した出願を受け付けています。出願の際には、IBの成績が記載された高校の成績証明書(トランスクリプト)などを提出します。Cさんの場合、面接はオプションであったため実施していません。
出願書類はいつ頃から準備しましたか?
志望校の本格的なリサーチを始めたのは高校3年生の夏手前くらいです。IBの課題に追われていたため、計画的に準備を進められたとは言えません。エッセイは定期的に時間を取るのではなく、アイデアが思いついた時に一気に書き上げるスタイルでした。準備期間が短かった分、とりあえずたくさん出願してみるという戦略をとりました。

出願に必要な英語外部検定試験は、どの試験(TOEFL, IELTS等)を選択し、目標スコアを幾つに設定しましたか?IBの英語学習に加えて、英語学部検定試験の政策を行なっていればどのような対策をしたか教えてください
3年以上インターナショナルスクールに通っていたため、TOEFLやIELTSなどの英語力証明は必要ありませんでした。大学出願では、IBの成績が記載された高校の成績証明書(トランスクリプト)を提出しました。高校のシステム上、プレディクテッド・グレードは出願に利用しなかったため、基本的にトランスクリプトを提出する形でした。
エッセイで出題されたテーマと執筆した内容について教えてください
自身が強く信じる「多様性の重要性」をテーマに執筆しました。リベラルアーツカレッジは多様性を重視する大学が多いので、なぜそれが大事なのか、自分にとってどういう意味があるのかという点について、自身の経験や部活動の経験を交えながら書きました。
出願の際に最も苦労した部分を教えてください
課題が山積みのIB生活の中で、自己分析の時間をなかなか取れず、「ちゃんとしたものが書けていないのではないか」という不安と常に戦うことが一番辛かったです。時間が取れない分、出願内容の質が低いのではないかという不安が常にありました。
不安をどうマネジメントしましたか?
提出期限が来たら終わりなので、それまでに全力を出すというスタンスで向き合いました。信頼できるメンターに相談し、客観的な意見を取り入れるのも大切だと思います。

IBの最終試験に向けて勉強と並行して受験準備を進める上でのスケジュール管理やバランスをとるために工夫した点について教えてください
スケジュール管理は計画的とは言えませんでした。高校2年生(IBが始まって1年目)は勉強と課外活動に時間をかけ、学校の宿題は放課後1〜2時間で終わらせるよう工夫しました。高校3年生の受験期間は、テスト前に集中して勉強することが多くなりました。課外活動は、10月頃を目処に出願材料が揃った時点で徐々に参加頻度を落としました。
学費・奨学金
学費・生活費の工面について、どのように考え、どのような戦略を取りましたか?
アメリカのリベラルアーツカレッジは学費が高額なため、奨学金がないと進学できないという認識でした。そこで、まず安全校(セーフティ校)から学費の80%以上を奨学金で得られるようなところを多数出願し、そのオファーを交渉材料に、よりレベルの高い大学からも奨学金を得られるように交渉しました。大学側から自動的に給付されるメリット型奨学金(成績優秀者向け)を受け取り、交渉を通じて増額してもらった経験もあります。

日本の奨学金制度の利用は検討しましたか?
グローバルバンクロフトなど日本の奨学金制度は、年収のオーバーなどで応募できませんでした。
卒業後の進路と後輩IB生へのアドバイス
既に専攻(Major)は決まっていますか?また将来どのような進路を考えていますか?
現在はギャップイヤー中であるため、まだキャンパスでの生活は始まっていません。専攻は、オープンカリキュラム制度を利用して授業を受けながら、2年生の終わりまでに決定する予定です。将来については、おそらく学問を深めるために大学院に進学することになるだろうと感じています。
これからリベラルアーツカレッジを目指すIB生の後輩へ向けて、アドバイスをお願いします。
一つに固執せず、多様な学問を楽しむことが重要です。プレッシャーに負けず、様々な学びを大切にすることで濃い学校生活が送れます。また、出願プロセスでは、一人で抱え込まず、信頼できるメンター(先生や先輩など)に相談することが非常に大事です。客観的な視点を得ることで、ストレスも軽減され、スムーズなプロセスになります。また、大学選びでは、スコアが足りないと思っても諦めずに、とりあえずたくさん出願してみることも重要だと思います。












