【IB生体験談】早稲田大学 政治経済学部をEnglish-based Degree Program Admissionsで受験したHさんの受験体験談
早稲田大学は国内トップクラスの人気を誇る私立大学のひとつです。
IB生にも人気の高い大学ですが、IBDP資格を利用し受験ができる&入学後は英語で学べる学部があることはご存知でしたか?
今回は、早稲田大学政治経済学部の英語学位プログラムとEnglish-based Degree Program Admissionsについてご紹介していきます。
実際に合格・進学したH先輩のインタビューも必見です!
- 1. 早稲田大学政治経済学部の英語学位プログラムについて
- 2. 早稲田大学政治経済学部 English-based Degree Program Admissionsについて
- 3. Hさんの合格体験談インタビュー
- 3.1. Hさんの基本情報
- 3.2. 併願校はどのように決めていきましたか?
- 3.3. 国内大学を志望した理由はなんですか?
- 3.4. なぜ早稲田大学の政治経済学部を受験しようと思いましたか?
- 3.5. 出願書類はいつ頃から準備しましたか?
- 3.6. 小論文の内容について教えてください。
- 3.7. 小論文執筆にあたり、どのような対策をしましたか?
- 3.8. IBでの経験を志望理由等で盛り込む際に意識したポイントはありますか?
- 3.9. 課外活動への取り組みは大学受験において重要だと思いますか?
- 3.10. 大学受験の際、IBをやっていて良かったと感じたことはありますか?
- 3.11. この入試で合格するにはどういったことが重要だと思いますか?
- 3.12. この入試を将来受験するIB生へのアドバイスを教えてください。
- 4. 最後に
早稲田大学政治経済学部の英語学位プログラムについて
早稲田大学はいくつかの学部で「全てのコースを英語で受講することができる」英語学位プログラムを実施しています。
総合型選抜HPより引用
その中のひとつである政治経済学部では、MITやUCLA、オックスフォード大学などで教鞭を取った国際経験豊かな先生方の元で定量的アプローチとデータ分析に重点をおいたカリキュラムが提供されています。
英語学位プログラムの学生は、すべてのコースを英語で受講することで修了に必要な単位を取得できますが、ほとんどのコースは、すべてのレベル(入門、中級、上級)で英語と日本語の両方で提供されています。日本語で受講する機会があることは、バイリンガルとして、将来的に日本企業や団体でのキャリアを目指す学生にとって非常に魅力的な学習環境だと言えます。
早稲田大学政治経済学部 English-based Degree Program Admissionsについて
入試名称 | English-based Degree Program Admissions |
選考方法 | 書類(+必要な場合のみ面接) |
出願時期 | 1月〜2月ごろ |
入学時期 | 9月 |
募集定員 | 約100名 |
出願資格 | ・IBDP取得済・取得見込みであれば出願可能 ※その他出願資格の詳細は募集要項をご確認ください。 |
必要提出資格
※詳細は募集要項をご確認ください。 |
①Standardized Test Score IBDP or SAT or ACT ②TOEFL or IELTS |
募集要項掲載HP | https://www.waseda.jp/fpse/pse/en/applicants/admissions/ |
政治経済学部の入試は基本的には書類選考のみで合否が決まる、という特徴があります。
2023年度から4月入学募集が中止になった英語学位プログラム入試ですが、募集要項の出願資格は「IB取得者・取得見込みの者」となっているため、国内一条校のIB生も9月入学の本入試に出願ができるようになっています。
また、Predicted Gradeで出願した場合もConditional Offerではなく、正式な合格となります。最終的なスコアの提出は必要ですが、ここもIB生にとっては受験しやすい条件と言えるかもしれません。その分、学内でのMock試験や先生からの評価が重要になってくるようです。
2023〜2025年度までの合格者のStandardized Test Scoreの平均スコア
New SAT (total) | 1453.8 |
ACT (composite) | 33.0 |
IBDP (including predicted grades) | 38.3 / 42 |
足切りのDPスコアや選択科目の指定はありませんが、HPに「書類選考においてはスコアを重要視する」という記述があるため、テストの点数は合格に直結すると考えて良いでしょう。
倍率
出願者数 | 合格者数 | 倍率 | |
2025年度 | 749 | 228 | 3.3倍 |
2024年度 | 515 | 183 | 2.8倍 |
2023年度 | 417 | 260 | 1.6倍 |
Hさんの合格体験談インタビュー
ここからは政治経済学部の入試について、実際に合格・進学したH先輩の体験談を通して見ていきましょう。
Hさんの基本情報
出身校区分 | 海外インター・現地校 |
IBDPの最終スコア | 38点 |
IB選択科目 | SL: Mandarin Initio、Biology, English A L&L HL: Economics, Math AI, Geography |
TOEFLスコア | 102点 |
現在の在籍校 | 早稲田大学 政治経済学部 |
受験した入試名称 | English-based Degree Program Admissions |
併願校はどのように決めていきましたか?
「日本国内の英語で勉強ができる大学」で絞りました。その中でも就活での強さ、東京都内という立地等を踏まえて早稲田大学が第一志望になりました。
海外大学に関しては、国内大学の結果次第で出願を検討しようと考えていました。
国内大学を志望した理由はなんですか?
学費の関係もありましたし、何より海外生活が14年と長かったので、日本語が弱い部分があると感じていました。将来は日本で就職し、その後海外赴任を目指したいと考えているため、日本で生活する中で日本語スキルを磨き、大学では英語で学んで英語力を維持することを期待しての選択でした。
なぜ早稲田大学の政治経済学部を受験しようと思いましたか?
経済・商学あたりを学びたいと思っていたので、その辺りを見ていました。早稲田の政経と言えば日本の中でもトップクラスですし、就活でも強いと踏んで受験を決めました。また、英語で学べる環境が充実していたことも魅力的でした。
出願書類はいつ頃から準備しましたか?
出願の2〜3ヶ月前から準備を始めました。1番時間がかかったのはエッセイ(1,000 Words)です。文字数としては最初は書きたいことがありすぎてオーバーしてしまったのですが、内容を絞りすぎると逆に字数が余ってしまう分量のように感じることもありました。
エッセイの課題文
2025年度募集要項より引用
小論文の内容について教えてください。
問題に含まれている「将来何をやりたいか」という点が大事だと思ったのでまずはそこを重点的に考えました。自分は後進国に住んでいた経験もあって、低賃金や飢餓の問題が身近に迫って感じられました。その辺りを発展させられるような勉強がしたい、という点を強調し、その次に、自分自身の経験からどう思ったのかということをさらに具体的に書きました。
それから、「学部が提供できること」については、政経だとエセックス大学との提携プログラムがあるので、その大学の特徴や留学を通して得られることについても示しました。また、IB Economicsで学んだこととの繋がりや、学部の教授がどのような研究をしているから将来的にゼミで学べる可能性についても触れました。
他にも、早稲田の教育理念のひとつである「自立心を高める教育」も自分の考えにマッチしていたので、そこも取り入れて繋げていきました。
小論文執筆にあたり、どのような対策をしましたか?
大学HPなどから情報を探したり、先輩からアドバイスを貰いながら完成を目指しました。また、エッセイの構成や出願準備スケジュールについては学校に大学受験を見てくださる専門の先生がいたので、その先生に助けて貰いました。
IBでの経験を志望理由等で盛り込む際に意識したポイントはありますか?
そうですね。IBについてはどちらかというと「学習を通して成長したこと」をメインで書いて、学習内容については触れないようにしました。例えばTOKの授業を通して多方面からの視点で考えることの重要性を知った、というようなことも書きました。
自分の場合はCASよりも使えるなと思った活動が2つあったので、その辺りはどこまで盛り込むかを調整していました。
1つ目は学校のスポーツ委員会の運営活動においてどのようにリーダーシップを発揮したのかという点に言及したりしました。
2つ目は、オンラインでの起業体験プログラムに参加した経験に触れました。
課外活動への取り組みは大学受験において重要だと思いますか?
やっぱり活動をたくさんしていた方が書けることが増えるので駒が増えますし、出願書類も書きやすくなると感じました。ただ、海外大学に比べると日本の大学はそこまで課外活動を重要視していない印象も強く残りました。
逆に、日本の大学はスコアを特に重要視しているのかな、と感じています。合格者のIB平均点を見てもとても高いですし。メルボルン大学などは33点ほどで合格できることがある、と考えると求められるハードルが非常に高いと思います。
大学受験の際、IBをやっていて良かったと感じたことはありますか?
IBをやっていない場合にはSAT受験とスコア提出が必須になるパターンが多いので、その点大学受験の際にIBDP資格をそのまま使えるのはとても良かったです。
勉強面では、IBは「自分でどう考えるか」や「多方面からの学び」を重視しているのでリーダーシップや自主性も身についたと思います。また、大学での学びにつながるEconomicsを高校生の時から学べていたので、その連続性を志望理由書の中でアピールできたこともプラスに働いたかなと思います。
この入試で合格するにはどういったことが重要だと思いますか?
やはりスコアとエッセイの出来でしょうか。この2つが1番評価の対象となるので。エッセイについては特に、「将来何がやりたいのか」「大学で何が学びたいのか」を見られていると思ったので、その辺りの内容をちゃんと固めることが大切だと思います。
また、大学によって特徴が違うので、各大学に合った書き方にすることも重要です。
この入試を将来受験するIB生へのアドバイスを教えてください。
出願書類(志望理由書のエッセイ)が重要になるので、そこは余裕を持って、しっかり時間をかけて準備することが大切です。その上で、スコアもかなり結果を左右します。Mock試験などにも手を抜かず取り組んでみてください。
また、早稲田は国際色豊かな大学でもあるので、受験生の海外経験やバックグラウンドを重視する傾向にあるように思います。そのため、どのような経験が自分自身を作っていったのかということを振り返り、エッセイに落とし込むことも大切だと思います。
━━Hさん、ありがとうございました!
最後に
いかがでしたか?
Univ-it!では今後もIBDP資格を利用した大学受験情報を中心に、最新のIB関連情報をお届けしていきます。
次回の記事もお楽しみに!